3バック。何となく守備的で面白くない、というイメージがある。時代遅れという感じもする。そんな3バック戦術を分析し、解説したのが本書である。
オシムとビエルサが非常によく似ている、という説明が面白い。サッカーへの取り組み方が熱心すぎるところ。率いるチームの守備はマンツーマン。ボールを奪った後の切り替えの速さとダイナミズム。どちらも天才的なトレーナーであること。ビエルサのサッカーは見たことがないので何とも言えないが、オシムについてはある程度分かる。しかし、2人とも素晴らしいサッカーを展開するのだが、1シーズンの最後まで戦い抜けずに消耗してしまうので、タイトルはあまり取れないところまで似ているという。確実に勝てるサッカーと理想的な素晴らしいサッカーは違う、ということなのかもしれない。
最初はフランスリーグマルセイユの現監督、ビエルサが採用している3バックの解説である。しかし、彼のシステムは中盤がダイヤモンド型の3-4-3で非常に攻撃的なサッカーだ。守備的で5バックになりやすい3-5-2とは異なる。1章はビエルサについての考察が中心である。
次はグアルディオラのバイエルン・ミュンヘンの戦術を解説していく。戦術好きにとっては非常に興味深い説明だ。
さらに、ブラジルW杯のオランダ-スペイン戦も分析している。オランダは守備的な5バックで臨んだ。対スペインではバイタルエリアをどう守るかが重要になる。結論としては、相手がバイタルエリアに入ると、徹底的に激しいプレスをかけるのが効果的らしい。オランダはしっかりとスペイン対策の守備をしてきたのだ。攻撃でも、相手をよく研究し、その弱点を突いて1点目、2点目を決めている。オランダが勝ったのはまぐれではない。
また、著者はザックジャパンが3-4-3システムを攻撃ではなく守備のオプションとして使っていればどうだったかと言う。守備で両サイドハーフが引いて5バックになっていればコートジボワール戦は逃げ切れたのではなかったかと。W杯を戦い抜くには守備力が決め手になる、と著者は主張する。守備のオプションなしで臨んだ日本は勇敢というより無謀に近かったということらしい。
オシムもジェフ市原では3バックを使っていた。3バックだから必ずしも守備的ということはなく、相手に合わせて変えていく、そのために状況に応じて3バックも使う、というのが正しい理解のようだ。ブラジルW杯でもオランダやコスタリカが採用したように、決して時代遅れというわけでもない。
もう一つ上のレベルでサッカー観戦を楽しめる、そんな分析や情報が詰まった本である。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥1,519¥1,519 税込
無料お届け日:
3月30日 土曜日
発送元: Amazon 販売者: 月夜野ストア
新品:
¥1,519¥1,519 税込
無料お届け日:
3月30日 土曜日
発送元: Amazon
販売者: 月夜野ストア
中古品: ¥21
中古品:
¥21

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
3バック戦術アナライズ 単行本(ソフトカバー) – 2015/1/20
西部謙司
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,519","priceAmount":1519.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,519","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"QSJs1q8dmFAhOYOzt8VUmrRuuD6yR1QxUeVWYmWhthfFWQ%2BNDrsOg4KfpEPPAVe7KLIL7H1TPxV68XhYXfEf4xfyuZQRt%2BufDxQReSHJQ%2BJHNCtRCo4Ce4QkIHmAFgcbIM6yP6HERLlctSULqJ7FLJzd%2BS1VlZBFGtKmmUKr%2BKmjX%2F%2Fi%2FHwlqg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥21","priceAmount":21.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"21","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"QSJs1q8dmFAhOYOzt8VUmrRuuD6yR1QxWxYsuezkaAzIhqeJPCCuoK8IPcvYpGy9ZpRA8McyCpjWTslZtlZbd1XAw62hCN20aR3HtHddFim%2BdIzVzcO1erk2sviOtd8P5hz7ESDP7LmJUaQYQw6yvskncvttR670UAdr4U6JhgoGaKVHRvjvbDf3H4%2Fi27Ba","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
サッカー3バック戦術アナライズ 異端の戦術がもたらすイノベーション
史上初の「3バック戦術」徹底解説書! !
“普通じゃない"戦術が示すサッカーの未来。
3バックは「最先端」か「時代遅れ」か?
強者の「3バック」か弱者の「5バック」か?
2014年のW杯で躍進したオランダ代表、メキシコ代表、
“ペップ"グアルディオラのバイエルンと3バックの伝道師マルセロ・ビエルサ、
浦和レッズなどJリーグにおける3バックの興隆など…
異能の戦術家たちが作り上げる3バックの“暗号"を読み解く。
【目次】
はじめに なぜ「3バック」なのか?
Chapter1 3バックの夢
教授とマフィア/オシムの記憶/マンツーマンなのか、
そうでないのか/アヤックス、バルセロナ、オランダ/花神(枯れ木に花を 咲かせましょう)
Chapter2 ペップのソリューション
人気絶頂! バイエルン・ミュンヘン/解読・ASローマ戦/ナナメ上の解法
Chapter3 ワールドカップの3バック
ティキ・タカ時代の終焉/バイタルエリアを消せ/縦1本と高速カウンター/
弱者の戦法としての3バック/コスタリカとザッケローニの3‐4‐3/メキシコの伝統/ビエルサとサンパオリのチリ
Chapter4 日本サッカーと3バック
オフサイド・ルール改正がはじまり/ベルリンの奇跡/
開花しなかった80年代の3‐5‐2/3バックか4バックか/フラット・スリー/
3から4へ、さらに3から4へ/ビエルサ的なオシムのサッカー/岡田→ザッケローニ→アギーレ/J2の3バック
おわりに 普通ではない(ロコっぽい)人々が生み出す3バック
史上初の「3バック戦術」徹底解説書! !
“普通じゃない"戦術が示すサッカーの未来。
3バックは「最先端」か「時代遅れ」か?
強者の「3バック」か弱者の「5バック」か?
2014年のW杯で躍進したオランダ代表、メキシコ代表、
“ペップ"グアルディオラのバイエルンと3バックの伝道師マルセロ・ビエルサ、
浦和レッズなどJリーグにおける3バックの興隆など…
異能の戦術家たちが作り上げる3バックの“暗号"を読み解く。
【目次】
はじめに なぜ「3バック」なのか?
Chapter1 3バックの夢
教授とマフィア/オシムの記憶/マンツーマンなのか、
そうでないのか/アヤックス、バルセロナ、オランダ/花神(枯れ木に花を 咲かせましょう)
Chapter2 ペップのソリューション
人気絶頂! バイエルン・ミュンヘン/解読・ASローマ戦/ナナメ上の解法
Chapter3 ワールドカップの3バック
ティキ・タカ時代の終焉/バイタルエリアを消せ/縦1本と高速カウンター/
弱者の戦法としての3バック/コスタリカとザッケローニの3‐4‐3/メキシコの伝統/ビエルサとサンパオリのチリ
Chapter4 日本サッカーと3バック
オフサイド・ルール改正がはじまり/ベルリンの奇跡/
開花しなかった80年代の3‐5‐2/3バックか4バックか/フラット・スリー/
3から4へ、さらに3から4へ/ビエルサ的なオシムのサッカー/岡田→ザッケローニ→アギーレ/J2の3バック
おわりに 普通ではない(ロコっぽい)人々が生み出す3バック
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社カンゼン
- 発売日2015/1/20
- 寸法13 x 1.7 x 18.9 cm
- ISBN-104862552919
- ISBN-13978-4862552914
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 3バック戦術アナライズ
¥1,519¥1,519
最短で3月30日 土曜日のお届け予定です
残り2点 ご注文はお早めに
¥1,650¥1,650
最短で3月30日 土曜日のお届け予定です
残り1点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
西部謙司 にしべ・けんじ
1962年9月27日、東京都生まれ。少年期を台東区入谷というサッカー不毛の地で過ごすが、
小学校6年時にテレビでベッケンバウアーを見て感化される。以来、サッカー一筋。
早稲田大学教育学部を卒業し、商社に就職するも3年で退社。学研『ストライカー』の編集記者を経て、
02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。
現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、タグマ版「犬の生活」を連載中。
著書に『1974フットボールオデッセイ』『イビチャ・オシムのサッカー世界を読み解く』(双葉社)、
『Jリーグの戦術はガラパゴスか最先端か』(東邦出版)、『サッカーで大事なことは、すべてゲームの中にある』(出版芸術社)、
『戦術リストランテIII』(ソル・メディア)、『サッカー戦術クロニクル』『サッカー戦術クロニクルII』『眼・術・戦』(小社)などがある。
1962年9月27日、東京都生まれ。少年期を台東区入谷というサッカー不毛の地で過ごすが、
小学校6年時にテレビでベッケンバウアーを見て感化される。以来、サッカー一筋。
早稲田大学教育学部を卒業し、商社に就職するも3年で退社。学研『ストライカー』の編集記者を経て、
02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。
現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、タグマ版「犬の生活」を連載中。
著書に『1974フットボールオデッセイ』『イビチャ・オシムのサッカー世界を読み解く』(双葉社)、
『Jリーグの戦術はガラパゴスか最先端か』(東邦出版)、『サッカーで大事なことは、すべてゲームの中にある』(出版芸術社)、
『戦術リストランテIII』(ソル・メディア)、『サッカー戦術クロニクル』『サッカー戦術クロニクルII』『眼・術・戦』(小社)などがある。
登録情報
- 出版社 : カンゼン (2015/1/20)
- 発売日 : 2015/1/20
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4862552919
- ISBN-13 : 978-4862552914
- 寸法 : 13 x 1.7 x 18.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 165,237位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,517位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は変わり者の一人かなと思いました。
以前は3バックなんて!と思いましたが、今では奥が深くて3バックも面白いと思いました。
4バックよりもより緻密さが求められる、各監督の工夫が伝わってきました。
しかし、後ろの章で、前の章の説明が繰り返されている場面を何度も見ました。
さっきの章で述べたことをもう一度上げている!!!とうんざりしたことがまぁまぁありました。
内容が少なくなっていました。
西部さんと言うより、構成の担当者に問題があるのかな?と思いました。
(個人的に西部さんの分析は奥深くて面白い)
以前は3バックなんて!と思いましたが、今では奥が深くて3バックも面白いと思いました。
4バックよりもより緻密さが求められる、各監督の工夫が伝わってきました。
しかし、後ろの章で、前の章の説明が繰り返されている場面を何度も見ました。
さっきの章で述べたことをもう一度上げている!!!とうんざりしたことがまぁまぁありました。
内容が少なくなっていました。
西部さんと言うより、構成の担当者に問題があるのかな?と思いました。
(個人的に西部さんの分析は奥深くて面白い)