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なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか? 単行本 – 2017/3/14
購入オプションとあわせ買い
・2017/3/1 東京にて佐々木俊尚氏との対談イベント実施
・2017/3/1 Yahoo!ニュース(個人)に著者インタビュー記事掲載 "英ロンドン金融街を題材に「一緒に学ぶジャーナリズム」 ライエンダイク氏インタビュー"
・2017/3/20 東洋経済オンラインにインタビュー記事掲載 "金融街で働く人は「嫌なヤツ」ばかりなのか"
・2017/3/24 WEBRONZAで書評掲載
・2017/3/27~ cakesで『3月のライオン』『ハゲタカ』などの大友啓史監督との対談記事連載 "ジャーナリズムと物語の境界線を歩く"
・2017/4/7 朝日GLOBEオンライン版にインタビュー記事掲載 "金融界を支配していたのは「欲」ではなく「恐れ」"
・2017/4/10 greenz.jpに佐々木俊尚氏との対談イベントレポート掲載 "専門家にならなくていい。「問い」が投げられれば。ヨリス・ライエンダイクと佐々木俊尚が考える、これからのジャーナリストに必要なこと"
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【糸井重里 × ヨリス・ライエンダイク 対談収録! 】
ほぼ日刊イトイ新聞「ゼロからはじめるジャーナリズム」
「毎日、法に触れることを目にするよ」
「別にいいんだ。自分のカネじゃないし、ってね」……
「最も影響力のある国際ジャーナリスト」が
ロンドンの金融街で働く200人以上にインタビュー。
一面的にしか語られてこなかった金融業界の
人間模様を描いた傑作ノンフィクション!
◆書籍概要
著者は、ジャーナリストが「すべてを知っているように伝える」メディアのあり方に疑問を持ち、
「『知らない』ところからはじめる」ことに挑戦すべく、2011年から2013年まで
イギリスの有力紙ガーディアンのオンライン版で「Banking Blog」を連載。
まったくの門外漢だった著者は、ロンドンの金融街で働く200人超の人々にインタビューし、
金融業界について「ゼロから学んでいくプロセス」を公開しました。
読者からも意見を募り、読者から次の取材相手を見つけるなど双方向のアプローチを実践し、
最大数千件のコメントがつく超人気コラムに成長しました。
本書は、そのプロジェクトの集大成として、取材の過程で何を学び、
現在の金融業界全体にどんな問題が存在しているかを浮かび上がらせようとするものです。
本書は日本の人口7分の1のオランダで35万部のベストセラーを記録。
さらに、オランダの市民が投票する「NS Public Book of the Year 2015」を受賞。
Financial Times、The Atlantic、GQ、Telegraphが激賞し
The Evening Standardの「Best Books of 2015」に選ばれています。
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イントロダクション(一部公開)
君は飛行機に乗っている。
シートベルト着用のサインが消え、飲み物が配られて、機内映画を見ようか本を読もうかと考えている。
隣の人は黙ってウィスキーをちびちび飲んでいて、君はぼんやりと窓の外のお日さまと雲を眺めている。
突然、片翼のエンジンからバカでかい火が噴き出すのが見える。客室乗務員を呼ぶ。
ええ、技術的な問題がありましたが、もう大丈夫です、と彼女が言う。
落ち着いた自信満々な態度に、その言葉を信じそうになる。
でもやはり、気持ちがざわついて立ち上がってしまう。
するとその落ち着いた客室乗務員が、次に融通のきかないチーフパーサーが、飛行機の前方に向かおうとしている君を止めにかかる。
お客様、お席にお戻りください。
君は彼らを押しのけ、コックピットのドアに手をかけ、無理やり開ける。
すると……そこにはだれもいない。
僕はこの数年間、ロンドンの金融街で働いている人や、働いたことのある200人近い人たちに話を聞いてきた。
内容はそれぞれに違っていたけれど、もしひとつのイメージにまとめろと言われたら、それは空っぽのコックピットだ。
- 本の長さ305ページ
- 言語日本語
- 出版社英治出版
- 発売日2017/3/14
- ISBN-104862762387
- ISBN-13978-4862762382
商品の説明
著者について
ヨリス・ライエンダイク Joris Luyendijk
ジャーナリスト。アムステルダム大学およびカイロ大学でアラビア語と政治学を学んだ後、オランダの有力紙2社の中東特派員として1998~2003年の5年間をエジプト・レバノン・パレスチナに滞在。中東滞在期間に目の当たりにした国際メディアの構造的問題、独裁政権下での報道の困難さを著した『こうして世界は誤解する』(英治出版)はオランダで25万部のベストセラーとなり、2006年にはオランダで「最も影響力のある国際ジャーナリスト40人」のひとりに選出される。 2011年から2013年にかけて、英ガーディアン紙のオンライン版で「Banking Blog」を連載。ロンドンの金融街で働く人々の知られざる素顔に迫り、最大数千件のコメントが寄せられる人気コラムになった。その経験をもとに執筆した本書もオランダで30万部以上のベストセラーを記録。オランダの市民が投票する「NS Public Book of the Year 2015」を受賞し、英イブニング・スタンダード紙の「Best Books of 2015」に選ばれた。
[訳者]
関 美和 Miwa Seki
翻訳家。杏林大学准教授。慶應義塾大学文学部卒業。ハーバード・ビジネススクールでMBA取得。モルガン・スタンレー投資銀行を経てクレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める。主な翻訳書に、『アイデアの99%』(英治出版)、『ゼロ・トゥ・ワン』(NHK出版)、『TED TALKS』(日経BP社)など多数。
登録情報
- 出版社 : 英治出版 (2017/3/14)
- 発売日 : 2017/3/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 305ページ
- ISBN-10 : 4862762387
- ISBN-13 : 978-4862762382
- Amazon 売れ筋ランキング: - 436,317位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19,012位投資・金融・会社経営 (本)
- - 66,700位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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サイロエフェクト、という本と合わせて読むと、より面白いと思います。
日本人も、こういう本が書ける人がいるといいのですが。。
個々の人々に悪意が無くても、金融業界は全体として、パイロットのいない飛行機が暴走している様だとまとめる。
英・米の会社が中心の為、少々遠い国の話の様な気もするが、リーマンショックの様に、彼らが傾けば日本の経済も同様に影響を受けると考えるとかなり恐ろしい。
内容は少々堅いが、まずまず面白かった。
でも、堅苦しい本じゃない。タイトルにもある「金融街の人びと」の生態系を解明し、彼ら彼女らの習性を明らかにする。住む世界が違う人達の行動様式を覗き見るのは、単純に読んでて面白い。
高額なボーナス、派手な生活、金の亡者、仕事中毒、カモ(客)からむしり取る、、、いかにもバンカー(業界人)という人たちの話が多いのだが、一番最後に登場する「無感情タイプ」が一番ヤバイかも。仕事にやりがいも達成感も求めず、かといって倫理的な後ろめたさを背負っているわけでもなく、問題を組織や政府のせいにするわけでもない。彼らは単純に「法に反しない限りにおいて、利益を追い求める」だけ。
自慢や怒りや後悔といった感情もないから、そもそもインタビューに答えるメリットがない、だからマスコミには登場しない。彼らの原則に従えば、どんなあくどい金融商品だろうが、(書類上は)買い手が納得して「買い手責任」で投資している限りは、金融機関に罪はないし法に反していない。国際的な租税回避だって、脱税と違って主権国家の法に反しているわけではないし(それこそ「法の抜け穴」を見つけるのが彼らの仕事)、合法的に得して何が悪い?というスタンス。
典型的な業界人が世間から叩かれる一方で、無感情タイプは目立たずひっそり冷静に儲かる仕組みを考えている。彼らが一番の"頭脳"だろう。
リーマンショックはその中の一つだ。そして、世界に与えたインパクトに比して、それを取り上げた書籍が少ない。
今まで日本・米国のリーマンショックに関する書籍は読んだが、今回は英国が舞台。
経営者ではなく、草の根取材の情報はとても興味深かった。
視野狭窄にならず、興味関心疑問を持ち、リサーチすることで異なる事実が浮き彫りになる。
とても、良い学びになった。
本書を金融システムそのものを理解することを目的として手に取るならば、あまり期待しないほうが良いだろう。ただ、金融街がどのような生態系であるのかを理解することを目的とするならば、非常に有意な書籍となりうるであろう。もっとも、金融の規制緩和などは経年変化するものであるので、著者の取材時点から年数を経ると書籍としての価値も減衰する可能性は否めない。
インタビューをした内容に基づいて書かれている。
こういう人がこういう話をした、そして筆者はこう思った、
の積み重ねだ。
この本に出てくる金融の世界にいる人たちは何も特別な人ではない。
金融商品を作っている人たちは、
これからももっと複雑なものを作り出そうとするだろう。
システムを開発している人たちは、
より速く、より高度な取引を可能にするシステムを作り出そうとするだろう。
売り買いをしている人たちは、
それらをいち早く理解し、より大きな儲けを得られるよう努力するだろう。
それが彼らの仕事だし、求められていることだから。
金融業界の持つ仕組みや暗黙のルールは、そうした彼らの動きを加速させ
状況は一層危うさを増していく。
そんなことを想像した。
この危うさはそこに生きる人たちの声だから感じられるもの。
ふだん金融のことなんて意識しない私のような人には
金融全体のシステムを理解することよりも自分に必要なものが得られた気がする。