このO.RI氏は簡略化した少ない線でキャラを表現する独特の絵柄を持つ方です。
少ない線というと描き込みの甘いようなイメージを持つかもしれませんが、それは違います。
身体の絶妙なラインを押さえているので、無駄な描き込みが必要ないだけなのです。
それどころか、派手さがないにも関わらず、その構図には一切の単調さがありません。
デッサンができておらず、変な体型や、不自然なポーズを過激な集中線やトーンでごまかす漫画家も多い中、O.RI氏の作品は淡々としていながらもまるでキャラが生きているかのような錯覚に陥るほどの正確な描写を見ることができます。
無駄を省くことで全体の美しさの整合性を取る氏独特のこの手法は、とにかくハマればたまりません。
この「とまりば」は氏の最近の作品の中でも特にキャラの肌の柔らかさや、主人公とヒロインが身体を重ねた際の密着感が秀逸です。
各話ともほぼヒロインが違うオムニバス形式なので、好きなキャラが一人は見つかるでしょう。
過激さや甘ったるい純愛はありませんが、ゆったりさっぱりとしたキャラたちも氏の魅力の一つと言えます。
最後に、一話だけ本筋と無関係のバニーガールものがありますが、これはおそらく過去作の「BunnyHouse」の未収録話だと思われます。そちらの方も良い作品なので、合わせて読んでおくことをオススメします。
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