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ヨハネ福音書注解 3 単行本 – 2009/5/1
伊吹 雄
(著)
- 本の長さ495ページ
- 言語日本語
- 出版社知泉書館
- 発売日2009/5/1
- ISBN-104862850561
- ISBN-13978-4862850560
登録情報
- 出版社 : 知泉書館 (2009/5/1)
- 発売日 : 2009/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 495ページ
- ISBN-10 : 4862850561
- ISBN-13 : 978-4862850560
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,270,183位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2011年3月12日に日本でレビュー済み
このヨハネ福音書註解の第3巻は13章から最後の21章までの注釈を、それこそその全体の意味を展望するなかで1節ごとに行なったものである。それによって第1巻と第2巻とあわせてヨハネ福音書の全体の注釈を愛の福音書として完成させた点でまさに偉業ということができる。この第3巻は、まずは「別れの説話」(13−16章)で父と子の愛という愛の原型がそのままイエスの弟子たちへ愛となり、そのイエスの愛を掟として弟子たちがお互いに愛するようになることを実現するために、イエスが行なった「弟子たちをその極みまで愛した」こととして十字架の死と復活、それとパラクレートス(助け手・慰めて・聖霊)を送ることが捉えられていることが重要である。それは神とイエスと聖霊の三者がイエスを信じる者たちのところにともに住むことを意味し、三位一体の教義の本来の意味がここから理解されるのではないかということとともに、人が愛に生きる創造的な生(永遠の生)の場所を明らかにする。第17章の「大祭司の祈り」はむつかしいので保留して、受難物語と復活物語の話(第18−20章)はこの福音書の言葉の問題が徹底的に考えられている。福音書の言葉が語られるところに現実が生まれ、そこに信仰者の生きる場所が生まれるという点で、ここでは「神が光あれ」と言ったら光があったと同じ、というかそれ以上の聖霊の働く言葉による生の創造が行なわれているのである。個々の問題でも、愛弟子とペテロの関係、マグダラのマリアに現われたイエスの「我に触れるな」という言葉、トマスの復活のイエスの傷口に触れようとするトマスのリアリズム、などいくつもの問題をよく理解できるように解釈している点で、著者の力量が示されている。著者の全力で取り組む姿勢は言葉が軽くなっていく今の時代にあって聖書を愛するものに勇気を与えてくれるように思われる。