本書の表紙には「自動車を電気で走らせることで、産業の大革命が起こる!」と
書いてありますが、それを含め、電気自動車が日本を救うというシナリオについては、
ほとんどといってよいほど触れられていないままです。
念のため、本書の構成を見てみますと1章で「電気自動車が起こす日本のエネルギー革命」、
2章「電気自動車の歴史と仕組み」、3章「もう1つの電気自動車「燃料電池車」」、
4章「電気自動車普及への道を拓いたハイブリッドカー」、5章「電化とともにクルマは
ハイテク機器に進化する」、6章「電気に頼らないエコ技術」となります。
つまり、日本を救うことに関係しそうなものは1章のみ、それ以外は電気自動車の歴史と
電気自動車とは異なるシステムの車両の技術の説明に2〜4章、5章はITSをはじめとする
最新の運転アシスト技術とそこから考えられる近未来の進展、6章に至っては電気自動車
という枠ではないところでの議論が中心になります。
肝心の1章でも、環境面からガソリン自動車が抱える課題、エネルギー資源面からの
石油の枯渇といったことが簡単に述べられ、それを解決するメインの策はクリーンな
原子力発電を行うことであり、そこから得た電力を電気自動車の充電に使えばよい、
という論理で押し通します。
あとは、付加的に電気自動車の利用法(カーシェアリングなど)に触れるにとどまっており、
経済波及効果や社会インフラへの影響、または環境面で利点があるとするなら、
「Well to Tank」や「Tank to Wheel」を含めたデータを示すべきだと思いますが、
それがないままの議論では電気自動車の普及への道筋すら見えてこないと思います。
また3〜6章についても、やはり技術説明をサポートするための資料が不足がちで、
どこかの技術解説書の寄せ集めの様相を呈していて、全体で何を述べたかったのかが素人では
理解に苦しむ面も多いと思います。
総じて書名に名前負けした内容で、非常に残念な本です。
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電気自動車は日本を救う 単行本 – 2009/9/3
御堀 直嗣
(著)
電気自動車はいよいよ実用レベルに入ってきました。電気自動車が普及すると、ガソリンエンジンの開発やガソリンスタンド産業に代わり、モーター部品の開発や充電インフラの普及など、日本の産業は大きく変わります。
電気分野で技術ノウハウを持っている家電メーカーやベンチャー企業が、自動車メーカーとの提携という形で自動車産業に参加してきています。この大きく産業が変わるタイミングをチャンスと捉え、今後は、さまざまな企業が参入してくるでしょう。
本書は、電気自動車が日本をどう変えていくのかということと、電気自動車のメカニズムについてわかりやすく説明します。近い将来に訪れるであろう、エネルギー革命が見えてくる一冊です。
電気分野で技術ノウハウを持っている家電メーカーやベンチャー企業が、自動車メーカーとの提携という形で自動車産業に参加してきています。この大きく産業が変わるタイミングをチャンスと捉え、今後は、さまざまな企業が参入してくるでしょう。
本書は、電気自動車が日本をどう変えていくのかということと、電気自動車のメカニズムについてわかりやすく説明します。近い将来に訪れるであろう、エネルギー革命が見えてくる一冊です。
- 本の長さ231ページ
- 言語日本語
- 出版社シーアンドアール研究所
- 発売日2009/9/3
- ISBN-104863540353
- ISBN-13978-4863540354
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登録情報
- 出版社 : シーアンドアール研究所 (2009/9/3)
- 発売日 : 2009/9/3
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 231ページ
- ISBN-10 : 4863540353
- ISBN-13 : 978-4863540354
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,826,638位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,437位車・バイク (本)
- カスタマーレビュー:
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