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巡礼ツーリズムの民族誌: 消費される宗教経験 単行本 – 2013/3/1

5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 森話社 (2013/3/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2013/3/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 393ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4864050473
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4864050470
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2013年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代の日本で「宗教」というと、教団的なものや昨今では怪しげなカルト的なものがよくイメージされ、あるいはちょっと文脈が変わると急に反転して、人間の実存のあり方を規定する「聖」なるものとして妙にありがたそうに論じられることが少なくない。だが、今を生きる「普通の人々」の一人かもしれない我々にとって、そういう方面には自らが関与するような「宗教」はないように感じられる。しかしまた一方で、我々の日常的な暮らしの中には、ふだんはあまりそう意識しないが、いったん意識すると「宗教的なもの」として語りたくなってくるような現象があふれており、それらの現象に関わる人もたくさんいる。そうした、宗教らしきものに「浅く」コミットする一度生まれ的に「健全」な人々の生のあり様を、「巡礼ツーリズム」のフィールドワークから詳細に解明しようとした文化人類学・民俗学的研究の力作が本書である。
巡礼ツーリズム、すなわち、特定の宗教的伝統と文化的な産業・消費の論理が分かちがたく結びついた現在進行形のシステム。そのシステムの本質を著者は、資本主義による人間の本来的な宗教性や地域固有の伝統の疎外とみるのではなく、あるいは商業主義に浸食されない(もしくはそれに抵抗する)民衆的な信仰の発見、といったようなロマン主義的な閉塞に陥ることも回避して、文化産業や消費社会が可能にした新たな経験構築の装置として冷静に観察・分析していく。マクロレベルでは、巡礼ツーリズムの形成過程を佐渡でのそれを中心的な事例として歴史的に振り返り、ミクロレベルでは、それに今まさに関与している人々の語りがどのように構成され表現され、またその内容が社会的文脈に位置付けられるのかを考察することで、この現代的な文化産業のローカルな全体像が、極めて明瞭に見えてくるように熟慮を尽くして論述されている。
「消費される宗教経験」というと、なにか宗教が金まみれになって堕落しているような印象をうけるわけだが、しかし、現代日本においては、ありとあらゆる宗教的な実践が多かれ少なかれ消費社会に取り込まれており、しかも場合によってはそこに取り込まれているからこそ(あるいはそれを取り込んだからこそ)、人々に新しい経験――そこには本書が主に論じる「浅い」経験もあれば、より「深い」それもあるだろう――を提供することが可能になっている。そうした現代宗教のありのままの姿についてよく知り、「深く」反省することをよしとする学究者に対して、本書が与えてくれる知見は並々ならぬものがあるといってよい。
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