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マスタースイッチ 単行本 – 2012/8/25

5.0 5つ星のうち5.0 3個の評価

オープンなインターネットの理念が生きのびられるかどうかは、いまや新たな独占企業の胸三寸という瀬戸際に追い込まれてしまった。世界を手中におさめる「マスタースイッチ」をめぐって、アメリカ情報通信・放送・映画・ネット新興企業がどれほど過酷な死闘をくりひろげてきたか、日本人にはほとんど知られていない「競争の真実」を明らかにする。メディア帝国が創造的破壊と成長の勢いを止めない条件は、「よい独占」「正しい独裁者」の模索にあった。
「スティーブ・ジョブズのような『正しい独裁者』を生むにはどうするべきかの制度設計。つまり「独占の良きコントロール法」で高度な議論をする段階に、米国は進んでいる。それが本書を読んで最もショックを受けた点である――坂村健」
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商品の説明

出版社からのコメント

インターネットの世界では、日本の存在感がないに等しい。アップルとグーグル、アマゾンが潰しあうアメリカと、旧来型のメーカーがスマホを作る日本の差はどこでついたのか。「電話や映画、ケーブルテレビ、コンピュータ、インターネットの源流をたどると、どれも小さな会社が、巨大な独占やカルテルを倒して新しい時代を切り開いている」(「まえがき」より)

著者について

ティム・ウー(Tim Wu)
コロンビア大学法律学教授。マギル大学卒、ハーバード大学ロースクール卒。米連邦取引委員会(FTC)のシニアアドバイザーを務める。消費者はあらゆるネットコンテンツに自由にアクセスできるべきとする「ネットワークの中立性」を主張し、言論の自由や著作権についても発言。2006年、科学誌『サイエンティフィック・アメリカン』の「科学技術分野の50人のリーダー」の1人に選ばれる。主著に『Who Controls the Internet?』(Jack Goldsmithとの共著)

解説者紹介
坂村健(さかむら けん)
1951年東京生まれ。東京大学大学院情報学環教授。工学博士。専攻はコンピュータ・アーキテクチャ(電脳建築学)。日本発のモノの中に組み込むオープンなコンピュータ・アーキテクチャであるTRONを設計し、プロジェクトのリーダーとして活躍。最近ではユビキタスコンピューティングの応用としての情報家電、家具、住宅、ビル、都市、ミュージアムなど広範なデザイン展開を行っている。2002年1月よりYRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長を兼任。著書に『グローバルスタンダードと国家戦略』『ユビキタスでつくる情報社会基盤』『ユビキタスとは何か』『変われる国・日本へ』『不完全な時代』など多数。日本学術会議会員、IEEEフェロー、ゴールデンコアメンバー。01年市村学術賞特別賞、同年武田賞、03年紫綬褒章、04年大川賞、06年日本学士院賞受賞。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 飛鳥新社 (2012/8/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/8/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 416ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4864101868
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4864101868
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.8 x 2.9 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 3個の評価

著者について

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斎藤 栄一郎
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上位レビュー、対象国: 日本

2012年11月24日に日本でレビュー済み
いまとなっては「自明の理」のように受け入れられているシュンペーターの創造的破壊の理論の盲点を指摘する書。情報産業においては、創造的破壊は必然ではなくむしろ偶然だったり、人工的におこしたりするものであることが、電話、ラジオ、映画、テレビのここ100年の歴史を辿ってみるとよくわかる。ネットワークの利便性を追求すれば規模の拡大を追求せざるを得ない。よって、既存のネットワークメディアを支配する独占企業は、破壊的な技術を携えて市場に乗り込んでくる新興企業を潰すか、排除するか、呑みこむかして帝国を守ろうとしてきた。ときにはプロパガンダや政府との裏取引も利用した。この現象を著者は、支配者の座を奪われるのを恐れて、我が子を次々と食い殺してしまうギリシャ神話のクロノスに喩える。分権、自律を志向して設計されたインターネットも例外ではないと著者は言う。アマチュアの趣味の世界から私企業のビジネスの世界に舞台がうつれば、独占を志向することがむしろ自然なのである。

創造的破壊が「たまたま」うまくいった例として著者は電話をあげる。アレクサンダー・グラハム・ベルが細々と始めた電話事業を、当時、電信事業で市場を独占していたウエスタンユニオンが猛追するのだが、「電話が電信にとってかわる」などとは夢思わず、「電話は電信のおまけ」という認識だった。ここでウエスタンユニオンが勝っていれば世紀の大発明は骨抜きにされ、電話の普及も遅れただろう。しかし当時の弱小ベンチャー、ベルは、特許を盾に巨人に立ち向かう。ここで神風が吹いた。ウエスタンユニオンが乗っ取りをしかけられ、特許紛争などしていられなくなって電話事業から撤退したのだ。その結果、電話に電信とってかわるという創造的破壊が起こり、筆者言うところの「イノベーションのサイクル」が正しく回ったのである。ベルの長距離回線の敷設子会社として発足したAT&Tは、J.P.モルガンを後ろ盾にして宿敵ウエスタンユニオンを買収、独立系の地域通信事業者をつぎつぎにのみこんで、独占路線を突き進んだ。堂々と「公益事業」を自認して政府とも親密な関係を築き、1984年についに解体されるまで独占を謳歌する。その後、分割後の地域ベル8社のうちもっとも弱小のサウス・ウエスタン・ベルを率いるエドワード・ウィテカーが、1996年電気通信法による“規制緩和”をテコにかつての親会社AT&Tを含む旧ベルシステムの大部分を買収し、解体したはずのAT&Tが事実上復活する。“競争促進”という大義名分を独占の野望のために利用したのだった。

そのAT&Tは、ラジオ放送の初期には長距離回線網を独占していたことで圧倒的に有利な立場にあったが、ラジオ受信機を製造していたRCAが法律をたてにAT&Tのラジオ事業をもぎとるようにしてNBCを設立。AT&Tの名前は完全にラジオ史から消し去られた。その立役者でもあったデイビッド・サーノフは、ラジオの帝王として君臨する。ここまではよかった。ラジオ産業は電話産業に“併合”されることなく、独自の発展を遂げる出発点に立ったのである。しかしサーノフは、ラジオ産業を脅かしそうな新たな技術と見るや、政府に働きかけてことごとくその芽をつんでいき、「サイクル」を回す側から止める側にまわる。FMラジオの技術が開発されるとそれを握りつぶそうとし、テレビが登場するやいなや、技術力、資金力、政府とのコネをフルに活用して、たんなるラジオの模倣装置の地位に押しとどめようとした(そしてそれに成功した)。テレビ受像機を実質的に発明し、実験し、実用化した者たちが先にもいたにもかかわらず、サーノフは自分こそがテレビ放送の祖であると大々的に宣伝し、テレビ史の「公式記録」を書き換えてしまう。この間、政府はラジオ放送周波数のライセンス制度を補強するなどして、結果としてサーノフの電波支配を後押しした。

こうした例を引きながら、著者は、情報産業の在り方を根本から変えてしまうような革命的イノベーションが起こっても政府の措置が起こるべき競争を阻み、独占企業を保護してしまうこともあることを実証し、シュンペーターの創造的破壊の理論にはこの「規制の虜」という概念が抜け落ちていると指摘する。政府は競争を促進し、イノベーティブな新規参入者を支援しているつもりでまったく逆のことをやっている可能性があるのだ。これはアメリカという国が政治の分野にくらべて経済の分野における権力集中について寛容であることとも無縁ではない。

そこで筆者が提案するのが「分離原則」である。その形態としては、一時的分離、市場間・機能間・プラットフォーム間の分離、規制による分離の三つを上げている。「反規制が絶対的教義になっている」現代のアメリカにおいて、この提案は相当にウケが悪いことは想像に難くない。事実、市場経済原理主義の方面からは酷評されたそうである。著者は「米国は、統制の厳しい他国に比べて、イノベーションに対して最も開かれていると思いがちだ。ところが、現実はそうでもない。業界からの強力な要請で政府が直々に未来を管理しようとするなど、社会主義国も顔負けの行きすぎた例さえある」とさえ言っているのだから、風当たりは相当強かったと思われる。

だからこそ、これでもかというほどの実例を列挙する必要があったのだろう。あらゆる情報産業が最終的に巻き込まれていく、大と小の対立、集権的秩序と分権的多様性の対立、開放型システムと閉鎖型システムの対立。こうしたものを乗り越えて、主役が交代していく「サイクル」を、独占者に阻まれるようなことがあってはならない、と著者は主張する。なぜなら、そのサイクルを回していくことによってのみ、情報の一元化による権力の集中、つまり独占が独裁に結びつくことを防げるからだ。タイトルになっている「マスタースイッチ」は、「すべてを支配する主電源スイッチ」を意味する。「言論を生殺与奪するメディアは、いわば世の中のマスタースイッチ」というわけだ。

このロジックと著者の危機感は理解できるが、「サイクル」が回り続けていくようにするような制度設計、環境整備をしていくしか解決策はないのだろうか。また「サイクル」がうまく回っていくことを単純に進化と考えてもいいものだろうか。本書にある膨大な量の情報がまだ消化できていないなかで、そんな問いが頭をかすめる。「サイクル」をある程度制御していくことの必要性は広く認識されていると思うが、著者も言うように、「最も利便性の高い選択肢をとれば、全体としては大企業に支配の座を譲り渡すことになる」というジレンマがある。こうなるともう人間の本能との戦いになるわけで、本書にある「分離の原則」とは別次元の議論(たとえばどこまで効率、便利をつい有するべきなのか)も並行して必要になってくるだろう。

独占がさまざまな弊害を生むということは理屈でも実感でもそのとおりだと思うのだが、一国の産業全体を牛耳るところまでゼロから上り詰めた人間にはある種の魅力を感じる。本書に登場するAT&Tのセオドア・ヴェイル、RCAのデイビッド・サーノフ、パラマウントのアドルフ・ズーカーといった企業家たちのなんと生き生きと描かれていることか。途中まではゴリアテに立ち向かうダビデであった彼らは、結局次なるダビデを踏みつぶすメガ・ゴリアテに変貌するわけだが、角度を変えてみれば、アメリカン・ドリームの体現者でもある。ゲイツもジョブズもみなこの系譜だ。こういう「自分の王国を作りたいという夢と志」のためには何でもやるという筋金入りのメガロマニアにとって、モチベーションはお金ではない。シュンペーターいうところの「創造の喜び」である。そう考えると、創造的破壊者には、創造的破壊者をもってしか対抗しえないようにも思う。だとしたら著者の立てた大きな問い「どうすれば創造的破壊のサイクルを押しとどめない制度設計が可能か」に対する答えは必ずしも「分離の原則」だけではないのではないか。
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2014年9月21日に日本でレビュー済み
1876年、米国ボストンでのグラハム・ベルの電話の実験から、2011年のネット社会まで、通信技術の進歩と情報産業の栄枯盛衰が、膨大な資料と鋭い視点で読み解かれています。

p83 二十世紀の文化史で広告ほど大きな力を持ったものはまず見当らない。1920年代にその重要性が認められ、ラジオ局の新しいビジネスモデルが生まれた。

電話の発明からラジオの隆盛、無料のテレビ受信から有料化されたケーブルテレビの時代背景とニクソン大統領の思惑、映画産業の試行錯誤、ネット社会の誕生による時代の寵児たちの企業「アップル、グーグル、アマゾン、フェイスブック」がもたらした変革についても述べられています。

発明家、実業家、国家など、情報産業の科学の進歩と発展の中で、競争、裁判闘争、政治権力の介入など、歴史と背景、その意味するものを深く学ぶことのできた貴重な一冊でした。
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