寡作で知られる坂本一成さんが設計した建築の全仕事を、計画案やコンペ応募案を含めて300余ページの1冊の本に集大成している。図面と写真を中心に短い解説と修辞を排した言葉で事実のみを伝えている。ところどころに挟まる対話形式のキーワードによる解説は、これらの住宅を通して坂本一成さんの考え方を読み解く為のヒントになる。ややもすると統一感とかまとまりに欠けた感じを受けるが、多くの混沌とした社会現象の中から、一つひとつ時代の遺留品を拾い出しつなぎ合わせていく坂本さんのアプローチに似合っているように思う。このまとめ方は編集者の長島明夫氏によるもの。一部小学校などの施設建築もあるが、ほとんどが住宅作品で、住宅を通して社会と対峙してきた建築家の姿が垣間見える。
振り返ってみれば、坂本一成さんが活躍した時代は、まさしく日本社会が都市住宅の時代を歩んできた時と重なる。一部の富裕層のための建築家住宅を、一般の人にまで拡げて、社会問題になっていた都市の暮らしと向き合った。非常にコンセプチュアルな思考で住宅が構成され、曖昧なものをどんどんそぎ落とした結果、住宅の本質が見えてくる。約50年、都市住宅と向き合いながら歩んできた日本の住まいの歴史にこの本をテキストに旅してみるのも面白い。

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建築家・坂本一成の世界 ((LIXIL出版)) ハードカバー – 2016/9/6
建築家・坂本一成の50年におよぶ仕事を網羅した作品集の決定版。
この作品集では、写真や図面などの豊富なヴィジュアル要素に加え、個々の建築に寄り添う細密な解説、そして様々な時代における坂本自身の言葉や他者の批評を断片として散りばめることで、坂本の建築の実像を浮かび上がらせようとしています。
坂本の建築は一つの視点の写真だけで表せるものではありません。
その建築のあらゆる部分は、他の部分、あるいは全体、さらには敷地を超えた世界と響きあうなかで成り立っています。
様々に異なる要素が多様な関係を持ちながら共存する、それこそが坂本一成の建築的世界だと言えるでしょう。
本書の構成は、そんな坂本の建築の在り方と呼応しています。
巻頭・巻末には、名作《House SA》《宇土市立網津小学校》の今の日常の姿をみずみずしく撮り下ろした写真を掲載。未完の作品も含む全作品歴、メディア掲載歴も完備した、坂本一成の建築を知るには必携の一冊です。
この作品集では、写真や図面などの豊富なヴィジュアル要素に加え、個々の建築に寄り添う細密な解説、そして様々な時代における坂本自身の言葉や他者の批評を断片として散りばめることで、坂本の建築の実像を浮かび上がらせようとしています。
坂本の建築は一つの視点の写真だけで表せるものではありません。
その建築のあらゆる部分は、他の部分、あるいは全体、さらには敷地を超えた世界と響きあうなかで成り立っています。
様々に異なる要素が多様な関係を持ちながら共存する、それこそが坂本一成の建築的世界だと言えるでしょう。
本書の構成は、そんな坂本の建築の在り方と呼応しています。
巻頭・巻末には、名作《House SA》《宇土市立網津小学校》の今の日常の姿をみずみずしく撮り下ろした写真を掲載。未完の作品も含む全作品歴、メディア掲載歴も完備した、坂本一成の建築を知るには必携の一冊です。
- 本の長さ304ページ
- 言語英語
- 出版社LIXIL出版
- 発売日2016/9/6
- 寸法29.7 x 22 x 2 cm
- ISBN-104864800243
- ISBN-13978-4864800242
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商品の説明
著者について
坂本一成(さかもと・かずなり)
1943年東京生まれ。
1966年東京工業大学工学部建築学科卒業、同大学院進学(篠原一男研究室)。
1969年デビュー作《散田の家》竣工。1971年武蔵野美術大学建築学科専任講師就任(1977年〜同助教授)。1983年東京工業大学助教授就任(1991年〜同教授)。2009年、東京工業大学を定年退職、名誉教授となる。
長年にわたり大学に所属しながら、研究・教育活動と並行して設計活動を展開。現在は建築設計事務所アトリエ・アンド・アイを主宰し、国内外で精力的に活動する。
*主な賞歴 日本建築学会賞作品賞|《House F》(1988)
村野藤吾賞|《コモンシティ星田》(1992)
日本建築学会賞著作賞|『建築に内在する言葉』(2011)
1943年東京生まれ。
1966年東京工業大学工学部建築学科卒業、同大学院進学(篠原一男研究室)。
1969年デビュー作《散田の家》竣工。1971年武蔵野美術大学建築学科専任講師就任(1977年〜同助教授)。1983年東京工業大学助教授就任(1991年〜同教授)。2009年、東京工業大学を定年退職、名誉教授となる。
長年にわたり大学に所属しながら、研究・教育活動と並行して設計活動を展開。現在は建築設計事務所アトリエ・アンド・アイを主宰し、国内外で精力的に活動する。
*主な賞歴 日本建築学会賞作品賞|《House F》(1988)
村野藤吾賞|《コモンシティ星田》(1992)
日本建築学会賞著作賞|『建築に内在する言葉』(2011)
登録情報
- 出版社 : LIXIL出版 (2016/9/6)
- 発売日 : 2016/9/6
- 言語 : 英語
- ハードカバー : 304ページ
- ISBN-10 : 4864800243
- ISBN-13 : 978-4864800242
- 寸法 : 29.7 x 22 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 751,643位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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