『スターウォーズ』のCanon(正史)でこれまでに翻訳されたコミックは本作を含めて4作。これまでの3作はどれもストーリー・イラスト共にSWの世界観を見事に再現した良作でした。
しかしながら、ミニシリーズとして刊行された本作『プリンセス・レイア』は全体的にいまいちと言わざるを得ない出来でした。
表紙を見てレイア?と疑問に思った人も多いと思いますが、僕もその一人です。
個人的に感じたことを箇条書きにしましたので、参考いただけると嬉しいです。
【良い点】
・『新たなる希望』のラストシーンである祝勝セレモニーから
物語がスタートし、映画では描かれなかったセレモニーの
裏側を知ることができます。
・故郷の星を失ったオルデラン人の葛藤が物語に深みを与えています。
・本作でも脇役でありながら活躍するナイン・ナンがいい味出してる。
惑星サラストも描かれています。
【残念な点】
・一番の問題はレイアのキャラクター像。
映画では描かれなかった一面とは言いつつも
あまりにもそのイメージとはかけ離れていて、
全く別のキャラクターの物語を読んでいるようです。
・各キャラクターが要所要所で行動に出る動機、口火となる
きっかけがいまいち描き切れておらず、『どうして?』
という疑問が随所で湧いてきます。
・アメコミのベテラン、テリー・ドッドソンのイラストは
アメコミに馴染みのない人にとっては
少々受け入れがたいタッチで描かれています。
・テリーの奥さん、レイチェル・ドッドソンによる
インキングは80、90年代のコミックを思い起こさせ、
他のSWコミックスと比較すると少々古風に見えてしまいます。
現在C-3POやチューイ、ランドのミニシリーズが刊行予定ですが、その第一弾がこの出来というのはこの先が少し心配ではあります。本場アメリカでの評価が高いのはやはりアメコミの絵のタッチに慣れてるからかもしれませんが、それ以上に本作は肝心の物語が中途半端なので、SWファンの過大評価な気がします。
とはいえ、映画シリーズ以外で展開する物語をコミックスという形で読めるのは嬉しいことですし、少なからずSWの世界に訪れて新しい冒険ができる、という点では素直に楽しめますので、SWファンにはぜひとも読んでいただきたい一冊です。

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スター・ウォーズ:プリンセス・レイア (MARVEL) 単行本(ソフトカバー) – 2016/3/29
惑星オルデラーンよ、永遠なれ! 賞金首となったレイアに帝国の魔手が迫る――
舞台は『エピソード4/新たなる希望』の直後。反乱軍はヤヴィンの戦いに勝利したものの、
その代償は大きかった。愛と平和の惑星オルデラーンを失ったのだ。
故郷と同時に両親を失くしたプリンセス・レイアは、気丈にも継戦を訴えるが、
帝国軍はそんな彼女の首に賞金を懸け、どこまでも追いすがる!
華麗なペンタッチで定評のテリー・ドッドソンのアートにも注目!
【収録】PRINCESS LEIA #1-5
舞台は『エピソード4/新たなる希望』の直後。反乱軍はヤヴィンの戦いに勝利したものの、
その代償は大きかった。愛と平和の惑星オルデラーンを失ったのだ。
故郷と同時に両親を失くしたプリンセス・レイアは、気丈にも継戦を訴えるが、
帝国軍はそんな彼女の首に賞金を懸け、どこまでも追いすがる!
華麗なペンタッチで定評のテリー・ドッドソンのアートにも注目!
【収録】PRINCESS LEIA #1-5
- 本の長さ112ページ
- 言語日本語
- 出版社ヴィレッジブックス
- 発売日2016/3/29
- 寸法18.3 x 0.8 x 25.7 cm
- ISBN-10486491270X
- ISBN-13978-4864912709
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登録情報
- 出版社 : ヴィレッジブックス (2016/3/29)
- 発売日 : 2016/3/29
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 112ページ
- ISBN-10 : 486491270X
- ISBN-13 : 978-4864912709
- 寸法 : 18.3 x 0.8 x 25.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 745,805位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,603位漫画・アニメ・BL(イラスト集・オフィシャルブック)
- - 320,840位コミック
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上位レビュー、対象国: 日本
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2016年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他の「ダースベイダー」とか「スカイウォーカーの衝撃」と比較すると、話に盛り上がりが少ない気がしました。
しかし、映画では語られなかった話ですので、そういった意味ではおすすめです。
しかし、映画では語られなかった話ですので、そういった意味ではおすすめです。
2020年8月24日に日本でレビュー済み
かつての小プロのダークホース期邦訳12冊は、全て面白いと思っていましたし、第二次マーベル期の邦訳も、特に悪役にスポットをあてた作品は物凄く面白かったのですが……第二次マーベル期の、味方キャラの追加エピソードは、どれもイマイチな気がしますね……。
本作ではレイアの活躍が描かれますが、そもそもエピソード4と5の間に、こんなに主体的に大活躍していたというのが違和感があります。また、彼女は勝気で、良くも悪くも「お高くとまった」ところがあり、やや辛辣なキャラという印象があるのですが、だいぶ変わっています。もともとダークホース期の邦訳コミックは映画と同じキャラクタ性でありつつも模写ではなかったのですが、第二次マーベルのオンゴーイング邦訳は、吹替え声優さんの声が頭に浮かぶような描写で満足しておりました。ところが本作では、フランクで快活、頭脳明晰(というより他キャラが無能すぎる)、博識、指揮能力に長け、格闘戦や射撃も得意で、ナアナアな意味で友情に厚いという、性格も能力も旧三部作とは程遠いものになっています。デタラメな造形でも、たとえばエピソード6の後なら影響は小さいわけですが、4と5の間ですから辻褄もあわなくなっています。
近年の映画では、こういう女性キャラはありがちですので、現代らしい変化といえますが、やっていい場合と悪い場合があるでしょう。また、女性を持ち上げるにしても、類型的なキャラで、レイア独自の個性というのが無くなっているように思います。「よくある女性主人公」になってるわけです。新オンゴーイングの方では、そういう印象はなかったんですが……。
そんなこんなで、本当なら「ファンなら必見の補完作品」と言いたいところなんですけど、むしろ補完どころか、逆に珠を欠くような作品になってしまっています。通販限定の「ランド 大いなる賭け」などでも思いました。
ただ、オルデラーンの人々の様々な想いが描かれるあたりは、(単純に全員が同じ考えというわけでもないし)厚みのある作品にはなっていると思います。
「ダース・ベイダー」シリーズ、「シスの暗黒卿」シリーズのような超傑作ではないにせよ、ファンにとってはセカンドベストとして、それなりに必見の作品とは言えるのかな。
本作ではレイアの活躍が描かれますが、そもそもエピソード4と5の間に、こんなに主体的に大活躍していたというのが違和感があります。また、彼女は勝気で、良くも悪くも「お高くとまった」ところがあり、やや辛辣なキャラという印象があるのですが、だいぶ変わっています。もともとダークホース期の邦訳コミックは映画と同じキャラクタ性でありつつも模写ではなかったのですが、第二次マーベルのオンゴーイング邦訳は、吹替え声優さんの声が頭に浮かぶような描写で満足しておりました。ところが本作では、フランクで快活、頭脳明晰(というより他キャラが無能すぎる)、博識、指揮能力に長け、格闘戦や射撃も得意で、ナアナアな意味で友情に厚いという、性格も能力も旧三部作とは程遠いものになっています。デタラメな造形でも、たとえばエピソード6の後なら影響は小さいわけですが、4と5の間ですから辻褄もあわなくなっています。
近年の映画では、こういう女性キャラはありがちですので、現代らしい変化といえますが、やっていい場合と悪い場合があるでしょう。また、女性を持ち上げるにしても、類型的なキャラで、レイア独自の個性というのが無くなっているように思います。「よくある女性主人公」になってるわけです。新オンゴーイングの方では、そういう印象はなかったんですが……。
そんなこんなで、本当なら「ファンなら必見の補完作品」と言いたいところなんですけど、むしろ補完どころか、逆に珠を欠くような作品になってしまっています。通販限定の「ランド 大いなる賭け」などでも思いました。
ただ、オルデラーンの人々の様々な想いが描かれるあたりは、(単純に全員が同じ考えというわけでもないし)厚みのある作品にはなっていると思います。
「ダース・ベイダー」シリーズ、「シスの暗黒卿」シリーズのような超傑作ではないにせよ、ファンにとってはセカンドベストとして、それなりに必見の作品とは言えるのかな。