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家族システムの起源(上) 〔I ユーラシア〕〔2分冊〕 単行本 – 2016/6/24

4.3 5つ星のうち4.3 10個の評価

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「家族システムの起源は“核家族"である」! 40年の集大成!
伝統的な家族構造が多様な近代化の道筋をつけたと論証してきたトッドは、家族構造が不変のものではなく変遷するという方法の大転換を経て、家族構造の単一の起源が核家族であること、現在、先進的なヨーロッパや日本はその古代的な家族構造を保持しているということを発見した。
(上)中国とその周縁部/日本/インド/東南アジア

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日本語版への序文

序 説 人類の分裂から統一へ、もしくは核家族の謎
第1章 類型体系を求めて
第2章 概観――ユーラシアにおける双処居住、父方居住、母方居住
第3章 中国とその周縁部――中央アジアおよび北アジア
第4章 日 本
第5章 インド亜大陸
第6章 東南アジア

原註

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商品の説明

出版社からのコメント

■本書は、全く通常と異なる、ほとんど逆の、人類の歴史の姿を提示するものである。ユーラシアの周縁部に位置する、現在最も先進的である国々、とりわけ西欧圏が、家族構造としては最も古代的なものを持っているということを、示しているからである。
■発展の最終局面におけるヨーロッパ人の成功の一部は、そうした古代的な家族構造はかえって変化や進歩を促進し助長する体のものであり、彼らヨーロッパ人はそうした家族構造を保持してきた、ということに由来するのである。
■このような逆説は、日本と中国の関係の中にも見出される。日本は経済的に中国に比べてひじょうに進んでいるが、家族構造としてはより古代的なものを持っているのである。今後は、家族システムの歴史のこうした新たな見方を踏まえた人類の社会・政治・宗教史の解釈を書くことが必要となる。
(「日本語版への序文」より)

著者について

エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)
1951年生。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。作家のポール・ニザンを祖父に持つ。ケンブリッジ大学にて、家族制度研究の第一人者P・ラスレットの指導で76年に博士論文Seven Peasant communities in pre-industrial Europe(工業化以前のヨーロッパの七つの農民共同体)を提出。同年、『最後の転落――ソ連崩壊のシナリオ』(新版の邦訳13年)で、25歳にして旧ソ連の崩壊を予言。その後の『第三惑星――家族構造とイデオロギー・システム』『世界の幼少期――家族構造と成長』(99年に2作は『世界の多様性――家族構造と近代性』〔邦訳08年〕として合本化)において、世界の各地域における「家族構造」と「社会の上部構造(政治・経済・文化)」の連関を鮮やかに示し、続く『新ヨーロッパ大全』(90年、邦訳92、93年)では、対象をヨーロッパに 限定して、さらに精緻な分析を展開、宗教改革以来500年の全く新たなヨーロッパ近現代史を描き出した。「9・11テロ」から1年後、対イラク戦争開始前の02年9月に出版された『帝国以後――アメリカ・システムの崩壊』(邦訳03年)ではアメリカの金融破綻を予言し、28カ国以上で翻訳され、世界的ベストセラーとなった。
その他の著書として、『移民の運命――同化か隔離か』(94年、邦訳99年)、『経済幻想』(98年、邦訳99年)、『世界像革命――家族人類学の挑戦』(石崎晴己編、01年)『文明の接近――「イスラームvs西洋」の虚構』(クルバージュとの共著、07年、邦訳08年)、『デモクラシー以後――協調的「保護主義」の提唱』(08年、邦訳09年)、『アラブ革命はなぜ起きたか――デモグラフィーとデモクラシー』(11年、邦訳11年)『自由貿易は、民主主義を滅ぼす』(石崎晴己編、11年)『不均衡という病――フランスの変容1980-2010』(ル=ブラーズとの共著、13年、邦訳14年)『トッド 自身を語る』(石崎晴己編訳、15年)(以上、邦訳はいずれも藤原書店刊)。

石崎晴己(いしざき・はるみ)
1940年生まれ。青山学院大学名誉教授。1969年早稲田大学大学院博士課程単位取得退学。専攻フランス文学・思想。
訳書に、ボスケッティ『知識人の覇権』(新評論、1987)、ブルデュー『構造と実践』(1991)『ホモ・アカデミクス』(共訳、1997)、トッド『新ヨーロッパ大全III』(II共訳、1992-1993)『移民の運命』(共訳、1999)『帝国以後』(2003)『文明の接近』(クルバージュとの共著、2008)『デモクラシー以後』(2009)『アラブ革命はなぜ起きたか』(2011)『最後の転落』(2013)『不均衡という病』(ル・ブラーズとの共著、2014)など多数。編著書に、『世界像革命』(2001)『サルトル 21世紀の思想家』(共編、思潮社、2007)『21世紀の知識人』(共編、2009)『トッド 自身を語る』(2015年)(出版社名が明示されていないものは、いずれも藤原書店)など。
片桐友紀子(かたぎり・ゆきこ)
1984年生まれ。青山学院大学フランス文学科卒業、同大学院修士前期課程修了。

中野 茂(なかの・しげる)
1966年生まれ。パリ第8大学博士課程修了(文学博士)、早稲田大学博士後期課程満期退学。早稲田大学高等学院教諭、早稲田大学非常勤講師。フランス文学・フランス語教育。

東松秀雄(とうまつ・ひでお)
1952年生まれ。青山学院大学博士課程単位取得。青山学院大学講師。フランス文学。

北垣 潔(きたがき・きよし)
1965年生まれ。早稲田大学大学院満期退学・青山学院大学他講師。18世紀フランス文学。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 藤原書店 (2016/6/24)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/6/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 416ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4865780726
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4865780727
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 10個の評価

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エマニュエル・トッド
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上位レビュー、対象国: 日本

2017年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
西洋ものをありがたがる日本人のくせに、西洋を広く渉猟してものを考えない日本人。
家族や結婚なんて、日本の学界や論壇ではずっと一段低くみられたテーマ。
それを家族システムまでブレイクダウンして分析してみせた。
しかも、自国はおろか、日本までさかのぼる。

専門図書(ほぼ論文)、しかも翻訳書なので、普通の読み物としてはお勧めできませんが、
しかし、これは、すごい本です。
事象を説明するのに、要素に分解していくのは普通のやり方ですが、
世界⇒国⇒社会⇒地域⇒家族  誰もが習うこの最小単位の社会構成要素と社会のあり方をまじめに考えた。
そのうち、基礎となる家族システムに焦点を絞った論考です(文明への適用は他の図書へ)。

日本では夫婦別姓がどうとか、お一人様世帯がどうとか問題になりますが、
過剰な「個人の自由」と旧弊な「保守」の対立項で動けなくなっています。
しかし、本当に社会を変えるには、家族制度や結婚制度そのものにメスを入れる必要があります。
(メスが入れられるかどうかわかりませんが)

思えば、明治維新で社会が変わったのは家族と結婚制度が変わったから? 戦後、社会が変わったのは家族と結婚制度が変わったから? かもしれません。
テレビの評論家をみていて、いつも顔が曇るのは、少子化なんだから独身者に早く結婚しろとか子供を産めとか、お笑いにしてしまっていることです。

しかし、もうちょっと平易版で楽しい読み物にしてくれれば、著者の考えは広まるのに
22人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年7月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原著2011年、外国語翻訳としては日本語版が最初だそうだ。序説、1-2章が全体の見通しをあたえ、後は地域別の各論で中国、日本、インド、東南アジアと続く。トッドは、以前にイングランドの絶対核家族、パリ盆地の平等核家族、ドイツと日本の直系家族、ロシアと中国の共同体家族をユーラシアに見いだしていた。この時点では、家族形態は歴史的には見られていなかった。トッドが次に見いだしたのは、家族形態の地理的分布でユーラシア内陸に広大な支配的形態が存在し、周辺部にはそれと異なる形態を見いだした。これを友人の言語学者に見せると、それは言語分布によく存在するパターンで、中心には新しい形態が、周縁には古い形態が残存しているのでは、との意見を得た。このことから、トッドの家族論は展開を迎えた。すなわち、周縁に存在する形態が古代の残滓であるとするならば、それは核家族であり、中心には共同体家族が存在する。伝播により古い形態は周縁に押しやられたのだ。ここから彼の洞察は、人類の原初的家族形態は核家族ではないのだろうか、という事にむかう。もちろん、孤立した核家族ではなく、ある種の部族的共同体に内包されているのはもちろんだ。ちょうど現代の核家族が国家に包摂されているように。

家族形態は核家族から直系家族へ変化し、それはさらに共同体家族に変化する。夫婦中心の核家族に対して、直系家族では夫婦の子のうち、一人だけが成人後に相続者として同居する。共同体家族では、結婚した第2世代の夫婦は複数組、父の元にとどまり家族は拡大する(父系的共同体家族)。さて、これに父系(父方居住)、母系(母方居住)、双方系(双所居住)が加わると家族類型は3x3で9通りになるし、これに一時的同居と長期のもの、さらに特別な類型を加えて本書では15類型あるとする。これにさらに、婚姻形態と相続の形態が加わると複雑さは増す。また、考えてみれば分かるが、社会調査や古い時代の史料からこれらの家族類型を決めるのは困難な場合が多い。なぜなら、典型的なパターンどうしの間にはそれらの中間的な形態があるからだ。

中国とその周縁部が最初の分析例だ。ここには非常に奇麗なパターンが見いだされ、それは中央に共同体家族、その最初の同心円には直系家族(日本もそう)、さらにその外側(たとえばフィリピンやミャンマー山岳部)には核家族が見いだされる。核家族から直系家族への変化はどうして起きたのだろうか。農業の発展で人口が増大し稠密になった。新たな土地はもうなく、そして、兄弟の平等な相続は土地の分割を招き、それを繰り替えすと遂には存続不可能になる。これが背景にあるのだと言う。周の時代には、もう直系家族に移行していたとみる。次の共同体家族への移行は、泰の時代であるとされる。中国には保存された資料が多いから、分析が可能なのだ。この移行には、男性の対等性を持つ遊牧民族との接触が契機となり、兄弟間の平等と家父長の権威が確立した。このことは、漢の法律が長子相続を禁じていた事から分かる。また共同体家族は軍事的な組織を作る上で好都合でもあった。この中国の2000年に及ぶ父系的家族の歴史は、遂には女性の積極的蔑視にまでいたる(これはインドでもそう)。そのひとつの例が纏足だ。また、この心性は共同体家族が崩壊した現代中国でも、妊娠時における女子の中絶による性比のアンバランスに現れているように容易には消え去らない。中国の権威と平等が同時に存在する家族制度は、共産党の権威とイデオロギーとしての平等性に良くあう、というのがトッドの従来からの立場だ。

インドにおいても、新しい形態が中央から伝播するので古代的な形態が周縁にしか存在しない、と考えるとうまく説明できるパターンが観察されている。それはインダス川流域からデカン高原をへて南部とセイロンへ至るルートで進んだ。インドにおいては、外部勢力は常にこの北西部から侵入しチムールやムガールの帝国を築いた。

この本では、原始時代が母系制でありそこから父系制が発展したと言う立場を取らない。原始は双系制であり、父系的な制度を持つギリシア人がその社会を観察すると、バイアスのため母系制に見えてしまいそのような記述を残す。それを鵜呑みした後世のバッハオーフェンなどが母系制が人類の原初的家族制度であるとの認識を広めたのだ。また、原始の大家族での平等が階級分化により不平等に変化したと言うルソーから始まるマルクス主義の基本的主張も覆されている。原始双系制核家族は未分化であり平等も不平等もなかったところから、長子相続をともなう直系家族が現れるから、平等の発明より先に不平等が発明されたのだ。

本書が、このように非常に刺激的な論考である事は言うまでもない。しかし、多くの民族誌のモノグラフを根拠に家族構成や婚姻制度の変遷を丁寧に追う記述は、非専門家には少々つらかった事も書いておきたい。また、日本に関する部分では、中根千枝や速水融らの英語文献が参照されており、文科系的学問でも英語で発信する事の大事さを考えさせられた。
90人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年1月3日に日本でレビュー済み
トッドは1951年生まれのフランスの歴史人口学者であり、家族構造の研究を中心に多くの著書を刊行している。本書は、壮大な構想の下で、多くの実証データで示された世界の家族システムの起源と、その政治社会経済への影響を分析したものである。原著は2巻に分かれ、第1巻はユーラシア、第2巻はアフリカ・アメリカ・オセアニアを対象としている。訳書では第1巻は上下巻に分かれ、上巻はユーラシアの東側(中国とその周縁、日本、インド、東南アジア)、下巻は西側(ヨーロッパおよび中東)を扱っている。

序説および第1章では、家族構造研究に関する先行研究を要約し、40年に及ぶ著者自身の研究成果と家族類型の起源と分化について論じている。家族構造の複雑さと地理分布、そして歴史的な変化(分化)は多くの研究者たちを悩ませてきた。著者は構造主義的思考様式が、ある一定のモデルから演繹的に社会構造を導くものであり、現実に適用しようとしうるとたちまちその欠陥を顕わにすると厳しく批判している。著者は大陸の中心と周縁について家族構造を比較すると、周縁地域の保守性が成り立つことに注目する。この「周縁地域の保守性原則」は、家族構造を含む社会システムの核心が中心から周縁に波及する過程で、周縁にはつねに古い家族構造が保存されるとすることで、明解な理解が可能になるとする。

著者は上記のような家族構造の原則を念頭に置いて、大別すると6類型、それらのサブ類型を含めると次のような類型を提唱している(第1章)。
 (1)共同体家族(双処居住、父方居住、または母方居住の3類型)
 (2)直系家族(双処居住、父方居住、または母方居住の3類型)
 (3)統合核家族(双処居住、父方居住、または母方居住の3類型)
 (4)一時的同居を伴う核家族(双処居住、父方居住、または母方居住の3類型)
 (5)純粋核家族(平等主義、または絶対核家族の2類型)
 (6)追加的な一時的同居を伴う直系家族(1類型)
著者は先行研究者たちが著わした多くの地域別モノグラフを分析し、世界中の家族構造を上記の類型に分類し、数量的分析、および地図を用いた可視化を行っている。

ユーラシア(東側)については、父方居住の家族類型が圧倒的に多く、一方核家族や双処居住(父方または母方)は周縁部にのみ出現している。これを示す地図(p.124-125)のインパクトは圧倒的である。

中国とその周縁部については、中国の中央部が父方居住の共同体家族である。周縁の朝鮮や日本は父方居住の直系家族であり、一方、東南アジアは母方居住、フィリピンは双処居住という対照が鮮烈である。

日本については、速水融氏が率いる歴史人口学のグループが優れた仕事をしているということもあり、一国としては例外的に一章が当てられている。日本全体としては父方居住の直系家族という類型が当てはめられるが、東日本における絶対長子相続と、西日本における末子相続または跡取りの自由選択という鮮明な対照が興味深い。また著者は、日本人研究者の業績を引用しながら、古代における双処居住的な家族構造が、中国の影響を受けて、父方居住の家族構造に転換し、また農業経済の稠密化により、近世以降に長子相続が一般化したとしている。

インド亜大陸は、父方居住システムが基本であるが南部には核家族も存在する。東南アジアは、インドに近い地域には父方居住システムが見られ、インドネシアやフィリピンなど島嶼地域では双処居住や母方居住システムが一般的となる。

著者は、家族構造とその政治社会経済への影響について序説で概観している。共産主義革命が起こった国(ロシア、中国、ユーゴスラヴィア、ヴェトナム)と民主主義国家ではあるが共産党が多く支持される地域(イタリア中央部、フィンランド北部)では、伝統的農民層において共同体家族が支配的である。この家族システムが共産主義イデオロギーの価値観に直結していると著者は指摘している。

イングランドの絶対核家族と自由主義の関係、パリ盆地における平等主義家族とフランス革命の平等理念との関係、ドイツや日本で支配的な直系家族と権威主義的イデオロギーとの関係など、本書には蒙を啓かれる指摘が満載である。目まぐるしく動く政治社会経済において、家族システムが100年単位でその地域や国の基本的な方向性を決めている、という本書の主張には知的好奇心を掻き立てられる。大著であるが、十分挑戦する価値のある本である。なお評者は、日本の極右派が唱える「天皇主義」や「家父長家族主義」が、本書が実証した「家族システムと政治社会経済との関係」により、見事に説明できることに驚いた。
28人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年12月18日に日本でレビュー済み
とある課題図書として精読しましたが、決めた先生も呆れるほどのずさんさでした。
膨大な量を扱っているから仕方ないとはいえ、「日本」の項を読めば浅薄さが分かります。
トッドの問題ではなく、訳者の問題も大きいと思いました。歴史学を知らないか、翻訳者の意味をわかっていないか、でしょうか。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート