筆者があとがきでも書いているが、ことさら新しい事実や発見がこの本であるわけではない。
なので、ふだんから保守系雑誌を何冊もチェックしたり、ネットのスレッドに集うような人には必要ないだろう。そんなのもう知ってるよ、ということになるからだ。
おそらくこの本の狙いは、そうした保守系論壇のオピニオンを総ざらいしてわかりやすく提示することだ。
その意味で、ターゲットは「ふつうの人」たち、つまりテレビや新聞といったメディアを第一に信じて、そうした空気に流されやすい人たち、ということだろうか。
意図的にでなく朝日や毎日新聞を読み、「クローズアップ現代」や「報道ステーション」「ニュース23」を見る。
そうした人たちが無自覚に陥る反日、反保守、ひいては戦前否定の東京裁判史観や、9条絶対の空想的平和主義、無防備都市宣言や日の丸君が代反対の市民運動など、そうした左翼の誘導に一石を投じたいというものだとみた。
本文のQ&A形式は、いかにも左翼が主張しそうなことにていねいに答えるものだし、太平洋戦争や日中戦争の経緯から説き起こしながら、コミンテルン謀略史観へと無理なく持っていく流れは、こうした主張を初めて読む人には驚きを伴いながら、しかし読みやすい良書となっている。
しかしこの表紙や中の絵では、本来ターゲットとする「ふつうの人」よりも、むしろネットや同人のヘビーユーザーにアピールしているように受け取られてしまう。実際、そういう購買層が多いのではないか。
そこが本書のジレンマだし、評価の分かれるところなのではないか。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
萌ゆる神の国! 単行本 – 2007/10/15
近年、インターネットを利用する若年層を中心に、戦後民主主義体制への疑問や、戦前日本への再評価などの意見が激増しています。また、毅然とした外交、安全保障政策を求める声も高まっています。
そんな中、ついに美少女イラストを交えて歴史・外交・安全保障などについて主張する“萌え系”オピニオン書が誕生しました。主人公は高天原から降りてきた、巫女さんスタイルの新米女神さま。
彼女と仲間たちの会話を通じ、日本の成り立ちと日本神話、憲法、天皇、大東亜戦争、靖國神社、国旗と国歌など、現在の日本で話題となることの多い論点について分かりやすく主張します。
著者は「ガンダムと第二次世界大戦」などの著書を持つ気鋭のライター、鈴木ドイツ氏。イラスト担当には、当代一の巫女絵師として絶大な人気を持つ美少女イラストレーター、田中松太郎氏を起用しました。まさかの萌え系オピニオン書として、あらゆる意味で話題を巻き起こすことは間違いありません。
そんな中、ついに美少女イラストを交えて歴史・外交・安全保障などについて主張する“萌え系”オピニオン書が誕生しました。主人公は高天原から降りてきた、巫女さんスタイルの新米女神さま。
彼女と仲間たちの会話を通じ、日本の成り立ちと日本神話、憲法、天皇、大東亜戦争、靖國神社、国旗と国歌など、現在の日本で話題となることの多い論点について分かりやすく主張します。
著者は「ガンダムと第二次世界大戦」などの著書を持つ気鋭のライター、鈴木ドイツ氏。イラスト担当には、当代一の巫女絵師として絶大な人気を持つ美少女イラストレーター、田中松太郎氏を起用しました。まさかの萌え系オピニオン書として、あらゆる意味で話題を巻き起こすことは間違いありません。
- 本の長さ270ページ
- 出版社イカロス出版
- 発売日2007/10/15
- ISBN-104871499936
- ISBN-13978-4871499934
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : イカロス出版; A5版 (2007/10/15)
- 発売日 : 2007/10/15
- 単行本 : 270ページ
- ISBN-10 : 4871499936
- ISBN-13 : 978-4871499934
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,329,421位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 117,486位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2008年10月4日に日本でレビュー済み
「知らないという罪」は相当に重い。「知りすぎる罠」を恐れてはいけない。
読んでみて真っ先に思ったこと。
合ってるか間違ってるかはこの際問題ではない、「基本的なこと」を学ぶのに最良の書なのだ。
「何も知らない人」にとってはうってつけの本。これからまたさらに、いろんな主張に触れていけばいいのだ。
こういう本こそ図書館などでいろんな人に手にとってもらいたいのだが・・・私が注文した図書館では閉架扱いになってしまった。入ってすぐに倉庫にしまわれたのだ。内容が過激だと判断されたか?
読んでみて真っ先に思ったこと。
合ってるか間違ってるかはこの際問題ではない、「基本的なこと」を学ぶのに最良の書なのだ。
「何も知らない人」にとってはうってつけの本。これからまたさらに、いろんな主張に触れていけばいいのだ。
こういう本こそ図書館などでいろんな人に手にとってもらいたいのだが・・・私が注文した図書館では閉架扱いになってしまった。入ってすぐに倉庫にしまわれたのだ。内容が過激だと判断されたか?
2007年10月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イラストを見て、買うのを迷っていたのだが、買って読んでみて驚いた。
先の大戦と日本国憲法の真実&コミンテルン暗躍と中国国民党の瓦解とその定められた敗北。と中身はハード。
日本神話から、世界一質素な生活をする権力者である天皇家のエピソードや、核武装の必要性。
まあ、あの理論で説き伏せられたら、持たざるおえないのかもしれない。それでも、持たずに済むのなら、持ちたくは無いが。
あと、ネット右翼と言う汚名に関しても書かれており、知らない人は是非、見て欲しい。
ただ、後半、多少賛同できない部分、信長に関して&湾岸戦争の際、放映された大使館の娘の件とかで書かれて居ない部分に疑問を感じるので星4つとさせてもらった。
先の大戦と日本国憲法の真実&コミンテルン暗躍と中国国民党の瓦解とその定められた敗北。と中身はハード。
日本神話から、世界一質素な生活をする権力者である天皇家のエピソードや、核武装の必要性。
まあ、あの理論で説き伏せられたら、持たざるおえないのかもしれない。それでも、持たずに済むのなら、持ちたくは無いが。
あと、ネット右翼と言う汚名に関しても書かれており、知らない人は是非、見て欲しい。
ただ、後半、多少賛同できない部分、信長に関して&湾岸戦争の際、放映された大使館の娘の件とかで書かれて居ない部分に疑問を感じるので星4つとさせてもらった。
2008年5月16日に日本でレビュー済み
戦後60年以上、日本の左翼と右翼がどれだけ頭の悪い論争をしていたかということがよく分かる本。
2007年11月19日に日本でレビュー済み
保守主義に軸足を置いているオタクの一人として言わせてもらいますが、この本は無しだろう
と思います。
ネタ本として楽しむにしても内容そのものは保守系の論壇誌やブログで何度も何度も言及され
ていることに過ぎず、ひどく凡庸で粗雑なものです。
また既にネット上でも指摘されていますが、古代史を中心として歴史的データに関する記述
ミスが多々見受けられます。明らかに著者が勉強不足であることが伺えます。
もっとも、政治に興味の無いオタクに保守主義をレクチャーするべく、お色気で釣ろうと
いう情けないコンセプトの本に対してこんな目くじらを立てても仕方ないんですけどね。
最後にイラストを担当した田中松太郎氏のファンとして、氏にはもっと仕事を選んで欲しいと
苦言を呈しておきます。
と思います。
ネタ本として楽しむにしても内容そのものは保守系の論壇誌やブログで何度も何度も言及され
ていることに過ぎず、ひどく凡庸で粗雑なものです。
また既にネット上でも指摘されていますが、古代史を中心として歴史的データに関する記述
ミスが多々見受けられます。明らかに著者が勉強不足であることが伺えます。
もっとも、政治に興味の無いオタクに保守主義をレクチャーするべく、お色気で釣ろうと
いう情けないコンセプトの本に対してこんな目くじらを立てても仕方ないんですけどね。
最後にイラストを担当した田中松太郎氏のファンとして、氏にはもっと仕事を選んで欲しいと
苦言を呈しておきます。
2008年4月20日に日本でレビュー済み
本書を鵜呑みにするのは危険です。少なくとも歴史や思想に関わる記述は、まず現在の学術状況に照らして、首をかしげざるを得ないものが多いです。
たとえば靖国神社ですが、表面上執り行われる儀式をもってして他の神社と同じというのは無理があります。小島毅あたりを参照すれば、あそこは朱子学(水戸学)の強い影響下に作られた宗教施設と見るべきで、日本古来の神道とはほとんど関係がありません。国のために死んだ人を祭るというのも不正確。国に殉じたとしても、天皇を戴く側でなければ祭られません。
でも私は、この本にあえて四つ星を差し上げます。その理由は、作者の意図とは裏腹に、ウヨ的傾向の人たちがしがみつきたがるイデオロギーの形骸化ぶりがよく表されているからです。また書かれている内容が、よくいる困ったちゃんの突拍子もない話が整理された形になっていますので、突然立ち現れるネトウヨ的論法に対応するための「傾向と対策」的書物として、左翼以外の人たちも事前演習に十分活用できるでしょう。いや、嫌味とかではなくマジで書いているんですよ。
水戸学をきちんと理解している人が書けば、保守系の教科書として立派なものができたのではないかと思います。でも今は、そうした人材がいないのですね、きっと。
萌え系の絵は、あまり楽しめませんでした。絵そのものが悪いというのではありません。絵を添える本としての構成が悪いので、なくもがなという感じがしますし、点数も多いわけではないので、そっち方面の人には物足りないという感じがします(これで星ひとつ減)。
たとえば靖国神社ですが、表面上執り行われる儀式をもってして他の神社と同じというのは無理があります。小島毅あたりを参照すれば、あそこは朱子学(水戸学)の強い影響下に作られた宗教施設と見るべきで、日本古来の神道とはほとんど関係がありません。国のために死んだ人を祭るというのも不正確。国に殉じたとしても、天皇を戴く側でなければ祭られません。
でも私は、この本にあえて四つ星を差し上げます。その理由は、作者の意図とは裏腹に、ウヨ的傾向の人たちがしがみつきたがるイデオロギーの形骸化ぶりがよく表されているからです。また書かれている内容が、よくいる困ったちゃんの突拍子もない話が整理された形になっていますので、突然立ち現れるネトウヨ的論法に対応するための「傾向と対策」的書物として、左翼以外の人たちも事前演習に十分活用できるでしょう。いや、嫌味とかではなくマジで書いているんですよ。
水戸学をきちんと理解している人が書けば、保守系の教科書として立派なものができたのではないかと思います。でも今は、そうした人材がいないのですね、きっと。
萌え系の絵は、あまり楽しめませんでした。絵そのものが悪いというのではありません。絵を添える本としての構成が悪いので、なくもがなという感じがしますし、点数も多いわけではないので、そっち方面の人には物足りないという感じがします(これで星ひとつ減)。
2008年2月23日に日本でレビュー済み
日本の神話、天皇、戦争から核、靖国に君が代と日の丸……
進めば進ほどヤバイ話になっていく
本当に萌えは必要だったのか
巫女やらパッキンやらひっぱりだしてQ&A方式で説明
少ないけど挿し絵と巻中にカラーグラビア?あり
しかし文章は一個人の意見や思想の固まりなので鵜呑みは危険ですね
ラストの落ちも萌えで括ってるし
中途半端で邪魔な気がするぐらいです
神話や萌え狙いだとえらいカウンターがあります
分かってると思うけど登場する神々は天照以外は創作です
キャラと漫画は良かったので漫画とサービスで神話解説ならまだ良かったんだろうに
最近は“萌え”と憑く作品には注意が必要です
進めば進ほどヤバイ話になっていく
本当に萌えは必要だったのか
巫女やらパッキンやらひっぱりだしてQ&A方式で説明
少ないけど挿し絵と巻中にカラーグラビア?あり
しかし文章は一個人の意見や思想の固まりなので鵜呑みは危険ですね
ラストの落ちも萌えで括ってるし
中途半端で邪魔な気がするぐらいです
神話や萌え狙いだとえらいカウンターがあります
分かってると思うけど登場する神々は天照以外は創作です
キャラと漫画は良かったので漫画とサービスで神話解説ならまだ良かったんだろうに
最近は“萌え”と憑く作品には注意が必要です
2008年9月3日に日本でレビュー済み
萌えよ!戦車学校―戦車のすべてを萌え燃えレクチャー!
を出したイカロス出版の本である。従来はミリタリーオタクのみに媚びる事を嫌い、萌え系も取り込もうと成功した本であるが、本書はその柳の下を狙って失敗した作品。
本論を読まずとも、巻末の参考文献を一読しただけで内容の無さはわかるし、他のレビューアーの方たちが指摘されているのでこれ以上の批判は無意味であろう。国粋主義のバイブルとも言うべき水戸学の説明もなければ、平田国学についても解説もない。逆にネット右翼の勉強不足を露呈した点が本書の評価点でもあろう。
思想を語ることもできず、学ぶ事も出来ないのはオタクの限界であろう。作者は元アスキー編集出身だそうだが、サブカルチャー文化もあまり語る事が出来ない現アスキー編集(ある意味、悪しきオタクの集団とも言えるが)を見ると、本書のレベルの低さも止む無しともいうべきか。
星を四つとしたのも、サブカルチャーと思想を舐めきると、このように恥を晒すという意味での評価です。
本論を読まずとも、巻末の参考文献を一読しただけで内容の無さはわかるし、他のレビューアーの方たちが指摘されているのでこれ以上の批判は無意味であろう。国粋主義のバイブルとも言うべき水戸学の説明もなければ、平田国学についても解説もない。逆にネット右翼の勉強不足を露呈した点が本書の評価点でもあろう。
思想を語ることもできず、学ぶ事も出来ないのはオタクの限界であろう。作者は元アスキー編集出身だそうだが、サブカルチャー文化もあまり語る事が出来ない現アスキー編集(ある意味、悪しきオタクの集団とも言えるが)を見ると、本書のレベルの低さも止む無しともいうべきか。
星を四つとしたのも、サブカルチャーと思想を舐めきると、このように恥を晒すという意味での評価です。