主にダムを中心として、アーチ橋や水路など、日本の水辺にある土木構築物の内、21箇所を厳選して紹介した本です。
自然の美しさと人工の機能美が織り成す、壮大な水辺の景観は絶景です。本の構成は、カラー写真、白黒写真、そして解説という流れです。
解説では、なぜ、そのような形状が必要だったのか、建設を実現するに至った先人たちの様々な歴史が力説されています。この解説と写真によって、それぞれの建築物の持つ意味と、機能に裏打ちされた美しさがより鮮明になるわけですが、不満もあります。
まず、写真の約半数を白黒写真にする必要性や利点を、少なくとも、一読者の立場としては感じません。同じ建築物にカラーとモノトーンがあるのは分かりますが、一枚しかない写真が白黒というのはちょっと…。
冒頭の座談会では、証明写真サイズの19箇所の白黒写真(本編の21箇所と重複あり)を使っていますが、すこぶる分かりにくいです。
「上流と下流とではずいぶん水面の表情が違いますね」って、いや、分かんないから!
それはそれとして、他に解説では、所在地、交通、問い合わせ先、見学の可否などが掲載されています。全体を通して男らしい、実直に作られた本という印象を受けました。
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