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焼かれる前に語れ~司法解剖医が聴いた、哀しき「遺体の声」 単行本 – 2007/9/21
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社WAVE出版
- 発売日2007/9/21
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-10487290317X
- ISBN-13978-4872903171
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商品の説明
著者について
千葉大学大学院教授。解剖医。東京大学医学部卒業。同法医学教室を経て、千葉大学大学院医学研究院法医学教室教授。一見、穏やかながら突然みせる行動力で、千葉大学法医学教室を先進国水準にすべく奮闘している。1967年、千葉県木更津市生まれ
柳原/三佳
ノンフィクション作家。バイク雑誌編集記者を経てフリーに。交通事故、司法問題などをテーマに各誌に執筆。講演、TV出演もこなす。『週刊朝日』に連載した交通事故の告発ルポは反響を呼んだ。1963年、京都府京都市生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : WAVE出版 (2007/9/21)
- 発売日 : 2007/9/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 240ページ
- ISBN-10 : 487290317X
- ISBN-13 : 978-4872903171
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 233,032位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 29,709位社会・政治 (本)
- - 46,620位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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ノンフィクション作家。交通事故、司法問題等をテーマに執筆や講演、テレビ、ラジオ出演等を行う。「週刊朝日」(朝日新聞社)などに連載した告発ルポをきっかけに自賠責制度の大改定につながった。 死因究明問題の取材にも力を入れ、犯罪捜査の根幹に一石を投じてきた。
主な著書に、
「泥だらけのカルテ ~家族のもとに遺体を帰しつづける歯科医が見たものは」(講談社)
「柴犬マイちゃんへの手紙 ~無謀運転でふたりの男の子を失った家族と愛犬の物語~」(講談社) 「巻子の言霊~愛と命を紡いだある夫婦の物語」(講談社)
「家族のもとへ、あなたを帰す ~東日本大震災犠牲者約1万9000名、歯科医師たちの身元究明」(WAVE出版)
「遺品 あなたを失った代わりに」(晶文社)
「自動車保険の落とし穴」(朝日新聞出版)
「これでいいのか自動車保険」(朝日新聞社)
「死因究明~葬られた真実」(講談社)
「焼かれる前に語れ」(共著・WAVE出版)
「交通事故被害者は二度泣かされる」(リベルタ出版)
「交通事故鑑定人 鑑定歴50年駒沢幹也の事件ファイル」(角川書店)
「裁判官を信じるな」(宝島社)
「交通事故のウソ」(宝島社)
「痕跡は訴える」(情報センター出版局)
「自賠責保険請求ガイド」(情報センター出版局)
「交通事故 そのときどうする」(オーエス出版)
「不動産絶望未来 次なる震災対策編」(東洋経済新報社)など多数。
「巻子の言霊 愛と命を紡いだある夫婦の物語」(講談社)は2012年、NHK「まばたきで愛しています 巻子の言霊」というタイトルでドキュメンタリードラマ化。
「示談交渉人裏ファイル」(角川書店)は、TBS月曜ミステリー劇場「示談交渉人・ 甚内たま子裏ファイル」シリーズの原作に。
趣味は書道、料理、古道具集め。剣道二段。趣味が高じて自宅の裏庭に古民家(長屋門)を移築。
●公式WEBサイト http://www.mika-y.com
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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死因究明二法の成立の原動力となり、今や、同法を受けて内閣府に設置された、死因究明等推進会議の専門委員を務め、法医解剖の今後に大きな影響力を持つ筆者の原点ともいえる著作。一流の法医学者が、法医解剖や死因究明のゾッとするような現実を赤裸々に描いており、広く読まれるべき書である。
死体検案を行う医師に、内部の検査を行う権限も予算も与えられず、「迷ったら心不全」のようなデタラメな死因による死体検案がまかり通っている現実。解剖もせずに、このようなデタラメな死体検案を前提に、医師ではなく、警察が事件性を判断しているお寒い現状。はたまた、このデタラメな死因を前提とした死因の統計、その統計を前提とした保健行政。本当に、問題の根深さと奥深さに眩暈がする思いだ。そして、そのような現実に絶望することなく、果敢に戦い続ける著者には心よりの敬意を覚える。
死因究明二法により、新たな法医解剖制度ができたが、検案を行う医師の専門性の欠如や、解剖の要否を警察が判断することなど、問題の根本は変わっていない。死因が不明な死体につき、解剖せずに犯罪性の有無を判断したりせず、死因を究明するために一元的に解剖できる制度が必要、との著者の主張は今なお説得的だ。今後の死因究明を巡る動きに注目したい。
(2013/4/23読了)
けれども、その陰で「事件として扱われなかった事件」がたくさんあるのでは?
日本は本当に安全な国なのだろうか?
そんな思いが湧き上がってきた一冊。
不審な死を遂げた遺体のうち、
解剖して調べられるのはわずかに数パーセント。
それ以外は表面の「見た目」で病死や事故死と判断されるのだという。
もし解剖されなかった死体の中に、
毒殺された人がいたら? CO中毒者がいたら?
「最初の被害者」をきちんと解剖することで、
保険金連続殺人や、暖房器具の故障による事故はもっと防げたはずだ、
不幸なえん罪の被害者は少なくなるはずだ、
なのに、それができない現実がある。
現場の最先端にいる筆者の悲痛な叫びは、
安全神話という言葉に安心しきっている私たちに
痛烈に突き刺さってくる。
それにしても法医の先生の数がここまで少ないとは。病理医は臨床医の約1/100程度、法医はおそらく病理医の1/10以下。医学部卒業者のうち1/1000以下しか法医学者になっていない、というのが一番ショックだったかもしれません。それももう少し問題にしてもよかったんでないかと思いますが。
本で一番訴えたいのは、日本の死因究明の不備さです(上野先生の「死体は語る」のような本ではありません)。
「解剖して死因を調べないでどうやって事件性のあるなしを判断できるの?」「医療の知識のない警官が事件性のあるなしを決めてしまっていいの?」「司法解剖の結果をどうして情報開示できないの?」「死に場所によって管轄が違い、場合によっては警察の科捜研に検査の依頼ができないってへんじゃない?」・・・医療関連死についても意見を述べておられますが、病院で働いている方からは、著者とは別の意見を持つ方も多いかもしれません。
司法関係の方、医療関係の方、どちらにも携わっておられない方も、一度読まれてもいい本かと思います。
とにかく問題提起している本であるので一読をお薦めします!
本書は、柳原氏よりも法医学者の岩瀬氏の記述が多く、いかに予算措置の少ない現場が苦労しているか、それによって司法解剖しないことで殺人被害者が病死扱いされ、病死者が殺人を疑われ冤罪を生んでいるか、が書かれている。
司法解剖についても、広義で我々の安全を守るには必要な分野であり、行動力を伴ったペンの力で、以前自賠責保険の過失や後遺症認定を加害者有利であったものを見直しさせたように、ここでも予算を増額させることに成功している筆者に拍手を送りたい。