E.A.ポーの作品とサド侯爵をモチーフに狂気を描いた、長編『ルナシー』を中心としたシュヴァンクマイエルの解説本。『ルナシー』のシナリオ完全収録や、シュヴァンクマイエルからの手紙、出演者達へのインタビュー、赤塚若樹氏、巽孝之氏らの論考、シュヴァンクマイエル全作品解説、年譜など、140頁弱の決して厚くはない本ですが、内容は充実しています。
「またいつか、というのは、つねに手遅れなのだ」という一節からはじまる、シュヴァンクマイエルが、妻であり創作の同志であった、亡きエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーへ捧げた文章「親愛なるエヴァ」は読んで目頭が熱くなりました。
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