辛口の、無駄のない本です。自分で考える数学勉強を始めるための本と
言えるかも。143頁しかない厚さ。沢山の演習問題（定理というべきもの
が演習問題で自分で証明させられること屡）が提示されている。
線形代数を無駄とも思える文章など読まずに、全編問題集と思って、着々と、
コツコツゴリゴリ勉強できる人のための本。演習問題まで全部解くことが
要求される。答えは自分で確信を持つことが要求される。記述のスタイル、
項目の選択は、近時の他の教科書と比べると、少々古びたかもしれない。
線形空間の各論、行列の固有値計算論などは、次の段階に進んで、勉強する
ことになろう。
大学初年次に一回、1年間掛けずに終える。記述の項目は少な目だが、二度目は
全体構造を眺めれば、その後苦労せずに、次に段階に進める。全項目を詳述
していないことが、この本の教育的核心だろう。演習問題は、本文の一部と
考えるべきで、頑張って解いてしまえば、線形代数の言語的訓練、考える訓練と
線形代数時短の内容を身に着けられる仕掛け。
先ず、この本で、自分で考える数学の勉強を始めることには意義があろう。
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