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キネ旬総研エンタメ叢書 「おもしろい」アニメと「つまらない」アニメの見分け方 単行本(ソフトカバー) – 2012/3/20
購入オプションとあわせ買い
「テレビアニメの第1話を観ただけで、その後も見続ける価値があるかを知る方法は?」
「アニメと実写の『おもしろさ』の違いって?」
そんな疑問をすべて解き明かすべく、気鋭のシナリオ・アナリストである筆者が、
「おもしろい」アニメと「つまらない」アニメをきちんと見分ける方法を、やさしく伝授。
名作・話題作・問題作を一刀両断します!
(主な内容)
【序章】「禁じられた作品分析」の封印を解きましょう
【第1章】一目惚れ、していますか?
「フラクタル」2つの謎
アニメと実写、最大の違い――「一目惚れ」
「ジブリ病」
「画創り」こそ、アニメ最大の魅力
【第2章】アニメの「おもしろさ」を決めるもの
「フラクタル」の失敗
第1話を観て「おもしろい」かどうかを見分ける4つの方法
変化を納得できる筋立て=13フェイズ構造
キャラクターが担う7つの役割
8番目の役割「狂言回し」
【第3章】なぜピクサーのアニメは「おもしろい」のか
失敗しないピクサー
“嫌なヤツ”を強調された1作目のウッディ
複雑な筋立ての2作目
シンプルな筋立てに戻った3作目
機内上映でも証明された「画」の力
世界中でヒットする作品の「おもしろさ」とは?
【第4章】 日本で売れるアニメは「おもしろい」?
「コロコロコミック」と「週刊少年ジャンプ」
13フェイズ構造不備の嵐――「のび太の人魚大海戦」
何度観ても泣ける「新・のび太と鉄人兵団」
宮崎駿が受け継いだ「筋立て主義」
手塚治虫の悩み
【第5章】テレビシリーズの「おもしろさ」あれこれ
「ONE PIECE」の延命措置
なぜ「魚人島編」は「つまらない」のか?
「HUNTER×HUNTER」にみるリメイクの有効性
ミニシリーズの傑作「あの花」
「コクリコ坂から」の失敗
終わらない一体感を楽しむ「日常系」
バトルを楽しむ「Fate/Zero」
超変化球“隠し13フェイズ”の「BLOOD-C」
テレビシリーズの完成型「TIGER & BUNNY」
【第6章】「おもしろさ」の切り札
「エヴァ」の画創りが語るもの
開始2話に明示されていた最終2話の方向性
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」で狙うもの
寺山修司を受け継ぐ者たち
「セーラームーン」はなぜ大ヒットしたか
幾原邦彦作品の象徴
【最終章】いつ、観るのをやめればいいの?
「視聴ヤメ時」チェック
「ゲド戦記」で視聴ヤメ時を考えてみよう
変化を重要視しない宮崎吾朗監督
時間を大切に
【付録】作品をじっくり分析しよう
【付録1】「天空の城ラピュタ」の完璧な作品構造
【付録2】「美少女戦士セーラームーン」のテレビシリーズ構造
【付録3】「輪るピングドラム」の象徴と記号に満ちた世界
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社キネマ旬報社
- 発売日2012/3/20
- ISBN-104873763924
- ISBN-13978-4873763927
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商品の説明
著者について
1962年生。玩具と出版を繋ぐデザイン会社でのキャラ・ビジネス経験の後、作家・長谷川潤二(古屋信二)氏に師事し、
フリーランスの編集・脚本家となる。
キャラ設定・世界観設定を得意とし、書籍、ゲーム、アニメ、映画などのコンテンツ制作に携わる。
シナリオ代表作:「SDガンダムフォース(TVアニメ)」また、ゲームには多くの匿名リライト作がある。
著書は「『おもしろい』映画と『つまらない』映画の見分け方」「超簡単!売れるストーリー&キャラクターの作り方」。
【監修】金子 満
1939年生。フジテレビのプロデューサー経験を経て、MGMスタジオでデイヴィッド・リーン、ヴィンセント・フェネリー組に配属。
帰国後、『子鹿物語』『大空魔竜ガイキング』『太陽の子エステバン』など多数のアニメを制作。日本初の商業CGスタジオJCGL設立。
米国に設立したメトロライトスタジオが「トータル・リコール」(90)でアカデミー特別視覚効果賞受賞。
東京工科大学メディア学部客員教授。
登録情報
- 出版社 : キネマ旬報社 (2012/3/20)
- 発売日 : 2012/3/20
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 4873763924
- ISBN-13 : 978-4873763927
- Amazon 売れ筋ランキング: - 764,871位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,567位漫画・アニメ・BL(イラスト集・オフィシャルブック)
- - 69,196位エンターテイメント (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
神奈川県横浜市出身。水野プロダクションでの玩具業界と出版業界を繋ぐキャラクター・ビジネス経験の後、
作家・長谷川潤二(ジャーナリスト・古屋信二)に師事し、フリーランスの編集・脚本家となる。
キャラクター設定と世界観設定に独自の視点を持ち、書籍・ゲーム・アニメ・映画などのコンテンツ制作に携わる。
必要に応じ、コンテンツ開発企業に在籍。
現在、講師業務のかたわら、映像企画の推進中。
【企業在籍歴】(※すべて退職済み)
株式会社水野プロダクション 営業/企画/コピーライター/編集グラフィック
バハムート有限会社 代表取締役社長/ライター
コナミ株式会社 企画・商品開発
アルゼ株式会社 企画・開発 松竹アルゼコミュニケーション管理・係長
シムス株式会社 開発部長
テクモ株式会社 企画進行
【講師歴】
バンタンゲームアカデミー 講師
HAL東京 講師
CG-ARTS協会 「シナリオライティングセミナー」講師
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科「コンテンツリテラシー」講師
【アニメ】
TVアニメ「SDガンダムフォース」
サンリオピューロランド・ライド「破壊大将軍あらわるザコ!」
【オリジナルゲーム】
バンプレストPSソフト「土器王紀」(ファミ通シルバー殿堂)
バンプレストSSソフト「グランドレッド」
【関与ゲーム】
バンプレストSFCソフト「バトルロボット烈伝」
タイトーPS2ソフト「白中探検部」(ファミ通シルバー殿堂)
セガPS2ソフト「サクラ大戦物語 ミステリアス巴里」
メディアワークスPS2ソフト「双恋」
トミーPS2ソフト「いちご100%」
元気PS2ソフト「任侠伝」
セガDSソフト「ブラックジャック 火の鳥編」
コナミDSソフト「NANA」
バンダイナムコDSソフト「コードギアス 反逆のルルーシュ」
アークシステムワークス「バスフィッシングWiiロクマル伝説」
テクモDSソフト「山村美紗サスペンス」
テクモDSソフト「西村京太郎サスペンス2」
【書籍】
講談社「まんが百科」シリーズ「スーパーマリオ大図鑑」
講談社「まんが百科」シリーズ「スーパーマリオ・ゲーム大百科」
講談社「まんが百科」シリーズ「ロックマン&ロックマンXひみつ大百科」
講談社「まんが百科」シリーズ「ロックマン&ロックマンX大図鑑」
講談社「まんが百科」シリーズ「スーパドンキーコング1・2・3大百科」
講談社「まんが百科」シリーズ「ストリートファイターⅡひみつ百科」
講談社攻略本「バトルロボット烈伝」
講談社コミック・ボンボン「コンパチヒーロー」コミックシナリオ
講談社時代小説コミックス「捨て童子忠輝」編集
講談社時代小説コミックス「清水次郎長」編集
講談社時代小説コミックス「眠狂四郎・円月殺法」編集
講談社時代小説コミックス「柳生武芸帖」編集
講談社攻略本「SDヒーロー戦記」編集
コナミ攻略本各種編集
【雑誌】
講談社「ヒーローマガジン」連載コミック原作・世界観設定・シナリオ執筆
講談社「ヒーローマガジン」「口絵」企画・執筆・編集
講談社「ヒーローマガジン」ふろく小冊子「大百科」シリーズ企画・執筆・編集
バンプレストSFCソフト「マイライフ・マイラブ」取扱説明書/同梱付録書籍「マイグッズ・マイグロース」
バンプレスト ゲーム取扱説明書各種
「天外魔境2」販促ふろく「Far East of Eden研究序説」
テクモ「デッドオアアライブ・パラダイス」取扱説明書
講談社「SDガンダムフォース秘密ファイル100」
ソフトバンク「ゲームブラスト」ゲーム攻略記事
ソフトバンク「ザ・プレイステーション」ゲーム攻略記事
ソフトバンク「SEGA SATURN MAGAZINE」ゲーム攻略記事
講談社「覇王」ゲーム攻略記事
小学館「ゲーム・オン!」ゲーム攻略記事
シナリオ・アナリスト(映像産業振興機構:VIPO)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
実際に最後の二話を先に見てからではないと、あのアニメは面白くありませんでした。
なぜ、ラピュタが面白いのかの解説が素晴らしかったです。
なるほどと納得できました。
ただ、リマインダーの言葉が頻発して出てきます。
その辺りがうるさく感じました。
もう少し、わかりやすい言葉はないのでしょうか?
迷った時の参考程度の使い方か
いわゆる脚本理論にもとづく分析に、アニメならではの「絵」(作画という意味ではない)の要素が
作品をどう「おもしろく」するかをロジックで説明する内容。
脚本の構造論などを学んだ人間にとって目新しさはなさそうだが
予備知識なしに読めるので、この手の本が初めての人間にはやさしい。
逆に、駄作アニメを過激に斬る!みたいなのを期待している人にはおすすめできない。
そもそも筆者は批評家ではなくアナリスト。これはアニメ評論ではないのだ。
個人的には、話題になった某作の失敗に関することより、
筆者が途中で席を立ったという「ゲド戦記」がいかにダメかという記述や(冷徹な理詰めだけに、かなり手厳しい)
「輪るピングドラム」のアナロジー解析のほうに目が行った。これらはかなり紙数を割いているし、読み応えもある。
一方「ONE PIECE」の魚人島編がつまらない・・・くだりは同意しかねた。
あとは「セーラームーン」の分析が少々大味なのと、他にもわりと乱暴な論旨もあったので、☆1つマイナス。
まあ、全体には良心的な本。
だけど、フチコマさん 星5つということもあり、別の評価をしておきたいと思う。
○本書の「理論」の権威について
おそらくタイトルを考えたのは筆者。というのも、序章ですごく偉そうに
「もちろん「おもしろさ」はいろいろな視点から語れますし、いわゆる評論家と呼ばれる方々は、彼らなりの評価基準にそって、作品の「おもしろさ」を論じてくれます。
でも、それらはたくさんの作品を浴びるように観て培われた、独自の、時に作家性を帯びた、癖のある考え方であるために、私達が同意できるものとは限りません。むしろ違和感を覚えることも多々あるはずです。
対してこの本では、人にとっての普遍的な「おもしろさ」を、誰にでもわかる「理論」を使って分析します。」
とある。
しかし、科学研究・教育に携わっている私からすると、上記のようなレトリックはしっかり科学している人に使ってほしい。
上記の「理論」の権威付けに本書監修の東京工科大学の金子満先生の研究成果も踏まえているとの段落が続くが、ならば最低限しっかりと「数々の研究成果」とやらを引用してくださいよ。。。
また、この金子満先生、客員教授で、明らかにメディアが本業で科学が本業ではない在野が中心の人。
これ以外は、特段先行研究を踏まえていると明記されているわけでもない。おいおい、あなた、そのレベルの「理論」でよくほかの評論家さんたちに上記ほどひどいこと言えますねえ。。。
別に、理論それ自体の魅力で勝負するなら文句は言わない。しかし、それならば、下手な権威づけは最低限に留め、本書の価値判断は読者に委ねるといった謙虚な態度で臨むべき。
○「理論」の適用範囲 -- 「おもしろさ」の「一つの」ジャンル
筆者の挙げる条件が全て整えば、「おもしろさ」の一つの方向の「十分条件」は満たすと思うが、後述のように、おもしろさの「必要条件」とは程遠いと思う。
つまり、「おもしろい」アニメの「一つのジャンル」を見分けるのにはそれなりに役立つと思うが、それ以外のアニメをすべて「つまらない」アニメと断定することは到底できず、本書のタイトルの後半の説得力は大幅に低下すると言わざるを得ない。
この理論の適用範囲の問題が如実に露呈するのが日常系アニメ。
本書では日常系アニメにわずか1ページ強くらいしか割かれず (p128) 、なおかつ本人も自分の13フェーズ理論の反例であることを認めている。
例えば、「フラクタル」の分析でこき下ろした山本寛監督を「らき☆すた」で人気を博したと評しているあたり、この筆者にとっても「らき☆すた」はおもしろいようだ。
しかし、その「おもしろさ」の分析は浅いことこの上ない。。。あまりの知性のなさに吐き気がする。(まあ、1ページなので当然といえば当然ですが)
そして、あらんことか、この人はおせっかいにも、自分の理論に合わないので「推奨はしていません」とのこと。
なんというレトリック。唖然とする。。。
もし、筆者の理論が「つまらない」アニメも見分けられると言うのならば、けいおん、らき☆すたのメガヒットは明らかに重大な理論の反証事例であり、自分の理論が限定的であることを認めるか、もしくは、なんらかの形での理論の修正を考えることが、まっとうな科学者の態度に思える。
まさしく フチコマさん のレビューそのもの。
DVD の売上とか、なんらかの反証可能な指標で「おもしろさ」の検証をしてください!!!!
結局、本書はその権威付けを序章での監修及び本人のキャリアに依存していることもあり、理論の反証可能性、また反証可能である場合その検証を十分に検討しているとはとても思えない。
本書に比べると、 ベストセラー・ライトノベルのしくみ キャラクター小説の競争戦略 のほうがはるかに科学的である。
別に、科学的であることは特段重視せず、主観的な評論であると位置づければ、なんの問題もない。
最悪なのは筆者のレトリックだ。
というわけで、筆者の理論の言葉を借りれば、自分と自分の本の偉そうすぎるキャラ設定ゆえ、
「一目惚れ」の対極で、筆者に対する好感度はななめ読みで最低となりました。
その後、なにを言われても焦眉の眼で厳しく評価してしまうこととなりました。
公平性を期して言えば、筆者が自分を差別化している相手先であるところの
高々一つの癖のある面白い評論と思えば、結構読み応えがあると思いますよ。
(それでも、「一目惚れ」の逆の効果で星ひとつです。)
「おもしろい」と「つまらない」はアニメを見れば、誰でも各自の基準で分けられるのだから、そうすると本書のタイトルは、アニメを見ずに見分ける方法ということになるでしょう。
しかし、そのような内容ではありません。
大体、アニメが「おもしろい」か「つまらない」かの評価軸をなぜわざわざ本を読んで教えてもらわないといけないのか。良く分かりません。見て面白いと思ったらそれでよいのではないのでしょうか。タイトルが変だと思います。
それはともかく、本書の内容は人が「おもしろい」と感じる物語の流れを13の項目に定式化して、筆者が「おもしろい」と思うアニメにどんどんと適用していきます。
本書の中にも言及されていますが、文学理論として物語の構造分析として名高いのは、ウラジーミル・プロップによる「昔話の形態学」があります。これは批評家であり漫画原作者でもある大塚英志がさらに現代においても発展をさせていますが、「昔話の形態学」が話しのタイプを網羅的に挙げるのに対し、本書はあくまで人が「おもしろい」と思う話しの筋を定式化して解説していることにポイントがあります。
見る人というよりも、アニメだけではなく、エンターテイメント系の小説やゲームなどの物語を作る人に有益ではないでしょうか。
逆に見る人にとっては、多様な(はずの)アニメをすべて同じような評価軸で見ることになるので、本書の内容に寄り添って見るというのは退屈であること以外の何ものでもないでしょう。
気になることは何点かありますが、致命的と思われる点を。
本書の内容が妥当性を持っているとするならば、まずはその証拠として、人気のあるアニメをランキングの上から順にすべて本書の内容に当てはめ、本当に当てはまっているのかということを調べて欲しい。まぁ人気のランキングというのも難しいですが、DVDの売上とかでしょうか。
しかし、その13の項目の適用については、このアニメにはその項目が有る/無いといった単純に分けられるものではなく、濃淡の違いと言ったことになると思います。そうすると、程度問題ということになり、結局は適用する人の主観に基づくこととなります。つまり、恣意的であり科学的ではないということで、そうなると項目立てる必要があるのかということにもなります。そして行き着く先は、おもしろいの基準って何?あなたが面白くても私は面白くないもの、ということにまでなってしまうのではないでしょうか。
これは余談ですが、恣意的ということで言うなら「○○リマインダー」というのがギャグのようにあちこちに出てきますが、恣意的すぎて無駄だと思います。何でも言おうと思えば「リマインダー」になり、無視すればならないのですから。
以上色々言いましたが、繰り返すと、作り手側の人にとっては、本書の通りに物語を作ってみようと思わせるような内容であると思いますので、その意味では有益な本と思いました。
「13フェイズ構造理論」という批評理論を基礎としているが、理論自体の説明は概略程度にとどまり、それを使って個別具体的に作品を分析していくのがメインとなっている。理屈リクツで固められるよりは読みやすいのだが、その半面「観たことのない作品についてそれをやられても…」という難点がある。結局のところ、イメージがつかめないのだ。私はあいにく、「ラピュタ」も「ゲド戦記」も「トイストーリー」1〜3も「のび太の人魚大海戦」「新・鉄人兵団」も「Fate/Zero」も「セーラームーン」も「ピングドラム」も観ていないので、非常に困ってしまった。
「心が震えた」式の感想文でなく、また「当時の若者の心情を反映して」云々の社会背景等とも関係なく、批評理論に基づく分析だからエモーショナルな話は全くと言っていいほど無い。著者の感動が伝わってくる部分といえば、「シリーズ全体を通して分析すると、実はこれほど巧妙に構成された仕掛けになっていた」すげえぜ! という、出来の良さに対する感動である。だからこの本には、読み物としての面白さは希薄だと言える。
また、著者も問題点だと気付いているだろうから批判は避けるが、「リマインダー」において、この手法は普遍的な理論たり得ていない。例えば、幾原監督が作品に仕込んでいる、フロイト心理学に基づくリマインダーだ。確かに監督は、それらをそうした意図によって仕込んでいるだろうが、では視聴者は意図どおりにリマインドしているか? という問題である。
これらが先に「クリエイター志望者にこそ薦めたい」と書いた理由で、逆に言うと、日頃ただ漫然と視聴するだけのアニヲタにはあまり面白い本ではないだろう。
閑話休題、興味深いのは、こうした分析的な手法によって「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」「BLOOD-C」を高く評価していること。私はどちらも未見で、著者の言うことにはかなりの説得力を感じるのだが、市井の評価といえば前者は「最終回でズッこけた」、後者は「最初から最後までサッパリ惹き付けられなかった」が多いようだ。そこにあるギャップを検討すれば、「見分け方」はもう一段洗練されるのではないだろうか。