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ルキノ・ヴィスコンティの肖像 単行本 – 2016/8/31
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グラビア
E s s a y
私とヴィスコンティ 淀川長治
ルキノ・ヴィスコンティふたたび ~生誕110年、没後40年によせて~ 海野弘 (新録)
ヴィスコンティ、プルースト、トーマス・マン…… 20世紀遺産の邂逅(かいこう)を巡って 河原晶子 (新録)
B i o g r a p h y
映画監督ルキノ・ヴィスコンティの軌跡 石田美紀 (新録)
ヴィスコンティ自作を語る (構成・翻訳 田山力哉)
ヴィスコンティ各作品批評(再録)
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」
イタリアン・リアリズムの確立 増村保造
「揺れる大地」
演劇的な風格に達した偉大な実験作 佐藤忠男
「ベリッシマ」
“ドンナ・デル・ポポロ"の化身――アンナ・マニャーニ 海野弘
「われら女性」(オムニバス)
ロカルノでめぐり逢ったアンナ・マニャーニはまぎれもなく映画の顔をしていた。 蓮實重彥
「夏の嵐」
「夏の嵐」とルキノ・ヴィスコンティ 荻昌弘
「白夜」
「白夜」とルキーノ・ヴィスコンティ 倉橋健
「若者のすべて」
ヴィスコンティ私稿 「若者のすべて」のロッコが戸を叩きつづける 寺山修司
「ボッカチオ' 70」(オムニバス)
むずかしい愛 高崎俊夫 (新録)
「山猫」
二人の貴族(原作者と監督)がこの世に遺した美術 淀川長治
公爵はなぜ売春婦を買いにいくか 「山猫」の思想史的根拠 斎藤龍鳳
「熊座の淡き星影」
ヴォルテーラという蟻地獄 海野弘
「華やかな魔女たち」(オムニバス)
「華やかな魔女たち」をみて 「魔女」論 唐十郎
「異邦人」
ヴィスコンティはムルソーの内面を摑んだか 増村保造
「地獄に堕ちた勇者ども」
性的変質から政治的変質へ 三島由紀夫
「地獄に堕ちた勇者ども」ヴィスコンティ論 増村保造
ナチスをめぐる相反感情(アンビヴァレンツ) 澁澤龍彥
「ベニスに死す」
ルキノ・ビスコンティ監督の「ベニスに死す」 淀川長治
「ルートヴィヒ」
快い酩酊 松田修
『新うたかたの記』とルードウィヒ 円地文子
「家族の肖像」
ヴィスコンティ「家族の肖像」について 澁澤龍彥
ヴィスコンティの「家族の肖像」 巖谷國士
新しい人間の紐帯を求めて―― 由良君美
ルキノ・ヴィスコンティ「家族の肖像」を語る
「イノセント」
ヴィスコンティのシニカルな現実凝視の眼 白石かずこ
囁きと銃声 ルキノ・ヴィスコンティの「イノセント」 蓮實重彥
C o l u m n
増村保造とヴィスコンティ 寺岡裕治 (新録)
三島由紀夫とヴィスコンティ 山内由紀人 (新録)
R e v i e w
ヴィスコンティとアメリカ映画をつなぐ細い糸の結び目 渡部幻 (新録)
ヴィスコンティは日本でどう受け止められたのか?「地獄に堕ちた勇者ども」と「ベニスに死す」 石田美紀 (新録)
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ヴィスコンティは日本でどう受け止められたのか?「地獄に堕ちた勇者ども」と「ベニスに死す」 石田美紀 (新録)
- 本の長さ144ページ
- 言語日本語
- 出版社キネマ旬報社
- 発売日2016/8/31
- ISBN-104873764440
- ISBN-13978-4873764443
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対象商品: ルキノ・ヴィスコンティの肖像
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登録情報
- 出版社 : キネマ旬報社 (2016/8/31)
- 発売日 : 2016/8/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 144ページ
- ISBN-10 : 4873764440
- ISBN-13 : 978-4873764443
- Amazon 売れ筋ランキング: - 440,556位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 369位外国映画 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これを読めばヴィスコンティ作品を全部見たくなります。
2017年5月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
先のキュープリック本に続きヴィスコンティにまつわる様々な文章を
一同に集めて圧巻です。
これに終わらず、ヒッチコックやフォード、ゴダール、フェリーニ、ベルイマン、アントニオーニ、
ヌーヴェル・ヴァーグにロッセリーニ、
その他、キネ旬に引きこもる諸々の貴重な文献が改めて集うことを願います・・・
一同に集めて圧巻です。
これに終わらず、ヒッチコックやフォード、ゴダール、フェリーニ、ベルイマン、アントニオーニ、
ヌーヴェル・ヴァーグにロッセリーニ、
その他、キネ旬に引きこもる諸々の貴重な文献が改めて集うことを願います・・・
2016年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
このような本が出版されてることを知りませんでした。
長年のファンなので、しかも淀川長治さん著と言うのはファン必携の書籍ですね!取り扱ってくださって、感謝します。
長年のファンなので、しかも淀川長治さん著と言うのはファン必携の書籍ですね!取り扱ってくださって、感謝します。
2016年9月14日に日本でレビュー済み
この本の価値は以下の2点にあります。
1、「イノセント」と「ルートヴィヒ」を除く作品について、ヴィスコンティ自身のコメントを載せてゐること。
2、映画公開当時の批評を載せてゐること。
いづれも昔の雑誌・単行本をお持ちの方には不要ですが、処分して後悔してゐた私には幸ひでした。
「地獄に堕ちた勇者ども」の三島由紀夫の感想は、数ある彼の映画批評の中でも最高に位する名文で、真に心揺かされる対象に出会ひ、三島の才が鋭敏に反応し激しく沸騰した観があり、迸り出た言葉に我々は陶酔するのみです。文庫には収められてゐないでせうから、ぜひご一読を。割腹を間近に控へた文章ですが、あの事件はもう1年ほど先延ばしにして大好きなトーマス・マンが完璧に映像化された「ベニスに死す」を見てからにしておけばよかつたのに、あの世で臍を噛んでゐることでせう。
もうひとつのお薦めが、「山猫」について述べた斎藤龍鳳の一文です。山猫公爵の思想的・文化的・社会的・歴史的背景を微に入り細に入り、的確に分析し、前に並べてある淀川長治の表層的なミーハー的な文章と比べ、段違ひの深みに届いてをり、この映画を見るすべての人の参考になるものと思ひます。
私はこれをかつて、映画批評を集めた単行本で愛読したのですが、かなり語句に異同があつたと思ひます。キネ旬のこのヴィスコンティ特集は「映画芸術」の初出を載せたのでせうから、のちに手を加へたものに私は触れたやうです。最後の「本質を描ききったと言ってもいい」は、単行本では、「敵の本質」となつてをり、カッコいいフレーズだなあと感心したものです。
斎藤は左翼の批評家だつたさうで、「敵」とは支配階級を指してゐます。ヴィスコンティは赤色思想かぶれの貴族でしたから、「山猫」も一応批判的視点に立つて山猫公爵を見てをります。だから斎藤のやうな立場の人も、堂々と手放しの賛辞に満ちた文章を書けたわけです。
一方、石田美紀といふ方の文章には、英国の批評家が「地獄…」について、「退廃への個人的関心を左翼的に擬装している」に過ぎないとヴィスコンティを批判したと紹介されてゐます。私はそれはその通りだらうと思ふのです。ただ三島は同じ点を、反対にかういひました。「とっくの昔に滅びてもう復讐してくる怖れのない政治体制を批判することなど、どんな臆病者でもできること」で、「自分の臆病を証明するためにわざわざこんな長大な映画を作ったわけではあるまい」。これはこの映画の「建前」(と、それをそのまま受け取る人々)に皮肉を言つてゐるのですが、ヴィスコンティの本当の関心は「悪を描く免罪符としてのナチスの効用に隠れて、自分の悪の嗜慾をほしいままに追究すること」にあつた。その試みが成功してゐるから、自分はこの映画を傑作と呼ぶのだ、といふわけです。
「地獄…」については三島のほかに増村保造と渋澤龍彦の文章があります。そして3人とも、ユダヤ人少女の自殺については、原典であるドストエフスキーの「悪霊」について言及してをらず、監督の意図を解しかねてをります。「スタブローギンの告白」は今ほど知られてゐなかつたのでせう。三島は、マーチンはその「性的変質に於てはじめて真に人間的」で、それに対し「変質のカケラもない」親衛隊のアシェンバッハこそ、ナチスの悪と美を代表する「真に怖ろしいもの」と書いてをりますが、小林秀雄が「ヒットラアと悪魔」(「考へるヒント」所収)で論じたやうに、ヴィスコンティの念頭にもスタブローギンとヒトラーの相似があつたから、マーチンの描写に於いて、丸写しの援用をやつたのではないでせうか。ただ、このやうに文学におんぶする(しかもクレジットなし)のはヴィスコンティの悪い癖です。
1、「イノセント」と「ルートヴィヒ」を除く作品について、ヴィスコンティ自身のコメントを載せてゐること。
2、映画公開当時の批評を載せてゐること。
いづれも昔の雑誌・単行本をお持ちの方には不要ですが、処分して後悔してゐた私には幸ひでした。
「地獄に堕ちた勇者ども」の三島由紀夫の感想は、数ある彼の映画批評の中でも最高に位する名文で、真に心揺かされる対象に出会ひ、三島の才が鋭敏に反応し激しく沸騰した観があり、迸り出た言葉に我々は陶酔するのみです。文庫には収められてゐないでせうから、ぜひご一読を。割腹を間近に控へた文章ですが、あの事件はもう1年ほど先延ばしにして大好きなトーマス・マンが完璧に映像化された「ベニスに死す」を見てからにしておけばよかつたのに、あの世で臍を噛んでゐることでせう。
もうひとつのお薦めが、「山猫」について述べた斎藤龍鳳の一文です。山猫公爵の思想的・文化的・社会的・歴史的背景を微に入り細に入り、的確に分析し、前に並べてある淀川長治の表層的なミーハー的な文章と比べ、段違ひの深みに届いてをり、この映画を見るすべての人の参考になるものと思ひます。
私はこれをかつて、映画批評を集めた単行本で愛読したのですが、かなり語句に異同があつたと思ひます。キネ旬のこのヴィスコンティ特集は「映画芸術」の初出を載せたのでせうから、のちに手を加へたものに私は触れたやうです。最後の「本質を描ききったと言ってもいい」は、単行本では、「敵の本質」となつてをり、カッコいいフレーズだなあと感心したものです。
斎藤は左翼の批評家だつたさうで、「敵」とは支配階級を指してゐます。ヴィスコンティは赤色思想かぶれの貴族でしたから、「山猫」も一応批判的視点に立つて山猫公爵を見てをります。だから斎藤のやうな立場の人も、堂々と手放しの賛辞に満ちた文章を書けたわけです。
一方、石田美紀といふ方の文章には、英国の批評家が「地獄…」について、「退廃への個人的関心を左翼的に擬装している」に過ぎないとヴィスコンティを批判したと紹介されてゐます。私はそれはその通りだらうと思ふのです。ただ三島は同じ点を、反対にかういひました。「とっくの昔に滅びてもう復讐してくる怖れのない政治体制を批判することなど、どんな臆病者でもできること」で、「自分の臆病を証明するためにわざわざこんな長大な映画を作ったわけではあるまい」。これはこの映画の「建前」(と、それをそのまま受け取る人々)に皮肉を言つてゐるのですが、ヴィスコンティの本当の関心は「悪を描く免罪符としてのナチスの効用に隠れて、自分の悪の嗜慾をほしいままに追究すること」にあつた。その試みが成功してゐるから、自分はこの映画を傑作と呼ぶのだ、といふわけです。
「地獄…」については三島のほかに増村保造と渋澤龍彦の文章があります。そして3人とも、ユダヤ人少女の自殺については、原典であるドストエフスキーの「悪霊」について言及してをらず、監督の意図を解しかねてをります。「スタブローギンの告白」は今ほど知られてゐなかつたのでせう。三島は、マーチンはその「性的変質に於てはじめて真に人間的」で、それに対し「変質のカケラもない」親衛隊のアシェンバッハこそ、ナチスの悪と美を代表する「真に怖ろしいもの」と書いてをりますが、小林秀雄が「ヒットラアと悪魔」(「考へるヒント」所収)で論じたやうに、ヴィスコンティの念頭にもスタブローギンとヒトラーの相似があつたから、マーチンの描写に於いて、丸写しの援用をやつたのではないでせうか。ただ、このやうに文学におんぶする(しかもクレジットなし)のはヴィスコンティの悪い癖です。
2017年10月2日に日本でレビュー済み
まだ読みきれていませんが、執筆者の充実ぶりも素晴らしく、大切に読みたい本です。