マチガイ主義(falliblism フェイリブリズム、フェーリブリズム):
絶対的な確かさ、 絶対的な精密さ、 絶対的な普遍性、
これらは、われわれの経験的知識の達しえないところにある。
われわれの知識は、マチガイを何度も重ねながら、マチガイの度合いの少ない方向に向かって進む。
マチガイこそは、われわれの知識の向上のために、最も良い機会である。
ゆえに、仮説を選ぶなら、それがマチガイであったとき最も簡単に論破できる仮説を採用すべきだ。
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「仮説を選ぶなら、それがマチガイであったとき最も簡単に論破できる仮説を採用すべきだ。」
いまのところ、この文の意味は僕にはまだ分かっていない。考えでがありそうだ。
ようやく入手した、鶴見の主著である。
この本の原型は1942年の英文卒論であり、1945年、敗戦後に(自分の)雑誌に主要部分を発表し、1950年には単行本として発売されたらしい。この、講談社学術文庫に入ったのは1986年のようだ。
南北戦争の後に、戦争しなくて済むように考案(1870年頃)されたプラグマティズムを扱った、なかなかオモロイ本である。
(ほぼ)すべて意味明瞭に書いてあるところが良い。
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アメリカ哲学 (こぶし文庫 49 戦後日本思想の原点) 単行本 – 2008/2/1
鶴見 俊輔
(著)
- 本の長さ366ページ
- 言語日本語
- 出版社こぶし書房
- 発売日2008/2/1
- ISBN-104875592256
- ISBN-13978-4875592259
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登録情報
- 出版社 : こぶし書房 (2008/2/1)
- 発売日 : 2008/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 366ページ
- ISBN-10 : 4875592256
- ISBN-13 : 978-4875592259
- Amazon 売れ筋ランキング: - 471,606位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 96位イギリス・アメリカの思想
- - 856位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2014年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
哲学とあるが、アメリカマネジメントを知る本。とても良い本。古い本でも意外に善い本は沢山ありますね。
2020年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても状態のいい本で気お持ちよく読みました。タイトルに似せず、著者独特の語り口のせいか、とても読みやすく興味深く読了しました。
2020年10月6日に日本でレビュー済み
著者は、15歳で都留重人と出会い、16歳でアメリカにわたり、ハーバード大学で哲学科に入り、「論理実証主義哲学に小児病的に打ち込んでいた」。そして、アメリカで暮らしていて「プラグマティズム」が気になりだし、今までの哲学と全く違う事に気が付いたが、最初はぴんと来なかったと。しかし、時系列的に多くの本を読み、その哲学体系とは言えない新鮮で新しい考え方が性に合ったようだ。1942年に日本に帰り、軍属で軍勤務をし、敗戦後の1946年に武谷三男、都留重人、丸山眞男ほかと『思想の科学』を創刊する。
最初の本は1950年に出し、1971年に新版が出されているが、その時、同時期に『思想の科学』に発表した論考を大幅に加えて、本書が出されたようだ。そして、本書の内容は「アメリカの哲学』となっているが、「プラグマティズム」に関する論考を集成・編集したものになっている。
私は、最近のトランプ大統領やそれを支持する保守層の考えや行動が相当理解しがたいもの故、どこからそういう考えや行動が出てきているのか知りたくて、とりあえずこの本を見つけたので読んでみたという次第である。197~201ページに「米人気質との関係」が述べられていて、参考になった。
ただ、全体を読んでの感想は「今までの哲学が、哲学のための哲学、専門家だけの学問、したがって、意味が取れない造語言葉や独特な概念で書かれ、専門家でも難解で、捉え方や解釈もまちまち、迷路に入って右往左往」「そうではなく、それは行動、実験、実証、経験できるものでなければ意味がない」という思考方法、実証され、有効(性)があると認められるものでなければならない、という考え方が根底にあることが理解できる。その多くの人の行為や実証、経験を通してそれが普遍化され、一般原則として確認できるもので構築しなおしていくことが必要だとの思考のようである。(日本では実用主義と訳されている)
このプラグマティズムに、大きく貢献したのは、現実を科学的に解明しようとしたダーウインやニュートンであり、それから刺激を受けて、新しい発想がアメリカの数人の優秀な若者により、1860年代から「プラグマティズム」として提唱し、深めていったようである。若い国であるアメリカにはまともな哲学はなく、開拓や金もうけ、成功の方法論や理論が優先されていたからであろう。
この本は書下ろしではなく、この考え方を日本で紹介するために、整理するような形式でまとめられている。流れや背景や考え方の特徴などを掴むのに、非常に良い。著者の強い思いは、第15章で爆発している。
最初の本は1950年に出し、1971年に新版が出されているが、その時、同時期に『思想の科学』に発表した論考を大幅に加えて、本書が出されたようだ。そして、本書の内容は「アメリカの哲学』となっているが、「プラグマティズム」に関する論考を集成・編集したものになっている。
私は、最近のトランプ大統領やそれを支持する保守層の考えや行動が相当理解しがたいもの故、どこからそういう考えや行動が出てきているのか知りたくて、とりあえずこの本を見つけたので読んでみたという次第である。197~201ページに「米人気質との関係」が述べられていて、参考になった。
ただ、全体を読んでの感想は「今までの哲学が、哲学のための哲学、専門家だけの学問、したがって、意味が取れない造語言葉や独特な概念で書かれ、専門家でも難解で、捉え方や解釈もまちまち、迷路に入って右往左往」「そうではなく、それは行動、実験、実証、経験できるものでなければ意味がない」という思考方法、実証され、有効(性)があると認められるものでなければならない、という考え方が根底にあることが理解できる。その多くの人の行為や実証、経験を通してそれが普遍化され、一般原則として確認できるもので構築しなおしていくことが必要だとの思考のようである。(日本では実用主義と訳されている)
このプラグマティズムに、大きく貢献したのは、現実を科学的に解明しようとしたダーウインやニュートンであり、それから刺激を受けて、新しい発想がアメリカの数人の優秀な若者により、1860年代から「プラグマティズム」として提唱し、深めていったようである。若い国であるアメリカにはまともな哲学はなく、開拓や金もうけ、成功の方法論や理論が優先されていたからであろう。
この本は書下ろしではなく、この考え方を日本で紹介するために、整理するような形式でまとめられている。流れや背景や考え方の特徴などを掴むのに、非常に良い。著者の強い思いは、第15章で爆発している。
2010年4月29日に日本でレビュー済み
プラグマティズムは工学の基礎だと思う。
現実的で、問題を解決することに絞って考えようという態度に共通点を感じる。
「アメリカに行ったらアメリカのものを勉強しようという軽薄な理由」
そのものが、プログマティズムであるといえるかもしれない。
理論的な哲学としてはプラグマティズムに距離を置いているように述べているが、
行動がプラグマティズムなのだ。
現実的で、問題を解決することに絞って考えようという態度に共通点を感じる。
「アメリカに行ったらアメリカのものを勉強しようという軽薄な理由」
そのものが、プログマティズムであるといえるかもしれない。
理論的な哲学としてはプラグマティズムに距離を置いているように述べているが、
行動がプラグマティズムなのだ。
2019年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
鶴見俊輔は戦後のいわゆる進歩的文化人に数えられ、加藤周一や小田実らとともに論壇に登場することが多かった。私はこういうカテゴリーの人物に共通の「上から目線」の傾向があまり好きでないので、鶴見の著作にも疎遠を続けてきたものだ。ところがこの書を読んでほんとうにびっくりした。若くして米国に渡り、ハーヴァード大学を卒業した鶴見は「アメリカに行ったら、アメリカのものを勉強したいと思った」ので、米国独自の思想(哲学)として「プラグマティズム」に取り組んだという。その在米留学期間の足かけ4年間に書き上げたのが本書だが、この哲学をつくりあげた主要人物の思想、人となりからプラグマティズムの流れ、構造、位置付け、日本との関係まで、驚くべき膨大な資料を読み込み、流暢で分かりやすい見事な日本語で描き切った知的力量には感嘆せざるをえなかった。私は1980年ころにハーヴァード大学に学び、
この最高学府の知的エリートの議論に触れる機会をもったが、そのロジックの立て方が日本のそれとは違ってある種の簡明さと論理性、説得力をそなえているのに驚いたものだ。それは後に経験した欧州諸国とも違う。そのカギが、米国のプラグマティズムの伝統に根ざしているのだということを本書を読んで痛感した。これは私の解釈であって、異論もありえよう。とまれ、超大国アメリカと知的交流をせざるをえない今日、この戦前に書かれた書物を読むことは、彼の国を理解する助けになるだろうと私は確信する。
この最高学府の知的エリートの議論に触れる機会をもったが、そのロジックの立て方が日本のそれとは違ってある種の簡明さと論理性、説得力をそなえているのに驚いたものだ。それは後に経験した欧州諸国とも違う。そのカギが、米国のプラグマティズムの伝統に根ざしているのだということを本書を読んで痛感した。これは私の解釈であって、異論もありえよう。とまれ、超大国アメリカと知的交流をせざるをえない今日、この戦前に書かれた書物を読むことは、彼の国を理解する助けになるだろうと私は確信する。