三ヶ月で集まった嘆願署名は7万5千人
この市の人口は8万をわずかに超える程度。
嘆願されているのは被害にあった150センチそこそこの小柄な女の子ではない。
手を下した中年の男性教師である。
この想像を絶する環境。
いや逆境の中、
熱意あるルポを届けてくれた藤井さんの情熱に驚嘆。
だが、常識に挑む者として世間との価値観の乖離も大きく感じられ
そこのところと やや冗長に思える筆致に少し点数を抑えめにした。
そして、過剰な体罰による結果的な殺人もだが
ショッキングなのは
「二度三度ころされた」と両親が語る悪質なデマだ。
署名の嘆願とともに善意により猖獗を極めたそれらの発言は
覚醒剤中毒など耳を覆いたくなるようなものばかり。
”県立を落ちた子は私立飯塚、そこを落ちたら飯塚女、それも落ちたら近大”といわれた時分の話である。
底辺レベルの高校を鉄拳制裁込みの部活動と厳しいしつけで
知名度アップさせブランディングをはかる。
そのうち学力も上昇し、評判も上がる。
このような経緯を経た近大付属。
「私立の本音は営業。しつけ・進学・部活の三本柱です
担任同士のレースも激しい。出席、校則違反数や成績でいつも競わされます
校則検査はイヤですが指導部に目をつけられないようしていました」
と語る福岡県の別の高校教師の発言が重い。
出所後 再三 保護司に促され被害者宅を訪問、
玄関の三和土で土下座する加害者に、
なきさけぶ被害者の両親、
壁に血を流しながら手を叩きつづける弟。
台所から塩をもって出た母親から
被害者の友人2人がつかみ取り裸足のまま走りだし、
帰ろうとする加害者にぶちまける。
その圧倒的なドラマ。
被害者の母親は 突然の訪問に体調を崩し寝込んでしまった。
また加害者の妻が事件後950万円を教育委員会を名乗る男にだまし取られているというのも
参考にすべき一エピソード。
なお、グーグルで検索したところ この時藤井さんに
回答をした近大の広報マンは内閣府の参与にまでのぼりつめている。
意外な発見だった。
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暴力の学校倒錯の街: 福岡・近畿大附属女子高校殺人事件 単行本 – 1998/11/1
藤井 誠二
(著)
福岡県飯塚市でこの体罰死事件が起きたのが1995年。3年余をかけた本書は、膨大な裁判資料に加え、同級生、学校関係者、市民らの証言を丹念に掘り起こすことで、学校や教師、地域が抱え込むものを浮かび上がらせた
- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社雲母書房
- 発売日1998/11/1
- ISBN-104876720681
- ISBN-13978-4876720682
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商品の説明
出版社からのコメント
福岡県飯塚市で起こった女子高生校門圧死事件のルポルタージュ。事件発生から、事件にたいする地域の人間の信じがたい反応を足でレポートする。
内容(「MARC」データベースより)
福岡県飯塚市にある近畿大学附属女子高校で起きた体罰死事件。殺された女子高生の遺族は事件後、地域の悪質なデマに包囲された。事件をとりまく思いもよらない展開を克明に記し、教育現場からの体罰の根絶を訴える。
登録情報
- 出版社 : 雲母書房 (1998/11/1)
- 発売日 : 1998/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 318ページ
- ISBN-10 : 4876720681
- ISBN-13 : 978-4876720682
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,330,422位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,129位学校教育一般関連書籍
- - 4,060位学習指導
- - 30,183位教育学一般関連書籍
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2000年11月30日に日本でレビュー済み
学校には、世間からは理解しがたい慣習のようなものがあるのだろうか。「学校」では、生徒指導という名の暴力に疑問を感じること自体が変なのか、暴力が肯定されてしまう「学校」がおかしいのか、答えは明らかであるにも関わらず、このことで苦しめられている人がいる。教育と暴力、誰もが一度考えるべきテーマであろう。
2008年8月5日に日本でレビュー済み
一気に読みました。事件について何も知りませんでしたが
少し前までは、体罰が当たり前になって、教育という名の元に
皆が感覚を麻痺させていた自分の学生時代を思い出しました。
こんな重大事件があった事を全ての親や学校関係者、教育者が
風化して忘れて欲しくないし、本当に学校教育について
考えさせられました。
今年読んだ本の中でも印象に残り、面白かった本ベスト3には入ると思います
少し前までは、体罰が当たり前になって、教育という名の元に
皆が感覚を麻痺させていた自分の学生時代を思い出しました。
こんな重大事件があった事を全ての親や学校関係者、教育者が
風化して忘れて欲しくないし、本当に学校教育について
考えさせられました。
今年読んだ本の中でも印象に残り、面白かった本ベスト3には入ると思います