この小説を読んでいて,常に共感が付きまといました: 作者のあとがきとおなじように「彼女」達のサイドに立って読んでいました。少なくとも言えるのは,「援助交際という行為は,倫理的に深刻な問題だ」といった視点に立って読むべき小説ではないということです。そういった形で読むのであれば,作者の一連のエッセイあるいは新聞などを読めばいいからです。ただし何か訴えかけるものがあります。それをどう感じ取るかは,完全に読み手に任されています。「裏」なんか無視して「表」だけを読むのがいいです。
これだけよく読み手にすべてを任せ切った小説というのは,少ないと思います。
作家としては当然なのかもしれませんが,言葉のちりばめ方は,絶妙です。
90年代を主に大学生と社会人として過ごした私と描かれている彼女達との間にタイム・ラグが少ないからなのか,「限りなく透明に近いブルー」より親近感ある作品でした。

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ラブ&ポップ: トパーズ2 (幻冬舎文庫 む 1-7) 文庫 – 1997/12/1
村上 龍
(著)
- 本の長さ234ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日1997/12/1
- ISBN-104877285490
- ISBN-13978-4877285494
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (1997/12/1)
- 発売日 : 1997/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 234ページ
- ISBN-10 : 4877285490
- ISBN-13 : 978-4877285494
- Amazon 売れ筋ランキング: - 278,993位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952年長崎県生まれ。
七六年『限りなく透明に近いブルー』で第七五回芥川賞受賞。『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、『半島を出よ』では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた。最新作は『新 13歳のハローワーク』『13歳の進路』。日本の金融・政治経済の問題を考える メールマガジン『JMM』を主宰し、経済トーク番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)のホストも務める。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年1月27日に日本でレビュー済み
村上龍の小説のなかでも傑作のひとつ。本当にこの作家は、おっさんが嫌いなんですね。援助交際はいけない、今を必死に生きなければ将来駄目になる、おっさんはそう説教するくせに、世の中には女の体を商品とする立派な市場が存在していることには知らぬふり。小説内で無数に羅列されるAVの下品なタイトル名や、伝言ダイヤルの数々の欲望剥き出しのメッセージが、洋服のブランド名や映画のタイトルと同列に配されることで、それを象徴的に表している。村上龍は女子高生たちに「そんな嘘つきな親父たちに騙されるなよ、汚い親父のニーズに合わせて自分の体を商品にしてまでお金なんか貰うなよ」と訴えかけているのだろう。嘘のない力強いメッセージに満ちた傑作だと思う。
2007年2月4日に日本でレビュー済み
彼の作品の中でも、かなり読みやすい。
その上、人間的な疑問も与えてくれる。
それは読んでみたらわかりますよ〜。
ちなみにトパーズ2は1の方とは全然雰囲気が違います。
その上、人間的な疑問も与えてくれる。
それは読んでみたらわかりますよ〜。
ちなみにトパーズ2は1の方とは全然雰囲気が違います。
2023年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
少し発送は遅かったが、普通にきれいなものが届いてよかった。人前で持ち歩いて読めるほどで安心した。
2006年12月17日に日本でレビュー済み
援助交際という題材や、羅列される現代風俗などから、際物のように思われましたが、最後まで読了して、とても倫理的な作品なのだと思いました。「どうして売春はいけないのか」という、難問に対して、この作品なりの解答というかメッセージが記されているように感じました。現代文明の中で、これからも警鐘(そう見えない形で、決して説教臭くなく)を鳴らし続ける作家だと思います。
2003年7月26日に日本でレビュー済み
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2020年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容は最高に面白かったけど中古品なので文章に赤い線が引いてあったりコメントが書いてあったりしたのが気になった。それも含めて少し楽しめる部分もあったけど、、まあオールOKです。
2019年3月30日に日本でレビュー済み
援助交際は悪だ。危ない!汚らわしい!
当事者じゃなければそんなことはどうだっていいはずなのに、世の中はそう言う。「並んででもあのスイーツが食べたい!」と、「金を払ってでも女子高生とやりたい!」は似たような文脈だと思う。並ばないでいいなら並びたくないし、金を払わなくて済むなら払いたくない。それでもやっぱり、求めてしまう。バカな女だと責めるのなら、「女子高生」にブランド力を付けた社会を責めるべきではないか。市場価値のあるモノで対価を得るのは、ビジネスマンなら誰だってやっている事なのだから。
援助交際がダメだとなんとなく思いながらも、吉井裕美は彼氏とのセックスと知らない人からお金をもらってするセックスの違いがわからなかった。違いを探してみてもテレビもラジオも雑誌も学校の先生も、誰もその根拠を持っていない。ダメなものはダメ。根拠の乏しい世の中になってしまうのは、そもそも人間が曖昧だからだと思う。私はこう思う、と示した言動が多数派なら問題ない。例えば、浮気。食事や映画は許容範囲でセックスはダメ、なのが「普通は」だとしたら納得できる人も多いだろう。しかし根拠はどこにあるのか。デートなんて行わずにセックスだけの関係だとしたら?一人でも成立する事にわざわざ異性を誘う方が艶っぽい気がする。もちろん根拠はない。肉体関係だけの方がむしろライトな気がするよね、が「一般的に」と言われている場面は見たことがない。口をつぐむ少数派にとっては生きづらい世の中だと思う。
援助交際の事実を知ったら、自分のことを大切に思ってくれている誰かが悲しんでしまう。少なくともそれはあると思う。「そうか、大変だったね。よく頑張ってるね」とはなかなか言えない。しかし、怖い思いをしたから辞めよう、そう単純になれるなら最初から援助交際なんてしないだろう。その反対に、人間の欲望はとても単純だと思う。指輪が欲しかったのはただ欲しかっただけで、男にしたって、ただ女子高生と遊びたかっただけだと思う。もちろん指輪を必要としない子もいるし、未成年に興味を持たない男だってたくさんいるが、それは欲望の対象が「指輪」と「女子高生」じゃなかっただけだ。
曖昧で単純で根拠も特にないのにそれでも世の中が正解を求めるのは、自分の存在理由を奪われたくないからだと思う。何が良くて、何が悪いのかは非常に曖昧だが、「普通は」「一般的に」と頭につけるとなんでも正解のように聞こえる。法律で禁止なので援助交際はダメです。これでも根拠としては乏しい気がする。もちろん女子高生の体は守ってあげなければいけないけれど、お金を払ってでも女子高生とやりたい男が一定数いる事実に変わりはない。それに援助交際がダメだというのは、女を買えない男の悔しさかもしれないし、同じ女なのに価値のつかない女のひがみかもしれない。女子高生とのセックスを、お金の生まれる肉体を、本当は羨ましがっている人たちだっているかもしれない。でもそれについて世の中はアナウンスしようとしない。
少なからず罪悪感はあるだろうし褒められた行いではないが、正解も根拠も何もないのに良識人ぶった人より援助交際する女子高生の方がよっぽど素直で清々しい。きっと育ちだっていいだろう。きちんと自分のお金でモノを買おうとしているし、もし悪ければ誰かから何かを奪おうとしたはずだ。それに、彼女たちはいちいち正解を求めたりしない。そうでなければ援助交際なんてできない。彼女たちはまだ若い。直観的な行動の矛先が変われば、多くの子たちがそれぞれの分野で成功できるだろう。本当は彼女たちの行動から学びを得ている人たちだっているのかもしれない。それもまた誰も教えてくれないが、少なくとも村上龍は事実を教えてくれる数少ない大人の一人だった。
当事者じゃなければそんなことはどうだっていいはずなのに、世の中はそう言う。「並んででもあのスイーツが食べたい!」と、「金を払ってでも女子高生とやりたい!」は似たような文脈だと思う。並ばないでいいなら並びたくないし、金を払わなくて済むなら払いたくない。それでもやっぱり、求めてしまう。バカな女だと責めるのなら、「女子高生」にブランド力を付けた社会を責めるべきではないか。市場価値のあるモノで対価を得るのは、ビジネスマンなら誰だってやっている事なのだから。
援助交際がダメだとなんとなく思いながらも、吉井裕美は彼氏とのセックスと知らない人からお金をもらってするセックスの違いがわからなかった。違いを探してみてもテレビもラジオも雑誌も学校の先生も、誰もその根拠を持っていない。ダメなものはダメ。根拠の乏しい世の中になってしまうのは、そもそも人間が曖昧だからだと思う。私はこう思う、と示した言動が多数派なら問題ない。例えば、浮気。食事や映画は許容範囲でセックスはダメ、なのが「普通は」だとしたら納得できる人も多いだろう。しかし根拠はどこにあるのか。デートなんて行わずにセックスだけの関係だとしたら?一人でも成立する事にわざわざ異性を誘う方が艶っぽい気がする。もちろん根拠はない。肉体関係だけの方がむしろライトな気がするよね、が「一般的に」と言われている場面は見たことがない。口をつぐむ少数派にとっては生きづらい世の中だと思う。
援助交際の事実を知ったら、自分のことを大切に思ってくれている誰かが悲しんでしまう。少なくともそれはあると思う。「そうか、大変だったね。よく頑張ってるね」とはなかなか言えない。しかし、怖い思いをしたから辞めよう、そう単純になれるなら最初から援助交際なんてしないだろう。その反対に、人間の欲望はとても単純だと思う。指輪が欲しかったのはただ欲しかっただけで、男にしたって、ただ女子高生と遊びたかっただけだと思う。もちろん指輪を必要としない子もいるし、未成年に興味を持たない男だってたくさんいるが、それは欲望の対象が「指輪」と「女子高生」じゃなかっただけだ。
曖昧で単純で根拠も特にないのにそれでも世の中が正解を求めるのは、自分の存在理由を奪われたくないからだと思う。何が良くて、何が悪いのかは非常に曖昧だが、「普通は」「一般的に」と頭につけるとなんでも正解のように聞こえる。法律で禁止なので援助交際はダメです。これでも根拠としては乏しい気がする。もちろん女子高生の体は守ってあげなければいけないけれど、お金を払ってでも女子高生とやりたい男が一定数いる事実に変わりはない。それに援助交際がダメだというのは、女を買えない男の悔しさかもしれないし、同じ女なのに価値のつかない女のひがみかもしれない。女子高生とのセックスを、お金の生まれる肉体を、本当は羨ましがっている人たちだっているかもしれない。でもそれについて世の中はアナウンスしようとしない。
少なからず罪悪感はあるだろうし褒められた行いではないが、正解も根拠も何もないのに良識人ぶった人より援助交際する女子高生の方がよっぽど素直で清々しい。きっと育ちだっていいだろう。きちんと自分のお金でモノを買おうとしているし、もし悪ければ誰かから何かを奪おうとしたはずだ。それに、彼女たちはいちいち正解を求めたりしない。そうでなければ援助交際なんてできない。彼女たちはまだ若い。直観的な行動の矛先が変われば、多くの子たちがそれぞれの分野で成功できるだろう。本当は彼女たちの行動から学びを得ている人たちだっているのかもしれない。それもまた誰も教えてくれないが、少なくとも村上龍は事実を教えてくれる数少ない大人の一人だった。