絵本作家というより、絵詞作家・内田麟太郎の半生を綴った一書。過去を描くのにやや具体的な描写が少ないと思ったら、オビに自伝的エッセイとある。エッセイ、即ち知的に過去を回想したのであった。
随所に今までに書かれた文章、詩が引用され、過去の時間が多重構造になるようにしつらえてある。4歳にして生母を亡くし、継母の愛を受けることなく、孤独な少年時代を送ったその心的な体験は、事実のままに叙述することをためらわせる何かがが多々あっただろうと推察させられる。そういう意味で、引用による自伝的エッセイというのは図らずも的を射た方法だった。
ややぎごちない少年時代を語る文に対して、絵本作家として作家や編集者との交流を語る文は伸びやかで楽しい。
ところで自身の詩集にふれるなかで、青磁社版『内田麟太郎詩集』がとりあげられていない。この詩集は第2詩集で、最初の詩集『これでいいへら』に収められた詩を多く含むけれども、ここでしか読めない作品がかなりあり、力作がそろっている。この作品世界を進めていたら内田麟太郎の世界はずいぶんと違っていたのではないか。
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絵本があってよかったな 単行本 – 2006/7/1
内田 麟太郎
(著)
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- 本の長さ150ページ
- 言語日本語
- 出版社架空社
- 発売日2006/7/1
- ISBN-104877521402
- ISBN-13978-4877521400
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登録情報
- 出版社 : 架空社 (2006/7/1)
- 発売日 : 2006/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 150ページ
- ISBN-10 : 4877521402
- ISBN-13 : 978-4877521400
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2019年8月1日に日本でレビュー済み
第9回絵本にっぽん賞を受賞した、長新太さんとの作品『さかさまライオン』
など、多くの絵本をこの世に生み出し続けてきた絵詞作家の内田麟太郎さん
の自伝的エッセイです。
本書で語られる若い頃の体験は、ずっしりと心に残るものでした。小さい頃
のご家族との関係は特に印象的で、当時の切なさや絶望感はいかほどだった
のかと感じ入ってしまいました。
本書の最後には、「絵本・テキスト作法」というエッセイも併録されていま
す。絵童話は絵本とは違うこと、絵本とは、絵がなければ立つことのできな
い文と、文がなければ立つことのできない絵が、互いに相手を必要としなが
ら創る表現世界であること、童話の文章を場面数で分割すれば絵本のテキスト
になることはないことなど、著者の絵本観を知ることができます。
など、多くの絵本をこの世に生み出し続けてきた絵詞作家の内田麟太郎さん
の自伝的エッセイです。
本書で語られる若い頃の体験は、ずっしりと心に残るものでした。小さい頃
のご家族との関係は特に印象的で、当時の切なさや絶望感はいかほどだった
のかと感じ入ってしまいました。
本書の最後には、「絵本・テキスト作法」というエッセイも併録されていま
す。絵童話は絵本とは違うこと、絵本とは、絵がなければ立つことのできな
い文と、文がなければ立つことのできない絵が、互いに相手を必要としなが
ら創る表現世界であること、童話の文章を場面数で分割すれば絵本のテキスト
になることはないことなど、著者の絵本観を知ることができます。
2006年9月20日に日本でレビュー済み
常々あんなにあっけらかんとしてナンセンス絵本を次から次へと世に送り出すようなひとは、
きっと傷だらけの過去を背負っているに違いないとにらんでいました。
そして、そういうことを隠して明るく振る舞うことを信条にしているのだと。
なぜと聞かれると困りますが、ひとを笑わせるという行為には、
どこか自虐的な悲しいものをわたしは感じてしまうからなのです。
あまりにもその通りでびっくりしました。
詩人の父を持ち、書くこと、描くことをどんな苦境にあっても辞めなかったことが、
今日の内田さんをつくったのでしょう。
憧れのひと長新太さんとの関わりあい、『ともだちや』シリーズ誕生秘話など、
編集者との軽妙なやり取りが、笑いを誘います。
マジメをどこか恥ずかしいと思っている内田さんの、照れです。
ファンならずとも、この自伝的エッセイは楽しく読めると思います。
ファンは、よりいっそう麟太郎ワールドを楽しめるようになるでしょう。
これだから、絵本を読むことはやめられない。
これだから、作家を知ることはやめられない。
きっと傷だらけの過去を背負っているに違いないとにらんでいました。
そして、そういうことを隠して明るく振る舞うことを信条にしているのだと。
なぜと聞かれると困りますが、ひとを笑わせるという行為には、
どこか自虐的な悲しいものをわたしは感じてしまうからなのです。
あまりにもその通りでびっくりしました。
詩人の父を持ち、書くこと、描くことをどんな苦境にあっても辞めなかったことが、
今日の内田さんをつくったのでしょう。
憧れのひと長新太さんとの関わりあい、『ともだちや』シリーズ誕生秘話など、
編集者との軽妙なやり取りが、笑いを誘います。
マジメをどこか恥ずかしいと思っている内田さんの、照れです。
ファンならずとも、この自伝的エッセイは楽しく読めると思います。
ファンは、よりいっそう麟太郎ワールドを楽しめるようになるでしょう。
これだから、絵本を読むことはやめられない。
これだから、作家を知ることはやめられない。
2020年5月26日に日本でレビュー済み
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内田氏の絵本『だれかがぼくを ころさないで』に出会った後、こちらの本を買い求めました。
私は暴力とネグレクトの家庭で育ちましたが、子を持ち人生の折り返しを過ぎてもなお自己問答の毎日です。
内田氏の両作を読むと胸をえぐられるような痛みと同時に、共感から得られる平安というものがあるのだと実感します。
私は暴力とネグレクトの家庭で育ちましたが、子を持ち人生の折り返しを過ぎてもなお自己問答の毎日です。
内田氏の両作を読むと胸をえぐられるような痛みと同時に、共感から得られる平安というものがあるのだと実感します。