題名や企画が連想/期待させるものと、全12巻(+別巻1)の本シリーズの実質的な中身は、あまりにも乖離しすぎている。羊頭狗肉とはまさにこのことを指す。
本シリーズのメインとなるのは、95-98年にかけて、山本哲士らが「週刊読書人」紙上にておこなったインタビューである。普通に考えれば、これまで本格的に過去を振り返らなかった吉本が、戦後五十年を契機に、自らの思想の営みと日本の戦後史を照合しながら総括する。大変興味深い企画だ。インタビューをまとめただけでも、一冊をものすることができる。
しかし、「吉本隆明研究会」を標榜する山本哲士らは、そのインタビュー素材を水増しし、なんとわずか150頁足らずの並製で一冊2000円もする贅沢嗜好品を12冊も拵え上げてしまった。
おまけに、後半の配本では、売り上げを増すためか、単行本未収録の「心的現象論」を「連載資料」などと称し、切り売りして、人のいい吉本マニアを釣り上げようとしている。
特に、最終巻の「編集後記」で、山本哲士が「商業主義的にこの企画を使おうとしたいくつかの申し出はお断りし...」と宣うに及んでは、「吉本読者を搾取するんじゃねえ」と怒り心頭に発した!
だいたい、「読書人」のインタビューすべてと、未刊の「心的現象論」を読むのに、どうして2万4千円も必要なのか?
新潮社でも文芸春秋でも青春出版社でも光文社でもいい、商業主義的大資本の出版社が、インタビューと「心的現象論」をそれぞれ2千円の単行本にして出版したとしよう。
書店に並んだ本シリーズ12冊と、それら商業主義的単行本2冊と、一般の吉本読者はどっちを選ぶと思ってるんだ?
吉本から強い影響を受け、いろいろ研究するのは勝手だ。しかし、自らの研究の成果を強引に吉本TEXTに接着し、山本哲士なんぞに興味を持ってない個々の自由な吉本読者に強制的に購入させるというのは、まさに、資本主義的搾取以外のなにものではない。吉本TEXTのこうした愚かな囲い込みを止めて、もっと広く解放して欲しい。
インタビューの開始から、最終配本まで8年かかった理由も、編集後記によると「わたし[=山本哲士}自身の海外研修の時期と重なってしま」ったからだそうな。ふざんけんな!と言いたい。そういった態度で、吉本隆明に関する体系的且つ客観的な研究の積み重ねができるとでも思ってるのか。
海外研修をあきらめるか、吉本TEXTを解放して他の編集者/出版社に委ねるか、道は二つに一つだろう。
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吉本隆明が語る戦後55年 (8)マス・イメージと大衆文化/ハイ・イメージと超資本主義 単行本 – 2002/5/1
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マス・イメージと大衆文化/ハイ・イメージと超資本主義
- 本の長さ151ページ
- 言語日本語
- 出版社三交社
- 発売日2002/5/1
- ISBN-104879192082
- ISBN-13978-4879192080
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
日本の知的言動が麻痺している今、吉本思想を基軸に、20世紀の世界思想を再検証。『週刊読書人』連載の「吉本隆明戦後50年を語る」を元に構成。マス・イメージと大衆文化、ハイ・イメージと超資本主義について語る。
登録情報
- 出版社 : 三交社 (2002/5/1)
- 発売日 : 2002/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 151ページ
- ISBN-10 : 4879192082
- ISBN-13 : 978-4879192080
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,361,465位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,808位東洋哲学入門
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