・本書は、陰謀論の古典ともいえる、キャロル・キグリー著『悲劇と希望』(1966年)を、クレオン・スクーセンが解説したものだ。キグリーは、国際銀行家の正体(歴史的系譜)を、内部の人間の一人として暴露している。そしてスクーセンは、キグリーとの立場の相違についても語る。さて「国際銀行家」とは何か、〈国際金融マフィア(ヤクザ)〉といえば、分かりやすいかもしれない。
・近現代200年における、マフィアのボスがロスチャイルドであり、舎弟(しゃてい)がロックフェラー、背後に隠れているのが、ヨーロッパ貴族(地主)、ヴァチカン、英王室となるのだろう。これらがロンドン・シティを支えて、ウォール街に影響を与えている。
・「陰謀論」といわれる本は、馬渕睦夫氏や林千勝氏を筆頭に、副島隆彦氏や鬼塚英昭氏、太田龍氏などの鬼才、正統的(?)な渡辺惣樹氏や福井義高氏、さらに異能といえる苫米地英人博士などなど、多士済々で読むのが大変だ。911の直後に、リチャード・コシミズ氏や陰謀論者に転向した太田龍氏の本、岩上安身氏による山﨑淑子氏へのインタビューなどで、これは自作自演のグラディオ(偽旗作戦)だと言われていたが、当時はピンと来なかった。今でも、これらの本を読むのは骨が折れる。本書は、これら陰謀論といわれる本を読む上でも、一つの視点を与えてくれる良い本である
・しかし正直な所、本書の目次は分かりにくい。項目が羅列されているだけだ。そこで小生が仮の「章立て」をして、内容の解説としたい。
【1】共産主義者の陰謀より大きな謀略の存在がある(それは国際銀行家の謀略)
【2】国際銀行家は普通の銀行家と異なる
【3】英国の金融王朝とイングランド銀行(政治権力の秘密センターになる)
【4】米国における王朝の設立と独占的金融構造
【5】連邦準備制度の試みの挫折と成功
【6】大物たちの政治哲学
【7】セシル・ローズがラスキンを継承し、秘密のネットワーク(円卓会議)を設立
【8】共産主義者・社会主義陰謀グループとの連係
【9】中国を共産主義陣営に売り渡す陰謀
【10】外交問題評議会(CFR)が設立される
【11】非課税団体を隠れ蓑にした影響力の拡大
【12】米国の教育が破壊されてゆく
【13】アメリカ国務省の裏切り(共産主義への売り渡し)
【14】朝鮮戦争の真相
【15】ジェンナー報告書で明らかになった、ソ連スパイの米国への浸透
【16】ジョゼフ・マッカーシーが暴露した、米国高官の共産主義汚染
【17】エスタブリッシュメントからの反撃
【18】国際エスタブリッシュメントのネットワークの実態
【19】エスタブリッシュメントの当面の戦略
【20】我々に対抗策はあるのか
【21】監訳者解説
01 誰が世界制覇を企てているのか
02 キャロル・キグリー博士が世界の秘密権力構造を題材にした本を書く
03 おそらく私たちにはそうした展開を予想できたはずだ
04 銀行家一族は巨大ネットワークを構築して大型金融取引や政府業務を支配する
05 主要な銀行一族王国を列挙する
06 これは「ユダヤ人の陰謀」などという問題ではない
07 国際銀行家は普通の銀行家と異なっている
08 金融権力の中枢が秘密を守る方法
09 独自の金融システムに対する政府の干渉を避ける作戦
10 ロスチャイルド家−最古の銀行王朝のひとつ
11 プライベートバンカーは無から債券をくりだす手段としてイングランド銀行の設立を決める
12 イングランド銀行は政治権力の秘密センターになる
13 英国金融界に巣食う王朝権力について
14 同じような金融王朝が米国でも発展した
15 米国における王朝の独占的金融構造
16 米国の銀行一族が連邦準備制度の組織化を決める
17 こうした「主だった実業界指導者」とは誰か?
18 連邦準備制度の最初の試みが失敗する
19 連邦準備制度がとうとう現実化する
20 しかし、誰が連邦準備制度をコントロールするのか?
21 世界的権力を秘かに操る人々の目標は何か?
22 驚くべき現象についてのキグリー博士の説明
23 ジョン・ラスキンがオックスフォード大学にやって来た
24 ジョン・ラスキンとは何者か?
25 ラスキンは英国支配階級が世界的使命をおびていると教えた
26 セシル・ローズは世界連邦を夢見た
27 ローズは世界連邦を目指す長期戦略を開始した
28 ローズは幅広い支援を受けて秘密ネットワークを組織した
29 ローズの秘密ネットワークの原型
30 ローズ死後も秘密ネットワークは永遠に続く
31 秘密ネットワークはしだいに他国に広まった
32 外交問題評議会と太平洋問題調査会の設立
33 秘密ネットワークが英国の政府、メディア界、大学に巨大な影響力を獲得できた理由
34 世界連邦の中心をアメリカに置くという提案
35 ローズ〜ミルナー秘密ネットワークが米国に影響力を広める
36 JPモルガン、ロックフェラー等の米国人超富豪がローズの秘密ネットワークに加わる
37 英米秘密ネットワーク同盟の形成
38 秘密ネットワークの米国支部を機能させること
39 強力な秘密社会ニューヨーク支部
40 ニュー・ リパブリック誌の創刊
41 ウォルター・リップマンとニュー・リパブリック誌
42 大学の世界で影響力を獲得すること
43 秘密ネットワークにはニューヨークの有力な法律事務所が含まれていた
44 米国新聞界におけるネットワーク権力構造のはじまり
45 アングロ・アメリカ秘密ネットワークが英米のあらゆる社会階層に浸透した理由
46 秘密社会は共産主義・社会主義陰謀グループとどう連繋したか
47 秘密ネットワークが共産主義者の主要支援者になった理由
48 秘密ネットワーク米国支部がかろうじて露見を免れた理由
49 共産主義支援の背後にある理由付け
50 ラモントはさまざまな共産主義プロジェクトでモルガンを代表した
51 ラモント家は共産主義者の活動拠点を援助した
52 ラモント家は活動を暴露しようとする米国政府をはねつけた
53 モルガン〜ロックフェラー〜カーネギー財団は中国共産主義陣営に売り渡した
54 太平洋問題調査会は極東における米国の外交政策の決定権をどのようにして握ったか
55 キグリー博士は事実を認めるが、明白な背徳行為による壊滅的結果を曖昧にする
56 議会による太平洋問題調査会の審査であきらかになったこと
57 中国人の利益については言うまでもない!
58 キグリー博士は反共産主義者がまったく的外れであると語る
59 ジェローム・グリーンはロンドン〜ニューヨーク枢軸の頂点にいかにして登りつめたか
60 ジェローム・グリーンこそ太平洋問題調査会というクモの巣の主である
61 共産主義者の陰謀よりもさらに大きな謀略がある
62 外交問題評議会の権力と人脈
63 非課税財団は米国文化特有の憲法とイデオロギーの要素を弱体化し破壊する
64 非課税財団が現行犯で捕まった
65 スキャンダルが大衆の目に触れない理由
66 議会のショッ ングな発見にもキグリー博士は痛痒を感じなかった
67 議会委員会は非課税財団の権力について述べたキグリー博士の言葉を証明する
68 フォード財団が特別な関心を呼ぶ
69 マクジョージ・バンディがフォード財団理事長になる
70 米国の名士に対するキグリー博士の評価
71 米国の教育が破壊されていく
72 では結果として教育はどうなったか?
73 眠れる巨人がゆっくりと目を覚ます
74 ハリー・ホプキンスはロシアに原爆の秘密とウラニウムを渡す
75 国務省はロシアの東欧乗っ取りに関与した
76 国務省は共産主義の中国制覇を演出した
77 国務省高官アルジャー・ヒスはソビエトスパイであることが発覚した
78 朝鮮戦争、 マッカーサー解任、ジェンナー委員会報告書
79 米国民を覚醒させたマッカーシー聴聞会
80 ジョゼフ・マッカーシーが単独キャンペーンを展開する
81 一九五三年、マッカーシー委員会が明らかにした事実
82 共産主義者を擁護したツウィッカー大将
83 マッカーシー非難キャンペーンが開始された
84 マッカーシーについてのキグリー博士の見解
85 大詰めの前奏曲
86 反撃の狼煙、ルーサー兄弟の覚書
87 保守的教育計画を阻止するワシントンのキャンペーン
88 ケネディ暗殺とエスタブリッシュメントの隠蔽工作
89 一九六四年の共和党大会とゴールドウォーターのキャンペーン
90 ハントリー・ブリンクリーはゴールドウォーターが勝ったはずだと認めている。
91 ゴールドウォーター現象に対するキグリー博士の驚くべき反応
92 伝統的アメリカ精神の維持を求める人々に対するキグリー博士の意見
93 キグリー博士によるプチブルの定義
94 ゴールドウォーターキャンペーンが新旧富裕層の戦いであるというキグリー理論
95 ビルダーバーグ・グループ〜キグリー博士が示す国際エスタブリッシュメントの一例
96 億万長者が開催したパグウォッシュ会議
97 ワンワールド社会主義国家への圧力
98 私たちに対抗策はあるのだろうか?
99 監訳者解説
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世界の歴史をカネで動かす男たち 単行本 – 2005/7/21
W・クレオン・スクーセン
(著),
太田 龍
(翻訳)
長年FBIで数々の機密捜査情報に接した著者が、日本経済を翻弄し続ける根本原因である、国際エスタブリッシュメントの金融世界支配の構図を暴く。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社成甲書房
- 発売日2005/7/21
- ISBN-104880861855
- ISBN-13978-4880861852
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登録情報
- 出版社 : 成甲書房 (2005/7/21)
- 発売日 : 2005/7/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4880861855
- ISBN-13 : 978-4880861852
- Amazon 売れ筋ランキング: - 610,848位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2024年1月19日に日本でレビュー済み
2021年6月29日に日本でレビュー済み
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大著キグリー「悲劇と希望」の解説と批判。隠蔽されている世界の権力構造を知り、歴史は偶然の累積ではなく目的と意思を持った連中による必然である事が分る。太田龍氏の解説は要点を突き、クヌース著「シティーの帝国」(英国の中国侵略の真実)の紹介を加えて内容に厚みを追加。本書に欠ける日本に関しては太田龍著「長州の天皇征伐」や鬼塚英昭著「日本のいちばん醜い日」を読めば、立体的に理解が深まる。原著は1970年だが、隠蔽続きの国内では今なお新鮮。評価4は値段が高価なため。
2016年3月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新品同様の本で、気持ちよく読めます。俗にいう、陰謀論の類の本ではなく、欧米の生々しい政治経済の企みが正義感に裏打ちされて叙述されています。
2012年2月10日に日本でレビュー済み
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ロスチャイルド、ラスキン、セシル・ローズ、ミルナー、RIIA、ロカフェラー、CFR、IPR、TC。
米英社会主義も資本家によって造られたものだと解り、政治が見えやすくなる。
この流れを理解できると、ネオコンの始祖ユダヤ人ハイエクがフェビアン社会主義協会のロンドンスクールオブエコノミックスに居たりとか、別のマッチポンプも見えやすくなる。
ネオコンで緊縮デフレして、社会主義で緩和インフレする。
どっちもリベラルでコスモポリタンに進んでる。
[・・・]
この動画何回か観た後だとより理解しやすくなるかも。
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2017年6月26日に日本でレビュー済み
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欧米全ての支配層は殆ど 悪魔崇拝者のユダヤ金融マフィアに乗っ取られている。
本書は正にこのことを裏付けている。しかし彼らすべては間もなく ことごとく滅ぼし尽されることになっている。
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2014年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英米金融資本は朝鮮戦争では中共を支援して南朝鮮の崩壊を意図した。 しかもマッカーサーに鴨緑江の橋や国境に集結した中共軍への空爆を禁止した。 米国国務省はソ連の外務省の米国出張所となり必要な情報をすべて半公然とソ連に流していた。 ホプキンスは原爆の設計図からウランまでソ連に提供した。 戦後蒋介石を裏切り毛沢東を支援し中共を設立したのも米国国務省である。 マッカーサーは反共を旗印に韓国を守ったが容共主義者のトルーマンに解任された。 反共産主義はマッカーシー議員と同じく自滅への道であった。 米国をも共産主義化しようとする彼らのアジェンダに戦慄を覚える。 北朝鮮は今やCIAの傀儡政権であり、韓国を併合して大高句麗国を設立しようとしている。 朝鮮戦争の総仕上げである。 独裁的全体主義が彼らの目標でプラトンの国家論がすべての経済理論の基礎である。
2013年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカ社会がグローバル社会主義に染まりそうになったことがあった。このことを詳しく解説したある、とても参考になる本です。
2008年1月10日に日本でレビュー済み
内容:
ハゲタカ外資の始祖ともいうべき国際金融エスタブリッシュメントの行状を暴き、日本の出版界・学術界から長く黙殺されてきた重要な書籍を邦訳。金融ビッグバン、郵政民営化…。翻弄される日本経済の根本原因を明らかにする。
世界銀行家は次の点で普通の銀行とは違う
1.彼らは世界主義かつ国際主義の立場をとる
(つまりグローバル化を進めるということ)
2.政府と癒着し、政府の負債問題に極めて関心が高い
3.彼らの関心の的は債権であり実際の商品にはあまり関心を示さない。
4.したがって彼らは熱烈なデフレ支持者である
(デフレになると彼らの製品である「通貨」の価値が上がる)
5.彼らは徹底的に秘密主義を貫き政界の裏に財政的影響力を持つ
連邦準備制度を廃止せよ!
国連は偽善的な茶番にすぎない!
この本より「最高支配層だけが知っている日本の真実」の方が分かりやすいと思います。
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(つまりグローバル化を進めるということ)
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