公式な商品説明には「利己的な遺伝子」(リチャード・ドーキンス)では説明できない、
とありますが、
本書は「利己的な遺伝子」の延長線上で理論を展開しています。
決して「利己的な遺伝子」を否定しているわけではありません。
利己的な遺伝子も生存するため、子孫を残すために必要なら協力する、
ということを述べています。
カオスな環境のなかで、遺伝子が自らを繁栄させるという利己的な行動のために、
同じ目的を持った利己的な遺伝子と手を組むということです。
進化心理学では「互恵的利他行動」と呼んでいたと記憶しています。
なお、サブタイトルの「他人をおもいやる遺伝子」は、邦訳時に追加されたものです。
無私の愛を遺伝子に求めることは、はかない夢です。
であるが故に、人は進化した脳で他人をおもいやることが重要だと思います。
2008/3/9読了
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徳の起源: 他人をおもいやる遺伝子 単行本 – 2000/6/1
- 本の長さ380ページ
- 言語日本語
- 出版社翔泳社
- 発売日2000/6/1
- ISBN-104881358774
- ISBN-13978-4881358771
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
わたしたちの心をつくっているものは「利己的な遺伝子」である。それなのに、人間社会に「協力」や「助け合い」があるのはなぜか。「利己的な遺伝子」では説明できない人間の本性を「遺伝子功利主義」で解きあかす。
登録情報
- 出版社 : 翔泳社 (2000/6/1)
- 発売日 : 2000/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 380ページ
- ISBN-10 : 4881358774
- ISBN-13 : 978-4881358771
- Amazon 売れ筋ランキング: - 608,841位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 316位遺伝子・分子生物学
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上位レビュー、対象国: 日本
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2011年7月8日に日本でレビュー済み
「人間が個人識別して利他的にふるまえるコミュニティサイズは1'50人」という洞察に心を奪われました。哺乳類の場合のコミュニ'ティサイズは、大脳の新皮質のサイズと比例関係があるそうです。'引用文献が「信頼できる知人から得た情報」とかちょっと怪しい感'じではありますが、しばらくぶりに”マジックナンバー”に出会い'ました。階層型に社会組織をつくると4階層で5億人、5階層で7'60億人になります。一方、地球のサイズの制約はこの間にありそ'うです。いずれにしても”人類皆フラット”といったアーキテクチ'ャー実現には生物としての種の限界を超越しないといけない必然が'あるように思いました。ネットワークだけ高度化してもいけません'。ノードの性能もあがらないと。
2011年7月10日に日本でレビュー済み
人間の本性はホッブス的?ルソー的?文化はどの程度影響されてる?利己的な遺伝子・ゲーム理論・道徳というキーワードから、人間社会には協力や助け合い(集団的利己主義)があるのは遺伝子功利主義だと説く。集団的利己主義の別集団への排他性や交換・贈与の協調性を理解し、ユートピア思想に陥るのではなく現実を見、対処すること。人間はあるべきを他人に勧め、自分は何もしないことによって利益をえる傾向があるというのはグサッときた。
2008年5月14日に日本でレビュー済み
人間の本性・道徳の進化について論じた本です。囚人のジレンマに互恵的利他主義の進化、その後は霊長類学や狩猟採集民の話から人間性の進化について語る、と、まあここまではベタな展開。進化心理学の類書に親しんでいる方にはちょっと退屈かもしれません。本書の魅力的な部分は後半で、生物学的進化から文化的進化へと巧妙に論点をスライドさせ、人類学、歴史、経済学、政治学の観点から道徳の進化(そして退廃)へと展開していきます。
最も印象に残った部分は、有名な「共有地の悲劇」を「リヴァイアサンの悲劇」として完全にひっくり返してみせたことです。リドレーは、そもそも「共有地の悲劇」というのがゲーム理論から演繹されたモデルに過ぎず、現実とは異なると指摘します。中世の羊飼いたちは自主的に取り決めを行い、共有地を活用して相互に利益を得ていた。しかし、近代国家の成立にともない領地が国有化されると、所有権を剥奪されたことにより、とたんに人々は利己性を発揮し、「共有地の悲劇」が現実のものとなってしまった。まさに悲劇を引き起こしたのはリヴァイアサンだったということです。私は素人なので、この説にどこまで信憑性があるのかはわからないけど、実に興味深く、面白く読めました。なお、リドレーはこの後さらに進んで、官僚主義の批判、反権力といった政治的提言にまで及んでいます。科学啓蒙書としてはいささか行き過ぎの感もありますが、まあそれはご愛嬌ということで。
物足りなかったのは、生物学的進化と文化的進化の区別が曖昧なこと。ミーム論によるアプローチを加えれば、もっと魅力的な本に仕上がったと思うし、リドレーならその能力もあると思うのですが、議論が複雑になるのを避けるため意図的にそうしたのでしょうか?
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