本書は、若手の人類学者によるフィリピンの都市における呪術に関するものです。
呪術を扱う研究の多くが、農村や地方を対象としている一方で、本書は都市を対象としている点にまず大きな特徴があります。
呪術に対して私たちが抱く「そんなはずはない。だがしかし・・・」という問いに、さまざまな事例を提示しながら答えようとしています。
本書では、随所に興味深いエピソードが随所に盛り込まれていて、フィリピンの民族誌としてとても面白く読めます。
同時に、デリダやレヴィ＝ストロースなどの理論を用いて分析を試みるという挑戦的な内容にもなっているので、いろいろな読み方ができる本になっています。
今後への期待をこめて、☆は5つで。
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