基本的には、「わたしを認めよ!」と同じ主張が貫かれている。人には「認められたい」という承認欲があること、そしてそれが叶えられない場合犯罪や引きこもりなどの歪んだ形で噴出することが、いつもの作者の軽妙な語り口で豊富な興味深い実例をまじえて考察されている。そして、大切なのは自分で自分を承認できるようまじめに最善を尽くすことだけだということが主張されている。
この実例がいつもながら多岐にわたっている。ロンドンの夏目漱石、ドラフト外カップル、カッとなって人を殺す人、上野千鶴子、「外見で判断するな」とほざく金髪・特攻服の若者、教師達の性犯罪、宅間守、池袋通り魔殺人、勝ち組・負け組、江原啓之の「スピリチュアル生活」などなど。
特に引用が素晴らしいのが乙!川優三郎の時代小説「生きる」についてである。ここに引用されている言葉とあらすじ紹介を読んだだけで感動してしまった。ぜひ買って読もうと思っているところである。
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自分様と馬の骨: なぜ認められたいか? 単行本 – 2002/10/1
勢古 浩爾
(著)
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社三五館
- 発売日2002/10/1
- ISBN-104883202550
- ISBN-13978-4883202553
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「私」は世界でたった1人の「自分様」のはず、けれど同時に65億分の1の名もなき「馬の骨」なのである。「承認論」をテーマに、現代のこんがらがった「自分と他者」「性」「金」の問題を解きほぐす。
登録情報
- 出版社 : 三五館 (2002/10/1)
- 発売日 : 2002/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 238ページ
- ISBN-10 : 4883202550
- ISBN-13 : 978-4883202553
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,297,510位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- - 35,469位エッセー・随筆 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2003年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
(意識しているかどうかは別として)認められたいばかりに自分をも人をも傷つけ苦しめている人があふれています。
「認められたい」という気持ち。「自意識」と呼ぶこともありますが、これ、こじれると始末が悪い。「諸悪の根源はここにあり」と言いたいほど。
その事実を単刀直入かつユーモラスに、そして(ここが大事)暖かい語り口で説くこの本。「頭がいい」というのはこの作者のような人だと思います。笑い、頷き、そして時には涙しつつ読みました。
「認められたい」という気持ち。「自意識」と呼ぶこともありますが、これ、こじれると始末が悪い。「諸悪の根源はここにあり」と言いたいほど。
その事実を単刀直入かつユーモラスに、そして(ここが大事)暖かい語り口で説くこの本。「頭がいい」というのはこの作者のような人だと思います。笑い、頷き、そして時には涙しつつ読みました。
2004年2月1日に日本でレビュー済み
こういうと、著者は嫌がるかもしれませんが、現在トップ・クラスの読んで楽しめる「宗教書」のひとつだと思いました。読んでて、「あ、これって悟りかもしんない」と、ふと読みとどまってしまったくらいですので。癒されちゃった(こういう感想も嫌がられそう……)。この人の考え方の根幹にある、「「自分」なんか、そう素晴らしいもんじゃないよ」というのが、もっとも明快に、しかも他の著作での主張点もまじえつつ、この本では説かれています。「笑い」の部分は他の新書の方が多いような気がするのですが、それは「思想」や「信条」が重くこめられているからで、もし彼の「どうしても、世間に対して言っておきたいこと」を知りたいのなら、何よりもこの本を推薦します。
2002年11月27日に日本でレビュー済み
勝ちとか負けとかではなく、勝ち負けを通り越した何か強いものが感じられる。他人からの毀誉褒貶に惑わされない強くしなやかな自分を作ることができるかもしれない。