音階は整数比にされてこそ美しく響く。ところが、ピアノの工業化の進展ととともに、移調のたびに再調律が必要な「古典音律」がすたれ、音階を等分(半音を2の12乗根で分割)する現代の「平均律」が普及します。
その現代「平均律」は音が汚いし、調性の音色の違いが出てきません。これでは古典やロマン派の音楽は、本来の響きにはならないというのです。
ピアノ音による「絶対音感」盲信教育のせいで、音を聴いて合わせる合奏がまるで不得意な日本人音楽家たち。それに較べて、欧州では、幼年期を教会の合唱隊で音感の基礎づくりをしたりします。だから、平均律といいながら微妙に調律を変えていると言うことです。例えば、SPに残されたコルトーの録音はそういう音律だということです。
この本は83年に発刊され当時の音楽界に波紋を呼びましたが、斬新すぎたのか永らく絶版になっていました。本書はその復刻版です。
「絶対音感」(最相葉月)と合わせて読まれることをおすすめします。
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ゼロビートの再発見 復刻版 単行本 – 2000/1/1
平島 達司
(著)
1:■【第一部 「平均律」から自由な「音律」選択へ】
2:●1章 自然界の法則から「音律」は生まれた
3:●2章 「平均律」の虚構と「純正律」をめぐる幻想
4:●3章 さまざまな調律法-その歴史と音楽世界の変遷
5:●4章 音律研究の新しい幕開けを
6:■【第二部 [資料篇] わが国の調律法研究活動とその基礎データ一覧】
7:●1章 音律研究の発展史
:●2章 古典調律による演奏活動の実績
9:■補遺:昭和58年10月1日以降に行われた古典調律による
10:演奏活動の記録
2:●1章 自然界の法則から「音律」は生まれた
3:●2章 「平均律」の虚構と「純正律」をめぐる幻想
4:●3章 さまざまな調律法-その歴史と音楽世界の変遷
5:●4章 音律研究の新しい幕開けを
6:■【第二部 [資料篇] わが国の調律法研究活動とその基礎データ一覧】
7:●1章 音律研究の発展史
:●2章 古典調律による演奏活動の実績
9:■補遺:昭和58年10月1日以降に行われた古典調律による
10:演奏活動の記録
- 本の長さ234ページ
- 言語日本語
- 出版社ショパン
- 発売日2000/1/1
- ISBN-104883641783
- ISBN-13978-4883641789
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
世の中は、あまりにも猥雑な音で満ちている。ぴったりハーモニーのとれた合唱や合奏するための、原理・原則的な話、音階の構成と楽器の調律法の歴史の原点、調律の精確な技法等を紹介。昭和58年刊の復刻版。
登録情報
- 出版社 : ショパン; 復刻版 (2000/1/1)
- 発売日 : 2000/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 234ページ
- ISBN-10 : 4883641783
- ISBN-13 : 978-4883641789
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,189,250位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 411位クラシック音楽論・理論
- カスタマーレビュー:
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2009年9月19日に日本でレビュー済み
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2022年8月16日に日本でレビュー済み
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音律というのは所詮調律法のことで、ピアノのように自分で調律できない場合は深刻な問題が起きる。ミにシャープがついてもファになるはずがないけど、仕方なくファを代用するのだが、それを聞いて汚いと思わなければよいのでは。それが鍵盤楽器のルールだと割り切るしかない。限られた鍵盤数で24の調を綺麗に調律する方法はいくつかあるが、ある方法を機械的に当てはめてもよくない。ピアノ特有の欠陥としてinharmonicityがあるが、少しでも心地よく聞こえるように微妙に耳で調整するのが均等律であれ不均等律であれ誰でもやっていること。この本は古典調律への入門書としてお勧めできる。実際の調律は技術者のセンス次第です。
2018年12月30日に日本でレビュー済み
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中全音律に関して、アーロンの原型についてのみ論じ、プレトリウスやシュニットガー、ラモーの中全音律についての説明を、著書の中で省略したのは失敗だった。それらについて詳細な、実践的な検討をする時間が無かったのだろうという想像はできるが、しかしその結果、日本における中全音律の理解は30年以上停滞することになってしまった。この罪は重い。
ヴェルクマイスター推し過ぎ。たしかにヴェルクマイスターは、上品さもあり表現力もあり優れた音律だ。しかし、当時多数あった音律の1つに過ぎない。このため、「平均律クラヴィーア曲集に最も適するのはヴェルクマイスター音律だ」と力説する平島先生の主張は、平均律クラヴィーア曲集の表紙上部の模様が音律を示す事が間違いないとみられるようになった現在では、時代遅れのものになってしまった。
ヴェルクマイスター推し過ぎ。たしかにヴェルクマイスターは、上品さもあり表現力もあり優れた音律だ。しかし、当時多数あった音律の1つに過ぎない。このため、「平均律クラヴィーア曲集に最も適するのはヴェルクマイスター音律だ」と力説する平島先生の主張は、平均律クラヴィーア曲集の表紙上部の模様が音律を示す事が間違いないとみられるようになった現在では、時代遅れのものになってしまった。
2009年3月26日に日本でレビュー済み
ケレタートの音律の本を読む前に、これを読んでおくとスムーズだと思った。
古典調律を知って、ヴァイオリンの演奏にももっと幅が拡がり、私自身ピアノと演奏する場合やオーケストラの中でのピッチの問題を考え易くなった。
これらによって、自宅のピアノをヴェルクマイスターに変更したほどである。
知っておいて損は無いし、知りたいのならこの本は演奏者にもわかり易く、かといっていい加減なことも無く、お薦めである。
古典調律を知って、ヴァイオリンの演奏にももっと幅が拡がり、私自身ピアノと演奏する場合やオーケストラの中でのピッチの問題を考え易くなった。
これらによって、自宅のピアノをヴェルクマイスターに変更したほどである。
知っておいて損は無いし、知りたいのならこの本は演奏者にもわかり易く、かといっていい加減なことも無く、お薦めである。