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コア・テキスト経済史 (ライブラリ経済学コア・テキスト&最先端 7) 単行本 – 2005/11/1
岡崎 哲二
(著)
- ISBN-10488384093X
- ISBN-13978-4883840939
- 出版社新世社
- 発売日2005/11/1
- 言語日本語
- 本の長さ182ページ
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登録情報
- 出版社 : 新世社 (2005/11/1)
- 発売日 : 2005/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 182ページ
- ISBN-10 : 488384093X
- ISBN-13 : 978-4883840939
- Amazon 売れ筋ランキング: - 659,944位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 412位経済史 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
経済学で作ったモデルの現実的妥当性を検証する一手段として歴史を使うこと、そして逆に歴史に対して経済学のモデルというメガネを通した知見を提供すること、という経済史の役割を知ることができる良書。なお、経済的な話に関する歴史の本、ではない。
2011年2月10日に日本でレビュー済み
著者の岡崎哲二氏(東大教授)は、日本における「歴史制度分析」(Historical Institutional Analysis,HIA)の第一人者といってよいだろう。この分析アプローチは、本書にも登場する「スタンフォード大学のA.グライフ(Greif)等によって生みだされつつある経済史研究の新しい流れ」(『 江戸の市場経済 』講談社選書メチエ,1999年)である。具体的に「一言でいえば、ゲーム理論の応用によって、制度の役割、その存在の根拠、その生成と変化のメカニズムなどの経済史上の重要な諸問題の理論的・実証的な分析を行う研究アプローチ」(同)とする。そして、このアプローチの大きなポイントとしては、「制度の存在根拠および生成と変化のメカニズムの分析を可能とすると同時に、国家による所有権の保護以外の制度に分析対象を拡げた」(同)ことであろうか。
その成果の一つが上掲のグライフによる『 比較歴史制度分析 』(NTT出版,2009年)であろう。グライフは、この著書において、11世紀地中海世界で遠隔地貿易に従事していたマグリブ商人の活動の解析を通じ、「国家による所有権保護が有効に機能しない環境の下で、私的な制度が契約の執行を保護する役割を果たした」(本書p.83)ことを、「多角的懲罰戦略」の概念等を駆使し、ゲーム理論を応用して論証している。加えて、岡崎教授も前出の書帙で、江戸期の「問屋株仲間」の行動様式を「歴史制度分析」の観点から析出しており、私は日本におけるこの分野の濫觴と考えている。こうしたアプローチは、ダグラス.C.ノース等の『 西欧世界の勃興 』(ミネルヴァ書房,1994年)に代表される「新制度派」の経済史を、さらに充実・拡張・発展させた、とも言えよう。
そういった意味で、「経済史」における「制度の役割」とその分析に重点を置く当書の意義は大きいと思われる。特に最近、同教授も寄稿する『 比較制度分析・入門 』(中林真幸・石黒真吾編,有斐閣,10年)といった良書も刊行され、経済活動に係る制度分析的アプローチが広く世に知れ渡るようになってきたが、本書はその“前捌き”ともなり得るだろう。また、「行動ゲーム理論」においても「制度の問題(institution matters)」の重要性を強調していることはもとより明らかだ(川越敏司『 行動ゲーム理論入門 』NTT出版,10年)。それはそうとして、最後に―「歴史は、しばしば現在に関する新しい見方を提供してくれる」。この言葉は、著者の『 経済史の教訓 』(ダイヤモンド社,02年)の中で述べた一節であるが、まさに「危機克服のカギは歴史の中にあり」とも言える。
Amazonで購入
著者の岡崎哲二氏(東大教授)は、日本における「歴史制度分析」(Historical Institutional Analysis,HIA)の第一人者といってよいだろう。この分析アプローチは、本書にも登場する「スタンフォード大学のA.グライフ(Greif)等によって生みだされつつある経済史研究の新しい流れ」(『 江戸の市場経済 』講談社選書メチエ,1999年)である。具体的に「一言でいえば、ゲーム理論の応用によって、制度の役割、その存在の根拠、その生成と変化のメカニズムなどの経済史上の重要な諸問題の理論的・実証的な分析を行う研究アプローチ」(同)とする。そして、このアプローチの大きなポイントとしては、「制度の存在根拠および生成と変化のメカニズムの分析を可能とすると同時に、国家による所有権の保護以外の制度に分析対象を拡げた」(同)ことであろうか。
その成果の一つが上掲のグライフによる『 比較歴史制度分析 』(NTT出版,2009年)であろう。グライフは、この著書において、11世紀地中海世界で遠隔地貿易に従事していたマグリブ商人の活動の解析を通じ、「国家による所有権保護が有効に機能しない環境の下で、私的な制度が契約の執行を保護する役割を果たした」(本書p.83)ことを、「多角的懲罰戦略」の概念等を駆使し、ゲーム理論を応用して論証している。加えて、岡崎教授も前出の書帙で、江戸期の「問屋株仲間」の行動様式を「歴史制度分析」の観点から析出しており、私は日本におけるこの分野の濫觴と考えている。こうしたアプローチは、ダグラス.C.ノース等の『 西欧世界の勃興 』(ミネルヴァ書房,1994年)に代表される「新制度派」の経済史を、さらに充実・拡張・発展させた、とも言えよう。
そういった意味で、「経済史」における「制度の役割」とその分析に重点を置く当書の意義は大きいと思われる。特に最近、同教授も寄稿する『 比較制度分析・入門 』(中林真幸・石黒真吾編,有斐閣,10年)といった良書も刊行され、経済活動に係る制度分析的アプローチが広く世に知れ渡るようになってきたが、本書はその“前捌き”ともなり得るだろう。また、「行動ゲーム理論」においても「制度の問題(institution matters)」の重要性を強調していることはもとより明らかだ(川越敏司『 行動ゲーム理論入門 』NTT出版,10年)。それはそうとして、最後に―「歴史は、しばしば現在に関する新しい見方を提供してくれる」。この言葉は、著者の『 経済史の教訓 』(ダイヤモンド社,02年)の中で述べた一節であるが、まさに「危機克服のカギは歴史の中にあり」とも言える。
2013年9月28日に日本でレビュー済み
研究レベル・蓄積・ネットワークなど、あらゆる側面から現在国内の日本経済史学会の実質的な「皇帝」であると言える岡崎先生の簡潔な経済史の入門テキスト。05年初版をですが、ふとしたきっかけで再度読み直してみた所、200ページ足らずのコンパクトさで盛り込まれた内容の豊富さに改めて驚愕しました。
内容的には、マルクス経済学的歴史学を中心に蓄積されて来た国内の(古い)経済史研究の伝統からは明らかに距離を置いた(80年代以降の)「新しい」経済史の分析用具・テーマが網羅的に取り上げられています。
第1章から「実験室としての歴史」という節が設けられており、経済学理論の「自然実験」としての経済史像が協調され、制度分析の重要な概念である歴史的経路依存性(path dependence)について、マルク・ブロックの示した北フランスの耕地の所有形態・有名なQWERTY配列の議論を引き合いに説明が与えられます。第2章では、経済成長論ではおなじみの成長会計が解説されています。第3章は、マルクス・ウェーバー(及び関連する宗教と経済成長の実証分析例)・ガーシェンクロンの歴史理論が紹介された上、新しい制度学派の創設者とも言えるD.ノースに始まる制度と経済発展の関係について解説されます。第4章では市場経済史の概観が与えらえた上、A.グライフによる有名なマグリビ商人の多角的懲罰システム、岡崎先生自身がグライフ理論に触発されたと思われる日本の株仲間の制度的分析が議論されます。5〜7章では、経済史の制度分析上重要テーマになる生産組織(工場制・企業組織、奴隷制・地主制・問屋制)、金融システムについて、様々な研究事例を交えて解説されます。
本書は基礎テキストですので、紹介されている(学説史上高名な論文を中心とした)研究結果の解説・巻末のリーディングリストなども勿論有用なのですが、本書が類書に最も差をつけている(と独断的に思い込んでいる)ポイントは、第1章の「経路依存性」の解題にあると感じています。歴史の重大な流れが実はある一時点の偶然に左右されているという「経路依存性」の考え方は、究極的に(ヘーゲル・マルクス的な)“大きな歴史理論”に引導を渡す考え方であり、現代の学問で主流になっているミクロ歴史学研究の意義に理論的基礎を与える重要概念であると思うのですが、正面から解説してくれる和書はそれほど多くありません。
流石、日本経済史をリードする「皇帝」による教科書です。
内容的には、マルクス経済学的歴史学を中心に蓄積されて来た国内の(古い)経済史研究の伝統からは明らかに距離を置いた(80年代以降の)「新しい」経済史の分析用具・テーマが網羅的に取り上げられています。
第1章から「実験室としての歴史」という節が設けられており、経済学理論の「自然実験」としての経済史像が協調され、制度分析の重要な概念である歴史的経路依存性(path dependence)について、マルク・ブロックの示した北フランスの耕地の所有形態・有名なQWERTY配列の議論を引き合いに説明が与えられます。第2章では、経済成長論ではおなじみの成長会計が解説されています。第3章は、マルクス・ウェーバー(及び関連する宗教と経済成長の実証分析例)・ガーシェンクロンの歴史理論が紹介された上、新しい制度学派の創設者とも言えるD.ノースに始まる制度と経済発展の関係について解説されます。第4章では市場経済史の概観が与えらえた上、A.グライフによる有名なマグリビ商人の多角的懲罰システム、岡崎先生自身がグライフ理論に触発されたと思われる日本の株仲間の制度的分析が議論されます。5〜7章では、経済史の制度分析上重要テーマになる生産組織(工場制・企業組織、奴隷制・地主制・問屋制)、金融システムについて、様々な研究事例を交えて解説されます。
本書は基礎テキストですので、紹介されている(学説史上高名な論文を中心とした)研究結果の解説・巻末のリーディングリストなども勿論有用なのですが、本書が類書に最も差をつけている(と独断的に思い込んでいる)ポイントは、第1章の「経路依存性」の解題にあると感じています。歴史の重大な流れが実はある一時点の偶然に左右されているという「経路依存性」の考え方は、究極的に(ヘーゲル・マルクス的な)“大きな歴史理論”に引導を渡す考え方であり、現代の学問で主流になっているミクロ歴史学研究の意義に理論的基礎を与える重要概念であると思うのですが、正面から解説してくれる和書はそれほど多くありません。
流石、日本経済史をリードする「皇帝」による教科書です。
2010年11月25日に日本でレビュー済み
「制度と組織の研究史」という視点の経済史の教科書なので、
ヨーロッパの歴史を事細かに記述して、ラッダイト運動がどうだとか、そういう話をする内容ではなかった。
170ページ程度と、かなりコンパクトにまとまっているが、内容は非常に面白く、簡潔にまとまっている。
普通経済史というと、「数学が出来ないけど経済学に関わっていたい」文系人間のための分野という感じだけど、
本書では経済成長モデルが出てきたり、至る所で統計学的な分析が出てきたりするので、面食らうかも。
はじめて読んだ経済史の本だったので、オーソドックスなものとの比較が出来ないのが残念。
ヨーロッパの歴史を事細かに記述して、ラッダイト運動がどうだとか、そういう話をする内容ではなかった。
170ページ程度と、かなりコンパクトにまとまっているが、内容は非常に面白く、簡潔にまとまっている。
普通経済史というと、「数学が出来ないけど経済学に関わっていたい」文系人間のための分野という感じだけど、
本書では経済成長モデルが出てきたり、至る所で統計学的な分析が出てきたりするので、面食らうかも。
はじめて読んだ経済史の本だったので、オーソドックスなものとの比較が出来ないのが残念。