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Her-2 ハーツー 単行本 – 2008/10/31

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商品の説明

著者からのコメント

【監訳者あとがき】

  2005年5月のASCO。学会の主要演題として取り上げられた
 ーセプチンを用いた乳がん術後補助療法の大規模臨床試験の結果が
 発表された。タモキシフェンなどのホルモン療法と同様、Her2過剰発
 現(Her2 3+もしくは、FISH陽性)の患者群において、再発を約半減し
 たとの結果が出たのである。メイン会場を埋め尽した聴衆は総立ちと
 なり、万雷の拍手と歓声で、その成果を讃えた。
  遡ること7年前。1998年春のASCOでも、まったく同様の光
 景が繰り広げられていた。実は、このときの方が、同じ歓声の渦の中
 でも、よりセンセーショナルであり、そこに至るまでの過程での人間
 模様は、まさにプロジェクトXの世界であった。たった4つのアミノ
 酸配列よりなるDNAの二重らせん構造と、そこから作り出される蛋
 白の数々、人間という複雑な構造を有する生命体も元を質せばきわめ
 て単純な部品から成り立っている。にもかかわらず、人が十人十色、
 百人百様、千差万別といわれるが如く、がんもまた多様性を呈し、そ
 のなかから普遍的な真実を見出すことは容易なことではない。
  乳がん克服への道は、当初外科手術が中心であり、がん細胞が全身
 に飛び散る前に、患部を包むように取り除くという概念のもとに行わ
 れた。特に1900年初頭より標準術式として行われてきたハルステッ
 ドの術式は、乳がんが周囲のリンパ節への転移を経て全身に広がると
 考え、乳房から脇の下や鎖骨の下に至るリンパの流れを取り除くため
 に、全乳房切除に加え、大胸筋も切除した。この考えは、その後約8
 0年の長きに渡り行われてきたのであるが、その間、乳房外に転移し
 たがんに対しては、第二次大戦以降に登場した抗がん剤が全身治療の
 手段としてその後急速に進歩を遂げた。本書にも述べられているが、
 抗がん剤開発の初端は、第二次世界大戦中のマスタードガス爆弾の被
 害者を治療する過程で、白血球が異常に下がることに着目し、白血病
 をはじめとするがん治療に応用されるようになった。しかし、文字通
 り「毒をもって毒を制す」であり、正常細胞のダメージ(例えば、脱
 毛、口内炎、下痢、白血球減少に伴う免疫力の低下など)は予想以上
 に大きく、その克服に対しても多大な労力を要した。大砲で的を打ち
 抜くのは容易であるが、周辺の被害は甚大となる。そこで、弓矢で正
 確に的を射抜く治療法、Targeted therapy(日本語では、「分子標的
 治療」といわれる)への関心が高まった。がん細胞の増殖のメカニズ
 ムを解明し、そこにターゲットを絞った治療薬の開発という新たな概
 念のもとで、多くの研究者がしのぎを削り、幾多の試行錯誤を重ねた。
 何度も絶望の淵に立たされつつも、決してあきらめずにハーセプチン
 の開発に取り組んだデニス・スレイモンをはじめとする研究者の熱意、
 その原動力となったのは、乳がんに侵されている患者をひとりでも多
 く救いたいという医師としての明確なMissionとVisionがあったからに
 ほかならない。本書に描かれている如く、数度の挫折を乗り越えて、
 ようやく日の目をみたのが、ハーセプチンの再発乳がんに対する第III
 相臨床試験の結果が発表された時である。その後、この薬で助けられ
 た患者および待望する患者団体の熱意が後押しとなり、再発乳がんの
 治療において、異例の速さでFDAの承認を得た。この後のハーセプチン
 の展開は、再発の治療から、再発の予防へとシフトし、欧米において
 大規模臨床試験が計画され、冒頭で述べた2005年のASCOでの
 第一報に至ったのである。このエビデンスに対して素早く反応したの
 は、NCCNであり、ASCOが開催された2005年5月末には、
 電話会議を経てハーセプチンの術後補助療法としての使用を認めるガ
 イドラインの改定を行った。さらに、2006年はじめの改定では、
 治療法の選択において、まず、ホルモン感受性があるか否か、次に
 Her2の過剰発現があるか否かで枝分かれをするように、ガイドライン
 の根幹を完全に書き換えてしまった。わが国でも、本年2月末によう
 やく保険適応となり、ようやく標準治療の仲間入りを果たした。
  がん治療の根本は、手術や放射線治療により局所をきちんと制御す
 ることが前提ではあるものの、同時に全身治療の必要性を把握し、適
 切な薬剤を投与することにより、遠隔再発を防ぐことである。したが
 って現在、治療の主体は薬物療法に移りつつある。しかし近い将来、
 その薬物療法においても、主役の座は、化学療法からホルモン剤や本
 書で取り上げているハーセプチンをはじめとする分子標的治療薬剤に
 移っていくであろう。術前薬物療法によって病理学的に完全に消滅で
 きる率が高まれば、精緻な画像診断のもとでの針生検にて、非手術と
 いう方向性もでてくるであろう。今後は、手術を主体とする外科医や、
 化学療法を上手に遂行する旧来型の腫瘍内科医ではなく、分子生物学
 を熟知し、がんワクチンなども含めて幅広い視野のもとで治療計画が
 立てられる、乳腺専門医の育成が望まれる。しかしどの手段が治療の
 本命となろうとも、がんを克服する原動力となるのは、本書に描かれ
 ているようながん撲滅に賭ける不撓不屈の精神と、患者、一般市民を
 含むチームとしての連携であろう。 

               2008年9月
            聖路加国際病院 ブレストセンター長
                         中村清吾

出版社からのコメント

『魔法の弾丸』をめぐる科学と人間模様。乳がん克服に立ち向かうすべての方々に本書をお薦めしたい」川崎医科大学 乳腺甲状腺外科教授  日本乳癌学会理事長 園尾博司

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 篠原出版新社 (2008/10/31)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/10/31
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 305ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4884123182
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4884123185
  • カスタマーレビュー:
    1.0 5つ星のうち1.0 1個の評価

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ロバート・バゼル
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