筆者•渡部昇一が別の本において「名将言行録」の重要性を指摘してゐましたので、刺戟を受けて本書を買ひ求めて読了する事となりました。今まで氏の著書でお勧めされた本は大抵読んで来たのでありましたが、「名将言行録」については全くその存在さへも知らず今回は新しい学びが出来たと感じてゐます。
本書で紹介されてゐます人物の名前は大半名辞としては知ってゐましたが、名将達の言動エピソードについては初めて知る事も多くありました。本書で私が改めて認識、確認出来ました貴重な内容も多かったので、その幾つかを紹介して置きます。
先づ、立花宗茂の事績の事であります。福岡•柳川に以前社員旅行で行った事があり、その折に立花氏がその地の大名である事を記憶はしてゐましたが、その立花氏の開祖とも言へます立花宗茂が当時の武将としての立派な言動によって多くの人より敬意を集め、戦闘能力でも桁違ひの実力を持ってゐた事は今回驚きを以て知りました。大変な忠義の士であり、関ヶ原の戦ひでは豊臣秀吉に恩顧を感じて西軍に付いたために改易の憂身を窶(やつ)して浪人となったわけでありましたが、彼の持つ人望の故に後に旧領を復してゐたのであります。朝鮮の役でも多くの武功を重ね、秀吉歿後の朝鮮撤退時には小西行長が置き去り状態になってしまってゐた事にそのまま味方を見捨てしまふのは日本の恥だと主張して火の玉となって救出行動に動き、見事に撤退戦勝利を得てゐたのだとといふエピソードもありました。本当に奥深い人物像を知り、もっともっと彼については知って置きたく存じます。
次は、豊臣秀吉の政治手腕が人間通の秀れたものであった事です。兎に角、人を殺すのを嫌ひ、一旦勝利を得れば敵将を赦して人材を生かして行かうといふその後の平定、統治の流れも考へての抜群の収拾能力は凄かったんだなと改めて再認識しました。時代の劃期を引き寄せた人物だと感じました。
三つ目には、人間として秀れた人物や事例が幾つも幾つも出て来るといふ事です。毛利元就の三男であった小早川隆景の深謀遠慮の在り方、特に毛利本家の存続への努力、戦場での戦ひ方にも相当な智慧を出しながら時代を歩んだ事を知りました。勇猛果敢だった島津義弘の存在も印象深くありました。朝鮮の役では、その勇猛の故に「シーマンズ(石曼子)」と呼ばれて恐れられてゐたわけなのであります。日本史の中の骨のある人物を今後も心に止めて学んで行きたく思ひました。
四つ目には、朝鮮の役における事績が多くの武将の項で出て来てその戦ひの流れがかなり理解して見えて来た事です。戦国時代は朝鮮の役と繫がってゐたわけで、今まで殆ど知らない空白になってゐましたので、大いに刺戟になり、学びを続けて行きたく存じます。
今回の本書通読によって戦国時代の名将の人物エピソードを通して日本史のドラマが未だ未だ沢山ある事に氣づかされました。日本史に潜んでゐます貴重な事績学びを考究し続けて行きたく存じます。有難うございました。
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『名将言行録』を読む ハードカバー – 2011/9/16
渡部 昇一
(著)
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『名将言行録』(岡谷繁実・著)という明治時代にできた本をご存じだろうか。
戦国時代の名将200余人について、1,000巻の文献の中からその言動逸話が蒐集され、武士道の本質や当時の世相を知る絶好の資料となっている。
本書の著者、渡部昇一氏も「この本がなければ、戦国時代の武将に関する知識はほとんど現在に伝わらなかったといってもいい」と語るほどの貴重な一書である。
今回は、その『名将言行録』を紐解き、現代にも通じる武士の生き様を解説する。
「天下統一を果たした戦国一の人間通・豊臣秀吉」「武将が憧れ尊敬した武将の中の武将・上杉謙信」など、渡部氏によって選び抜かれた29名の名将たちが名を連ねる。
危機に遭遇した時、彼らはそこで何を考え、どう行動したのか。
現代においても、この閉塞した世相を打ち破るために、彼らの知略・胆識から学ぶことは多い。
戦国時代の名将200余人について、1,000巻の文献の中からその言動逸話が蒐集され、武士道の本質や当時の世相を知る絶好の資料となっている。
本書の著者、渡部昇一氏も「この本がなければ、戦国時代の武将に関する知識はほとんど現在に伝わらなかったといってもいい」と語るほどの貴重な一書である。
今回は、その『名将言行録』を紐解き、現代にも通じる武士の生き様を解説する。
「天下統一を果たした戦国一の人間通・豊臣秀吉」「武将が憧れ尊敬した武将の中の武将・上杉謙信」など、渡部氏によって選び抜かれた29名の名将たちが名を連ねる。
危機に遭遇した時、彼らはそこで何を考え、どう行動したのか。
現代においても、この閉塞した世相を打ち破るために、彼らの知略・胆識から学ぶことは多い。
- 本の長さ353ページ
- 言語日本語
- 出版社致知出版社
- 発売日2011/9/16
- ISBN-10488474909X
- ISBN-13978-4884749095
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登録情報
- 出版社 : 致知出版社 (2011/9/16)
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- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 353ページ
- ISBN-10 : 488474909X
- ISBN-13 : 978-4884749095
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2024年3月4日に日本でレビュー済み
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2016年3月8日に日本でレビュー済み
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多くの武将、大名の言動や考え方を知ることができます。
みなそれなりに功を成した人たちなので、
全く違う生い立ち、人格、考え、結果がありますが、どれも正解ということになります。
知らなかったこともたくさんあって、寝床で一人分ずつじっくり読みました。
お奨めしますが、それぞれの人物の基礎知識を少し分ってないと、
ところでこの人って。。。となるところがあるかもしれません。
いずれにしても、本書で興味を持ってからその人物を掘り下げても良いかもしれません。
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ところでこの人って。。。となるところがあるかもしれません。
いずれにしても、本書で興味を持ってからその人物を掘り下げても良いかもしれません。
2011年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
北条早雲は自力で大名にのしあがった最初の戦国大名である。それだけに人心掌握に長け、知恵があり北条三代の繁栄の基をつくった。あまり若い者や年寄りが手柄を立てた場合は土地でなく金銭で報いるべしという。松下幸之助も優れた発明や優れた仕事をしたものでも地位を簡単にあげるようなことをせず、金銭で報いた方が良い場合もあると述べている。「人には影の勤めということが肝要である」また、当時の武将にしては読書の大切さを人に説くなど意外な一面もある。
「願わくば我に七難八苦を与えたまえ」と神仏に祈った山中鹿之助、毛利家を守った小早川隆景の思慮深さ、敵に塩を送る逸話でも知られる義人上杉謙信、武士としての節操を貫いた藤堂高虎、戦国の武将の個性が際立つ。渡部昇一氏の歴史観も随所に垣間見られ、楽しく読ませていただいた。
「願わくば我に七難八苦を与えたまえ」と神仏に祈った山中鹿之助、毛利家を守った小早川隆景の思慮深さ、敵に塩を送る逸話でも知られる義人上杉謙信、武士としての節操を貫いた藤堂高虎、戦国の武将の個性が際立つ。渡部昇一氏の歴史観も随所に垣間見られ、楽しく読ませていただいた。
2013年6月25日に日本でレビュー済み
本書は、戦国時代の武将29名にスポットを当て、
その武将たちの発した言葉、その真意を丁寧に書き記したものとなっています。
有名どころで上杉謙信と武田信玄の二人について一部紹介しますと・・・、
上杉謙信は、義を重んじる人で、不正や不義を許すことができない人でした。
川中島で何度も激闘を繰り広げた武田信玄に対しても、
今川氏真と北条氏康が結託して、武田の分国に塩を売るのを禁じ、
武田の領内の民が大いに困っている時に、謙信は信玄に塩を送りました。
これがあの有名な『敵に塩を送る』という言葉の語源となった話です。
このような謙信に対して信玄は、遺言で
「上杉謙信は義人である。自分の死後に何かあれば謙信に頼れ」
とまで言っています。
また、一方の武田信玄は、人情に通じた合理主義者でした。
『迷信に左右されるな』
『勝利には正確な情報が欠かせない』
ということを言っており、各国に様々の人を派遣し、その土地の地勢、国の風俗、
将軍の能力などを調べさせたということです。
このように本書には、戦国時代の武将たちの考え方・生き方が記されていますが、
それは今の人々がほとんど忘れてしまっているものではないでしょうか。
それは戦国時代のことだから平和な時代には必要ないというわけでは決してないと思います。
むしろ、閉塞感漂う現代社会を払い除けるためには、彼らの生き方から学ぶべきことも
数多くあるように思います。
ぜひ皆様、本書を手に取りご一読ください。
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上杉謙信は、義を重んじる人で、不正や不義を許すことができない人でした。
川中島で何度も激闘を繰り広げた武田信玄に対しても、
今川氏真と北条氏康が結託して、武田の分国に塩を売るのを禁じ、
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このような謙信に対して信玄は、遺言で
「上杉謙信は義人である。自分の死後に何かあれば謙信に頼れ」
とまで言っています。
また、一方の武田信玄は、人情に通じた合理主義者でした。
『迷信に左右されるな』
『勝利には正確な情報が欠かせない』
ということを言っており、各国に様々の人を派遣し、その土地の地勢、国の風俗、
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このように本書には、戦国時代の武将たちの考え方・生き方が記されていますが、
それは今の人々がほとんど忘れてしまっているものではないでしょうか。
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むしろ、閉塞感漂う現代社会を払い除けるためには、彼らの生き方から学ぶべきことも
数多くあるように思います。
ぜひ皆様、本書を手に取りご一読ください。
2020年8月18日に日本でレビュー済み
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いにしえの日本人が培ってきた人生訓、処世術、そして何より時代を見据え、どう生きるか。そんな真剣な生命の息吹が感じられる書籍です。確か、英文学者だった筆者、渡部昇一氏だからこそ書ける日本人観が、自信を失いつつある現代の日本人に、矜持を持って生きることの大切さを伝える。『名将言行録』は「貞観政要」に勝るとも劣らない必読の名著である。