藤原新也の写真集を探していたら、隣に藤原正美さんの「飛び出し注意くん」がありました。「なんじゃこりゃ?」とその妙なタイトルに惹かれて見てみたのですが…素晴らしい、久々に心揺り動かされる写真集を見ました。切実で、痛切でもあり、ユーモラスな佇まいでありながら、泣けてくる…私はページをめくりながら あーこの人形たちは現代のお地蔵さまだなーと思いました。私たちは知らぬ間にこのお地蔵さんたちに 昔から守られていたんでしょう。
写真に付いているコメントと藤原さんのあとがきがまたいい(泣ける)。初めてこの方を知ったのですが、こんな写真集を作れる暖かい人柄と何らかの切実さが感じられます。できれば続編か新作を読みたい。
癒しと愛と励まし、そしてもちろん交通安全への願いがたくさんこめられた素晴らしい写真集でした。
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飛び出し注意くん: 交通安全人形写真集 単行本 – 2001/9/1
藤原 正美
(写真)
- 本の長さ82ページ
- 言語日本語
- 出版社東方出版
- 発売日2001/9/1
- ISBN-10488591745X
- ISBN-13978-4885917455
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
子どもたちの交通安全を願う地元の人の祈りがこめられた人形「飛び出し注意くん」。それぞれの町の、それぞれの顔をした飛び出し注意人形を、10年にわたってとらえた写真集。
登録情報
- 出版社 : 東方出版 (2001/9/1)
- 発売日 : 2001/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 82ページ
- ISBN-10 : 488591745X
- ISBN-13 : 978-4885917455
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,753,190位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年10月5日に日本でレビュー済み
とり・みきの"おじぎびと"と並ぶ、街角のアノ子。
通勤で今日も通った、あの道にも・・・いつか訪れてそれっきりのあの道にも佇んでいたあの子。
見るからに既製品、マニュアルをもとに手作りで、時代時代の人気者の姿もチラホラ。
地元の丸善で新刊コーナーの平積みから、手に取りレジへ。
奥付け見れば、もう17年も前。写真の中の子供たちの中にはもうお母さんやお父さんがいるかも。
通勤で今日も通った、あの道にも・・・いつか訪れてそれっきりのあの道にも佇んでいたあの子。
見るからに既製品、マニュアルをもとに手作りで、時代時代の人気者の姿もチラホラ。
地元の丸善で新刊コーナーの平積みから、手に取りレジへ。
奥付け見れば、もう17年も前。写真の中の子供たちの中にはもうお母さんやお父さんがいるかも。
2007年3月29日に日本でレビュー済み
「飛び出し注意!手をあげて、横断歩道を渡ってね。」
ごくスタンダードなものから、ご当地ならでは、アニメのキャラクターを頑張って模して結果よく訳がわからなくなっているもの、不穏な邪気すら纏いだしたもの、飛び出しようがねえよそこは、極まってとうとう飛び出してすらいないもの。
このように、飛び出し注意くんの佇まいは本来異様です。異形と言い下してもよろしい。しかしなぜ彼(彼女)らはこんなにも、わたし達の風景のなかにしっくり、あたり前のように有り続けるのか。それは飛び出し注意くん、もとい交通安全人形らが、その土地の土に立ち、雨を浴び、風を受け陽を受け続けるうち、やがてその土地の色それと化していくものだからです。究極の路傍の人とは彼らのことなのです。
規格生産でもいい、PTAの決まり事で仕方なく作った歪なものでもいい、もの憂げなクレヨンしんちゃんでもいい、鼻血の落書きをされていてもいい。それは、子供達が毎日元気に出かけていって、また帰ってくることが出来るようにという、ただそれきりの願いの産物だから。だから、妙に笑けてしまうのです、唐突に泣けもするのです。
しかし、路傍にこんなに願いの注意くんたちがいる一方で、現実は子供達にとってどんどん油断ならぬになっていくばかりで、それに伴う著者のあとがきは大変切実なものでした。
注意くんは風景です。君たちを守っているからね、という地域の意識の姿であればよい。ただ突っ立ているばかりで、それ以外の実務を全く伴わないという事こそが意義、逆に平穏の象徴と言って過言ではないと、この写真集を見れば思います。
ただ佇んでいるだけ、そればかりがよい。そればかりの君がよい。
ごくスタンダードなものから、ご当地ならでは、アニメのキャラクターを頑張って模して結果よく訳がわからなくなっているもの、不穏な邪気すら纏いだしたもの、飛び出しようがねえよそこは、極まってとうとう飛び出してすらいないもの。
このように、飛び出し注意くんの佇まいは本来異様です。異形と言い下してもよろしい。しかしなぜ彼(彼女)らはこんなにも、わたし達の風景のなかにしっくり、あたり前のように有り続けるのか。それは飛び出し注意くん、もとい交通安全人形らが、その土地の土に立ち、雨を浴び、風を受け陽を受け続けるうち、やがてその土地の色それと化していくものだからです。究極の路傍の人とは彼らのことなのです。
規格生産でもいい、PTAの決まり事で仕方なく作った歪なものでもいい、もの憂げなクレヨンしんちゃんでもいい、鼻血の落書きをされていてもいい。それは、子供達が毎日元気に出かけていって、また帰ってくることが出来るようにという、ただそれきりの願いの産物だから。だから、妙に笑けてしまうのです、唐突に泣けもするのです。
しかし、路傍にこんなに願いの注意くんたちがいる一方で、現実は子供達にとってどんどん油断ならぬになっていくばかりで、それに伴う著者のあとがきは大変切実なものでした。
注意くんは風景です。君たちを守っているからね、という地域の意識の姿であればよい。ただ突っ立ているばかりで、それ以外の実務を全く伴わないという事こそが意義、逆に平穏の象徴と言って過言ではないと、この写真集を見れば思います。
ただ佇んでいるだけ、そればかりがよい。そればかりの君がよい。