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グルジア現代史 (ユーラシア・ブックレット No. 131) 単行本 – 2009/2/1
前田 弘毅
(著)
- 本の長さ63ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋書店
- 発売日2009/2/1
- ISBN-104885958296
- ISBN-13978-4885958298
登録情報
- 出版社 : 東洋書店 (2009/2/1)
- 発売日 : 2009/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 63ページ
- ISBN-10 : 4885958296
- ISBN-13 : 978-4885958298
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,232,464位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 205位古代ギリシア史
- - 3,390位ヨーロッパ史一般の本
- - 142,706位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年7月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
良く「ウクライナ過剰包装」より重要なグルジア(ジョージア)の本があった。」
2012年2月13日に日本でレビュー済み
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ソ連崩壊後のグルジアの現代史をコンパクトにまとめた一冊。
先ず民族事情。他の中央アジア諸国同様、国内に複数の民族が混在する。しかもロシア人やドイツ人などの移民ではなく、オセチア人、アブハズ人、アチャラ自治共和国、と言った強い民族独立心を持った民族を国内に擁し、ごくごく最近まで紛争が絶えないエリアである。
一方、歴史だが旧ソ連から独立した当初はシュワルナゼ時代、21世紀に入りバラ革命が起こり、サアカシュヴィリ時代へ。サアカシュヴィリ政権は現在も続くが、揺らぎつつあるのが現在。
イラン北部と国境を接し、チェチェン紛争などにも関与する、何より地政学的にロシアとアメリカの外交バランスが要求され中央アジアでは最も国際情勢上注目されるグルジア。
ただ、これだけだと政争激しい国、と言う印象だが、その一方でテンギズ・アブラゼ監督映画「懺悔」についても触れられている。この作品を観たことがあるが、挿入されるベートーベンの「歓喜の歌」が強烈に印象に残る。古典ではなく現代において新しい中央アジアの文化発信地でもあるのである。
先ず民族事情。他の中央アジア諸国同様、国内に複数の民族が混在する。しかもロシア人やドイツ人などの移民ではなく、オセチア人、アブハズ人、アチャラ自治共和国、と言った強い民族独立心を持った民族を国内に擁し、ごくごく最近まで紛争が絶えないエリアである。
一方、歴史だが旧ソ連から独立した当初はシュワルナゼ時代、21世紀に入りバラ革命が起こり、サアカシュヴィリ時代へ。サアカシュヴィリ政権は現在も続くが、揺らぎつつあるのが現在。
イラン北部と国境を接し、チェチェン紛争などにも関与する、何より地政学的にロシアとアメリカの外交バランスが要求され中央アジアでは最も国際情勢上注目されるグルジア。
ただ、これだけだと政争激しい国、と言う印象だが、その一方でテンギズ・アブラゼ監督映画「懺悔」についても触れられている。この作品を観たことがあるが、挿入されるベートーベンの「歓喜の歌」が強烈に印象に残る。古典ではなく現代において新しい中央アジアの文化発信地でもあるのである。
2012年9月17日に日本でレビュー済み
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グルジアのガイドが、グルジアは戦争の歴史ですと言っていたが、その中で1900年代以降を中心に研究的にまとめてある。観光旅行の資料としては堅苦しいがグルジアに興味がある人には参考になると思う。私は2012年9月に旅したが、10月に総選挙がある予定で都市部では盛り上がっていた。グルジアは北海道位の広さで自然が美しくグルジア正教の教会や、スワネティ地方の塔の家も興味深かった。人々も穏やかで親日的であり、女性は会う人ごとに美人で食事もおいしく、これから日本人旅行客も増えると思う。
2015年9月28日に日本でレビュー済み
グルジアという国は日本人にとって馴染みの薄い国ではあるとおもう。それは当然であり、正直に云えば小国である。
しかしながら歴史的に宗教や民族、大国間の利害の中で翻弄されてきた歴史を持つ。1991年にソ連からの独立を回復し、20年間の激動の歴史を刻んできた。
シュワルナゼを倒して大統領に就任したサアカシュヴィリは、過激なまでの民族主義を全面に押し出している。ロシアにも一歩も譲らない。波乱万丈の歴史を辿ってきたグルジアにとって民族たることは重要なことなのである。
しかし民主主義国家として未熟なグルジアは、健全に政党政治が機能していない。野党も統率が取れていないし、与党の政権運営もままならない。これは日本にも少し通ずるものがあると思う。
サアカシュヴィリ政権も、価値観外交の一環で日本との結びつきが密になりつつある。政権交代でこの先どうなるか不明ではあるが、中央アジアとの関係も決して小さいものではない。
しかしながら歴史的に宗教や民族、大国間の利害の中で翻弄されてきた歴史を持つ。1991年にソ連からの独立を回復し、20年間の激動の歴史を刻んできた。
シュワルナゼを倒して大統領に就任したサアカシュヴィリは、過激なまでの民族主義を全面に押し出している。ロシアにも一歩も譲らない。波乱万丈の歴史を辿ってきたグルジアにとって民族たることは重要なことなのである。
しかし民主主義国家として未熟なグルジアは、健全に政党政治が機能していない。野党も統率が取れていないし、与党の政権運営もままならない。これは日本にも少し通ずるものがあると思う。
サアカシュヴィリ政権も、価値観外交の一環で日本との結びつきが密になりつつある。政権交代でこの先どうなるか不明ではあるが、中央アジアとの関係も決して小さいものではない。
2010年10月7日に日本でレビュー済み
学者・研究者というものは(東欧に限らず)、研究対象とする国への思い入れのあまり偏った見解を示す事が相対的に多いのだが、前田氏は非常にバランスある記述を心掛けているように感じられる。アブハジア、南オセチア紛争の概略も知れる。グルジアの政治面の沿革を知るには良い本だ。
「バラ革命」によるシュワルナゼ失脚の背景にあるのが、巷間で言われていたような、単なる「ソ連型政治への人々の批判精神と、民主化革命への希求」といった単純なシナリオではない事が見えてくる。実際、サアカシヴィリもそれなりに強権的であって、共闘していたニノ・ブルジャナゼが袂を分かつ結果を招来している。
ウクライナにはユリヤ・ティモシェンコが出て、グルジアにはニノ・ブルジャナゼが出ている。ロシアに対して対立も辞さないものの、対立一辺倒ではない実利中心の外交を志向するしたたかさを備えているのが両者に共通している。いずれも女性政治家であるところが興味深い。
ただし、「現代史」と銘打つ割には、政治史が中心であり、現代グルジアの文化面やグルジア正教会についての記述にはかなりの弱点が見受けられる(というより殆ど書いていない)。ユーラシア・ブックレットによる、グルジアを含むコーカサス関連分野の出版拡充を期待したい。
「バラ革命」によるシュワルナゼ失脚の背景にあるのが、巷間で言われていたような、単なる「ソ連型政治への人々の批判精神と、民主化革命への希求」といった単純なシナリオではない事が見えてくる。実際、サアカシヴィリもそれなりに強権的であって、共闘していたニノ・ブルジャナゼが袂を分かつ結果を招来している。
ウクライナにはユリヤ・ティモシェンコが出て、グルジアにはニノ・ブルジャナゼが出ている。ロシアに対して対立も辞さないものの、対立一辺倒ではない実利中心の外交を志向するしたたかさを備えているのが両者に共通している。いずれも女性政治家であるところが興味深い。
ただし、「現代史」と銘打つ割には、政治史が中心であり、現代グルジアの文化面やグルジア正教会についての記述にはかなりの弱点が見受けられる(というより殆ど書いていない)。ユーラシア・ブックレットによる、グルジアを含むコーカサス関連分野の出版拡充を期待したい。