私の親愛なる恩師が翻訳した、女流作家Elfriede Jelinekの受賞作。
彼女自身が経験した過去を主人公のErikaに自己投影かの如く混沌としたピアノの譜面上で生きる、母親の呪縛に苦しみながらも生きるErikaの切ない物語。
これをただのポルノ小説と思う人には、ぜひ改めて読み直すことを勧める。
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ピアニスト (女の創造力) 単行本 – 2002/2/1
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- 本の長さ418ページ
- 言語日本語
- 出版社鳥影社・ロゴス企画部
- 発売日2002/2/1
- ISBN-104886296351
- ISBN-13978-4886296351
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
たとえアブノーマルでも、わたしはこうしか愛せない-。凡庸ならざる設定、顕微鏡で覗くような微視的な視線、繊細な気配りを張りめぐらしながら描かれた長編小説。2001年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞映画の原作本。
登録情報
- 出版社 : 鳥影社・ロゴス企画部 (2002/2/1)
- 発売日 : 2002/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 418ページ
- ISBN-10 : 4886296351
- ISBN-13 : 978-4886296351
- Amazon 売れ筋ランキング: - 286,315位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年6月8日に日本でレビュー済み
2009年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作品中これでもかという程ちりばめられた暗喩、詩、比喩表現! ヨーロッパの移民問題も抱えたオーストリアの時代背景と世界最高峰の音楽教育に身を置いてきた著者のどぎつい感性が合い余り、日本文はかなり意訳しなければ、テンポとリズムが保てないように思われた。
しかし我慢して読み進むうちに、後半部のここを書きたかったがためのディテールの積み重ねだったのかと、はっきりと解る切ない箇所があり、そこで読者は驚愕させられる。流儀は違えど、どの国の母娘も一度は思い当たるふしのある、根源的な母娘の関係性を突きつけられ、魂を揺さぶられる。
またヨーロッパの抱えるエロスの深遠さが、著者の趣向を超えて伝わってくる。普遍的には、まだ産める娘の性的な突き上げの衝動の哀しさを物語っていて、後半部に向ってドライに破状せざるを得ない母娘が、いかにもヨーロッパっぽい。
音楽教育を介す独創的な教育環境に母子家庭の抱える問題がえぐり出されている。読みづらくはあるが読め通せば舌を巻いてしまうほどに圧巻。女性としていつまでも心に残る作品で、奇妙にも心地良い諦観に包まれる。
しかし我慢して読み進むうちに、後半部のここを書きたかったがためのディテールの積み重ねだったのかと、はっきりと解る切ない箇所があり、そこで読者は驚愕させられる。流儀は違えど、どの国の母娘も一度は思い当たるふしのある、根源的な母娘の関係性を突きつけられ、魂を揺さぶられる。
またヨーロッパの抱えるエロスの深遠さが、著者の趣向を超えて伝わってくる。普遍的には、まだ産める娘の性的な突き上げの衝動の哀しさを物語っていて、後半部に向ってドライに破状せざるを得ない母娘が、いかにもヨーロッパっぽい。
音楽教育を介す独創的な教育環境に母子家庭の抱える問題がえぐり出されている。読みづらくはあるが読め通せば舌を巻いてしまうほどに圧巻。女性としていつまでも心に残る作品で、奇妙にも心地良い諦観に包まれる。
2002年3月13日に日本でレビュー済み
映画にもなって公開されている「ピアニスト」の原作小説、表紙の映画スナップ写真から言って判断してきっと男女の恋愛の軽い感じの映画で原作小説のきっとスイスイ読みいることができる手軽な小説だろうと思い込んで読みました。読んで読み進めるうちにお手軽な小説だと判断した自分の判断ミスを責めてしまいました。母国オーストリアかドイツかどこかでは文学界の重鎮として崇め奉られているそうですが、これがその重鎮のお書きになられた文学の賜物なのかとそのあちらで絶賛されている文学のその重々しい重みに辟易となってしまいました。女性教師エリカの元へ現れた若き生徒クレマーとそのエリカを圧倒支配するエリカの母まるで状況を異なれどドラマ‘高校教師’と思しきその設定はありがちであり、非常に興味深いどうなるのかなとわくわくさせるような設定でありました。が、その愛憎の世界を読みながら堪能させてくれる以前に私をはるかに横臥するそのわけ分からないあちら欧州の文学の表現と言うかその1ページ1ページをに綴られる溢れんばかりの文字の大群にはもうただついていくのがやっとであり、やっと読みきったときには自分の判断甘さに嫌と言うほど痛感させられ、疲れてしまいました。「ピアニスト」と言う表題の通りその知識を凌駕する音楽の専門用語は分からないとしても仕方ないですが、欧州の文学の重鎮のこれがあちらの文学なのかと痛感させられるほど参りました。でも、ただの映画原作の軽い小説とは程遠い、この小説がどう映画になったのかは興味深いですね。女性版モーツァルトのようなエリカと生徒クレマーあのトイレのスナップ写真から映画がどのように展開されどこまで映像になるのかみて見たいです。何とか大まかな筋は読み取れたのですがあちらの文学は訳わからないと言うより芸術家は訳分からないという印象でした。やはりお手軽な恋愛小説のほうが読みやすくていいです。