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タッチストン―大橋晃朗の家具 単行本 – 2006/9/15

5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

イメージを喚起する家具

様々なスタイルの家具を試行錯誤をしながらつくり続けた家具デザイナー大橋晃朗氏。大橋氏は篠原一男に師事し建築を学び、以降、多木浩二、伊東豊雄、長谷川逸子、坂本一成等と親交を結び、建築や家具に関する思考を発展させました。
初期には伝統的な素材や形式から「もの」の存在感を追求した箱型の家具、素朴で実用的なシェーカー家具の複製を手掛け、1976年「代田の町家」(設計:坂本一成)のためにつくった「椅子または台のような椅子」を機に、「もの」であることを超えた「概念」としての家具を試みるようになります。その後、歴史の引用からかたちを導いた金属椅子の連作、量産を考慮した組立式の「ボード・ファニチュア」(1979~83)の制作へと移行したときには、一般の人でも買うことができるような、社会における家具であることを強く意識したデザインをするようになりました。その後一転して作風が変わり、後期の代表作といえる色鮮やかで自由奔放な「ハンナン・チェア」(1985)以降は、一連のフレームと布を使った皮膜家具、スティール材を用いたベッドや椅子、黄色いフレームとカラフルな座面とのバランスが美しい「ドナルド・ダック」(1989)など、精神的にも身体的にも解放された踊り出すような家具を次々とつくり出しました。1990年「八代市立博物館」(設計:伊東豊雄)のために設計した家具は、オリジナルなデザイン性と実用性とのバランスに優れ、大橋氏のさらなる活躍が期待されましたが、その後間もない1992年に急逝しました。
時代を超えて今もなお我々に新鮮な驚きをあたえてくれる、不連続とも言える作品の変遷は、氏の最後のインタビュー(初出『SD』8505、補遺として本書に掲載)となった次の言葉に表れています。
「家具とは何か、と問い続けて、では解答といわれても、それはひと言でいえない。今もいわれたようにいろいろな脈絡が錯綜している。しかしあえていえば得体の知れないものだと思うんです。曖昧で他愛もないものに取りまかれて人間が生きている。たとえばそれを生活術と呼べばそんなマイナーだと思われていることのなかに、得体の知れないものが人間をつき動かし、その結果、物が逆に人間を使っていたりするように見えてきます」
機能を超えて、かたちを超えて、デザインの臨界に至った珠玉の家具を初公開を含む写真、スケッチ、ドローイング、図面で網羅します。監修者である多木浩二、伊東豊雄、坂本一成の各氏による書き下ろしテキストも収録。もう巡り遭えない家具たちがここにあります。
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商品の説明

著者について

大橋晃朗(Ohashi Teruaki)

1938年愛知県生まれ。1962年桑沢デザイン研究所卒業。
同年~69年東京工業大学工学部篠原研究室(文部技官)。篠原一男に師事し、建築を学ぶ。
以降、多木浩二、伊東豊雄、長谷川逸子、坂本一成等と親交を結び、建築や家具に関する思考を発展させる。
1965~69年桑沢デザイン研究所非常勤講師。1969年東京造形大学助手、翌年同大学専任講師。
1972年アトリエ設立。初期には建築設計とともに「木地箱」「車箱」等、箱物家具を中心に活動を始め、1976年「代田の町家」(設計:坂本一成)のために設計した「台のような椅子」から本格的に家具デザインに専念する。
1979年からは家具の社会性を考慮した一連の「ボード・ファニチュア」を制作。
1984年「シルバーハット」(設計:伊東豊雄)の家具として作った「フロッグ・チェア」を経て、「ハンナン・チェア」以降、解放的で色鮮やかな皮膜家具シリーズを生み出す。同年、東京造形大学教授。
1992年逝去。1990年「八代市立博物館」(設計:伊東豊雄)のための家具が遺作となった。


多木浩二(Taki Koji)

1928年兵庫県生まれ。東京大学文学部美学美術史学科卒業。
千葉大学教授退官後、評論家として著作に集中する。
著書に『生きられた家』(田畑書店、1976)、『天皇の肖像』(岩波書店、1988)、
『シジフォスの笑い』(岩波書店、1997)、『戦争論』(岩波書店、1999)など多数。


伊東豊雄(Ito Toyo)
1941年京城生まれ。1965年東京大学工学部建築学科卒業。
1971年URBOT設立。1979年伊東豊雄建築設計事務所に改称。
1986、2003年日本建築学会賞作品賞、2002年ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展金獅子賞、
2006年王立英国建築家協会ゴールドメダルなど受賞多数。


坂本一成(Sakamoto Kazunari)
1943年東京都生まれ。
1971年東京工業大学大学院博士課程を経て武蔵野美術大学建築学科専任講師、77年助教授。
1983年東京工業大学助教授、91年~教授。1990年「House F」で日本建築学会賞作品賞、
1992年「コモンシティ星田」で村野藤吾賞受賞。
著書に『坂本一成 住宅―日常の詩学』(TOTO出版、2001)など。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ TOTO出版 (2006/9/15)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/9/15
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 319ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4887062737
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4887062733
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

著者について

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大橋 晃朗
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上位レビュー、対象国: 日本

2006年10月8日に日本でレビュー済み
家具デザイナーという職業の中で大橋晃朗という名前はそれほど有名ではないかもしれない。

同じ時代に活躍したデザイナーでは倉俣史朗のほうが知る人は多いだろう。

しかし、この本にある一連の家具を見ていくと、そこには今まで見たことのない一つの世界を見ることになるはずだ。

それは家具そのもののみで作られているのではない。

本書の約半分を割いているドローイングは家具製作のための図面という域を超えて一つの表現となっている。

今にも動き出しそうな椅子。カラフルな色使い。楽しげな家具を作りながらも家具の歴史や意味を考え続けた人の軌跡がこの本につまっている。

家具だけでなく、モノづくりをしている人は必見。三人の友人、多木浩二・伊東豊雄・坂本一成の文章も読みごたえあります。貴重な図面や資料もついているので持っている価値はあると思います。
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