4名の講演集ですが話はあまりかみ合っていません。住宅建築に対する考え方はそれほど様々だということでしょうか。
実際に行われた講演の順序で収められており、私は頭から読みましたが、この順序で読む必要はないように思われます。藤森さんが建築史家としてこの半世紀程の住宅建築の流れを
メタボリズム->自閉->反転->〈分離派〉
と整理しているので、まずこれを読んだ後、伊東さん・安藤さんがこれにどう関わったかという観点から読んでみるのが読みやすいような気がします。
磯崎さんももちろんこの流れに関わられているのですが、講演で提示しているのは全く違った観点であり、ある意味ではもっともインパクトがあるかもしれません。(でも、人によっては全く共感できないかもしれません。)
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住宅の射程 単行本 – 2006/10/31
TOTOが運営する建築とインテリアデザインを主とした専門ギャラリー“ギャラリー・間”の20周年記念展「日本の現代住宅1985-2005」にあわせて開催された連続講演会では、磯崎新氏、安藤忠雄氏、藤森照信氏、伊東豊雄氏という日本建築界をリードする4氏に「21世紀の住宅論」を語っていただきました。本書は、その全内容を収録したものです。
建築家の道程のひとつに、住宅設計でデビューを果たした後、徐々につくる建築の規模が大きくなり、建築家としての地位が確立していくという流れがあります。その意味では、住宅は建築の原点、出発点であるともいえます。ただ、公共建築物の仕事が激減した現在では、若手建築家はなかなか住宅の先に進むチャンスがない時代でもあります。そうした状況の中で、いま建築家は何をするべきか、何を考えるべきなのか。本書の中で4氏は、歴史的名住宅や今話題の住宅作品を分析しつつ、ご自身の若い頃を振り返りながら、それぞれの語り口で厳しく挑発的に、若手建築家に向けてメッセージを発信しています。
「この状況で唯一できることは、自分のロジックで組み立てた仮説を信じる。それしか方法はない」(磯崎氏)、「条件の悪い仕事を良い仕事に変える、仕事がなければ大きな構想を練り自分でつくり出すのも建築家の仕事」(安藤氏)、「建築を外の条件から説明するのではなく、自分の内側から説明する人を求めていた」(藤森氏)、「リアルなものがあるとすれば一体それは何か。その問題こそが今の建築家にとってのモラルであり、使命感ではないだろうか」(伊東氏)。
住宅設計に対する考えはそれぞれ異なりますが、通底しているのは、住宅をつくる意味を若手建築家に問いかけていることです。単なるスタイルの提案にとどまらず、「住宅」を「建築」に昇華させること。住宅が思想に裏付けされ、歴史に耐えうるだけの射程をもつことを投げかけています。自ら実践してきた建築家の言葉だけに重みがあるこの熱いメッセージを、ぜひ多くの方に受け止めていただきたいと思います。
建築家の道程のひとつに、住宅設計でデビューを果たした後、徐々につくる建築の規模が大きくなり、建築家としての地位が確立していくという流れがあります。その意味では、住宅は建築の原点、出発点であるともいえます。ただ、公共建築物の仕事が激減した現在では、若手建築家はなかなか住宅の先に進むチャンスがない時代でもあります。そうした状況の中で、いま建築家は何をするべきか、何を考えるべきなのか。本書の中で4氏は、歴史的名住宅や今話題の住宅作品を分析しつつ、ご自身の若い頃を振り返りながら、それぞれの語り口で厳しく挑発的に、若手建築家に向けてメッセージを発信しています。
「この状況で唯一できることは、自分のロジックで組み立てた仮説を信じる。それしか方法はない」(磯崎氏)、「条件の悪い仕事を良い仕事に変える、仕事がなければ大きな構想を練り自分でつくり出すのも建築家の仕事」(安藤氏)、「建築を外の条件から説明するのではなく、自分の内側から説明する人を求めていた」(藤森氏)、「リアルなものがあるとすれば一体それは何か。その問題こそが今の建築家にとってのモラルであり、使命感ではないだろうか」(伊東氏)。
住宅設計に対する考えはそれぞれ異なりますが、通底しているのは、住宅をつくる意味を若手建築家に問いかけていることです。単なるスタイルの提案にとどまらず、「住宅」を「建築」に昇華させること。住宅が思想に裏付けされ、歴史に耐えうるだけの射程をもつことを投げかけています。自ら実践してきた建築家の言葉だけに重みがあるこの熱いメッセージを、ぜひ多くの方に受け止めていただきたいと思います。
- 本の長さ274ページ
- 言語日本語
- 出版社TOTO出版
- 発売日2006/10/31
- ISBN-104887062745
- ISBN-13978-4887062740
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登録情報
- 出版社 : TOTO出版 (2006/10/31)
- 発売日 : 2006/10/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 274ページ
- ISBN-10 : 4887062745
- ISBN-13 : 978-4887062740
- Amazon 売れ筋ランキング: - 635,335位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 87位民家・住宅論 (本)
- - 312位建築家・様式
- - 1,154位住宅建築
- カスタマーレビュー:
著者について
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1941年大阪生まれ。建築家。独学で建築を学び、1969年に安藤忠雄建築研究所を設立。1979年、「住吉の長屋」で日本建築学会賞受賞。イエール大学、コロンビア大学、ハーバード大学の客員教授を務める。1997年から東京大学教授、2003年から同大学名誉教授。日本芸術院賞(1993年)、プリツカー賞(1995年)、国際建築家連合(UIA)ゴールドメダル(2005年)など受賞多数。2010年、文化勲章受章(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『TADAO ANDO Insight Guide 安藤忠雄とその記憶(ISBN-10: 406218298X)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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