私は白人=侵略者、ラス・カサスの描くヨーロッパ人と同列にしか捉えていなかった
ジェイムス・クックを描いた最新刊が出たので読んでみました。
クックの残した航海日誌を基本に周囲の人々が残した文章と南洋の島々に残る
伝承等をパッチワークのように継ぎ接ぎクックの実態を描き出します。
内容は非常に興味をそそるのですが、文章の継ぎ接ぎの所為かリズムがなく
非常に読みにくいです。
厳然たる階級社会である英国でのクックの簡単な生い立ちから始まり
太平洋への第一回、南極大陸を探す第二回の航海、そして北極海を通る
北西航路を求めた第三回航海でハワイのケアラケクア浜で棍棒に倒れ、
切り刻まれるまでを追います。
帆船の航海日誌は天候と風向きにほんの少しのエピソードしか書かれていない
ものなのでしょうが、本書は同時代の人々の文章を継ぎ接ぎ、できうる限りの
想像を廃し、キャプテン・クックを描きます。
人としてのジェイムス・クックでは資料が少なすぎ、創作になりかねないので
あくまで艦長としてのキャプテン・クックを描き、再評価を与えています。
大航海時代に興味はなくても、そこに描かれるクックの組織管理、外交術には
学ぶものが多くありました。
反乱寸前まで幾度も行った部下たちはクックの死後「思いだすのは、彼の統率力
と航海者としての無類の技術、模範的な貞節、節制、事実上の絶対禁酒主義、
公正さと平等への熱意、寛大さと、館内でキリスト教をしなかったことだった。」
最終章に書かれます。
欲を言うなら帆船の構造図と天測術を付記してくれれば、更に理解とクックの
偉大さを理解する助けになったでしょう。
更に言うなら920グラムの大型本は移動時間にしか読書時間を割けない
勤め人にはとても辛かったです。
物理的にも文章的のも読みづらい本書でしたが、その内容がそれらを上回りました。
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キャプテン・クック: 世紀の大航海者 単行本 – 2013/3/1
- 本の長さ590ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋書林
- 発売日2013/3/1
- ISBN-104887218095
- ISBN-13978-4887218093
登録情報
- 出版社 : 東洋書林 (2013/3/1)
- 発売日 : 2013/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 590ページ
- ISBN-10 : 4887218095
- ISBN-13 : 978-4887218093
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,374,792位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 177,163位ノンフィクション (本)
- - 346,194位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年1月21日に日本でレビュー済み
18世紀英国の探検家として著名なクックだが、毀誉褒貶が激しいわりに生い立ちやプライベートについての資料はほとんど残っていないらしい(奥さんが本人の死後に手紙を全部焼いてしまったとか)。本人を英雄扱いしていた当時の新聞記事などもあまりあてにはならないということで、航海日誌や公式の書簡を基に、極力史実に忠実に書かれたという印象の伝記である。全般に無味乾燥でしかも長いので読むのには苦労する。残された資料からだけでも、クックが航海術・測量術の達人であり、不要な口はきかず、不屈の意思を持って目的を遂行した人であることが伝わってくる。ただハワイで族長を拉致しようとして殺されてしまった最後の航海の頃になると、年齢に加え体調の問題もあって、頑固で怒りっぽい性格に変わっていたそうだ。著者はクックについては憶測を排そうという姿勢が顕著なのだが、18世紀のタヒチやトンガの政治については異様に事細かに、あらかた憶測と思われる(文字資料があったとは思えない)内容が延々と語られていて違和感があった。