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小さきものたちの神 単行本 – 1998/5/1
- 本の長さ486ページ
- 言語日本語
- 出版社ディーエイチシー
- 発売日1998/5/1
- ISBN-104887241240
- ISBN-13978-4887241244
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
インド南西部のケララ州を舞台に描かれる家族の栄華と没落、確執と愛。そして伝統的なカースト制と闘いながら成長していく双子の兄妹エスタとラヘル。ブッカー賞に輝いたインドの宝石。世界36ヵ国で翻訳。
登録情報
- 出版社 : ディーエイチシー (1998/5/1)
- 発売日 : 1998/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 486ページ
- ISBN-10 : 4887241240
- ISBN-13 : 978-4887241244
- Amazon 売れ筋ランキング: - 543,512位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近のインドの状況をどこまで知っていたのかと、思うと同時に自分が世界の中でどう生きているのかを意識していないのを痛感。インドに原発を輸出するという日本。これってもっと真剣に考えないと・・・・。
2015年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
独特な表現やインドの生活に馴染みがないのもあって先に先にと一気に読み終えた。
詩のように終わる最後がいい。
詩のように終わる最後がいい。
2011年10月21日に日本でレビュー済み
センテンスがなにしろやたらと短いし、また独特の比喩があって、そもそも理解し難いインドの話なのでなかなか頭に入ってこない。
原文にあたっていないが、詩的な文章の美しさといった独特の文体が日本語に置き換えるのが難しのではないかと思う。
あとはインド独特の植物や花の名などは、ビジュアル化できないし、またチョコレートとかオレンジとか言ったわかりきった名詞もインドという国においてはイメージが全くことなるのではないかと思う。
消化しきれないもどかしさを感じざるを得ない。
原文にあたっていないが、詩的な文章の美しさといった独特の文体が日本語に置き換えるのが難しのではないかと思う。
あとはインド独特の植物や花の名などは、ビジュアル化できないし、またチョコレートとかオレンジとか言ったわかりきった名詞もインドという国においてはイメージが全くことなるのではないかと思う。
消化しきれないもどかしさを感じざるを得ない。
2012年5月13日に日本でレビュー済み
表紙は蓮なのだろうか、美しい植物の写真から思い描いていた抒情的イメージを、いい意味で裏切られた。
著者は、そんな“一筋縄”な作家じゃない、と読了後に知った。
登場人物は、幼い双子(女の子ラヘルと男の子エスタ)を中心に、
その母アムー、母の兄、大叔母、祖母などの、ピクルス工場を経営する一族の物語。
だが読むうちに、著者が“内なる自分”を、部分部分に切り分けて登場人物にうまく分配し、
登場人物のそれぞれに自分自身を反映させることで、密度の濃い性格描写へ昇華させているように思えた。
女の子ラヘルの無邪気な言動は、まさに著者の幼少体験の反映だろう。
しかし、外に向けられ他人にもよく知られている著者の人格から造形されたラヘルと対をなすものとして
著者の中に潜む男性性や内向的指向といった、内に籠る著者の別の人格からは男の子エスタを造形し、
物語を多面化しようとしたのであれば、うまいというほかない。
また、この本には、それぞれの登場人物の個人的な出来事を軸としながらも、
一貫して「社会のルール」が影としてまとわりついている。
例えば、女性の権利−この物語では、兄妹のうち兄が当然のように工場と遺産を全部相続する。
だから娘が離婚して実家に帰ってくるなんて、顰蹙ものの許されない行為だ。
また、不可触民は、仕事ができても、人望があっても、可触民と同等ではない。愛しあうことも。
それらの社会のルールが、登場人物の意識にインクが染みるように所々に現れてくる。
社会のルール=大きなものの神による一元的固定的な観念に日常的に苦悶を感じていたのか、
著者は、その神の陰に隠され、閉じ込められ、虐げられた、小さきものたちの神という存在を
ラヘルの視点、エスタの視点、アムーの母として女としての視点、不可触民の青年の視点…と
著者が産んださまざまな登場人物の眼によって、私たちに気付かせたかったのかもしれない。
インドを色濃く映しながら普遍的な物語性をもたせるのは並大抵ではないが、
自分の実体験を基礎としながらも、個人またはインド固有のテーマでは終わらず、
自己を種にしながらも、それにインドの風土や社会慣習から巧みに文学的要素を抽出し織り交ぜ、
枝や蔓草のように物語を広げ、普遍性とオリジナリティとを併せ持たせているところが
インドを超えて英語圏を中心に読者が広がった理由だろう。
最後に、この本がDHCから出されているのにはある意味驚いた。コンビニや通販での化粧品販売会社という印象しかなかったから。
著者は、そんな“一筋縄”な作家じゃない、と読了後に知った。
登場人物は、幼い双子(女の子ラヘルと男の子エスタ)を中心に、
その母アムー、母の兄、大叔母、祖母などの、ピクルス工場を経営する一族の物語。
だが読むうちに、著者が“内なる自分”を、部分部分に切り分けて登場人物にうまく分配し、
登場人物のそれぞれに自分自身を反映させることで、密度の濃い性格描写へ昇華させているように思えた。
女の子ラヘルの無邪気な言動は、まさに著者の幼少体験の反映だろう。
しかし、外に向けられ他人にもよく知られている著者の人格から造形されたラヘルと対をなすものとして
著者の中に潜む男性性や内向的指向といった、内に籠る著者の別の人格からは男の子エスタを造形し、
物語を多面化しようとしたのであれば、うまいというほかない。
また、この本には、それぞれの登場人物の個人的な出来事を軸としながらも、
一貫して「社会のルール」が影としてまとわりついている。
例えば、女性の権利−この物語では、兄妹のうち兄が当然のように工場と遺産を全部相続する。
だから娘が離婚して実家に帰ってくるなんて、顰蹙ものの許されない行為だ。
また、不可触民は、仕事ができても、人望があっても、可触民と同等ではない。愛しあうことも。
それらの社会のルールが、登場人物の意識にインクが染みるように所々に現れてくる。
社会のルール=大きなものの神による一元的固定的な観念に日常的に苦悶を感じていたのか、
著者は、その神の陰に隠され、閉じ込められ、虐げられた、小さきものたちの神という存在を
ラヘルの視点、エスタの視点、アムーの母として女としての視点、不可触民の青年の視点…と
著者が産んださまざまな登場人物の眼によって、私たちに気付かせたかったのかもしれない。
インドを色濃く映しながら普遍的な物語性をもたせるのは並大抵ではないが、
自分の実体験を基礎としながらも、個人またはインド固有のテーマでは終わらず、
自己を種にしながらも、それにインドの風土や社会慣習から巧みに文学的要素を抽出し織り交ぜ、
枝や蔓草のように物語を広げ、普遍性とオリジナリティとを併せ持たせているところが
インドを超えて英語圏を中心に読者が広がった理由だろう。
最後に、この本がDHCから出されているのにはある意味驚いた。コンビニや通販での化粧品販売会社という印象しかなかったから。
2009年10月28日に日本でレビュー済み
小さきものたちの神は喜びを紡ぐ。
何もないところから。
屋根と壁とベッドだけがある小さな家から。
星空の下の露にぬれた草むらから。
心が傷ついたこどもたちも、神の手の中でやすらぐ。
その指先から、きれいなものや
みんなの役にたつものを作り出す。
信じられないほど完璧なできばえ。
「どうして、そんなことができるの。」
「生まれつき、知っていたから。」
それでも神は人間の世界にいられない。
自然は美しいのに。
愛が罪になる世界。
本当に生きるために死の代償が必要な世界。
因習というにはあまりにも深く根を降ろした階級制度。
なぜ、なぜ、なぜ、なぜ。
決して答えてもらえない問いを飲み込んでは
言葉をなくすほかない。
胸がつまるような現実を、こんなに美しく綴った小説をほかに知らない。
汚いものや目を背けたくなる現実も避けることなく描きながら、作品の世界がこんなに
美しいのは、文章の力と作者の心の力によるのだと思う。冷酷にさえ思える行動をとる
人物もユーモラスで、どこか憎めない。ユーモアは強さにつながる。神ならぬ人間の希望だ。
何もないところから。
屋根と壁とベッドだけがある小さな家から。
星空の下の露にぬれた草むらから。
心が傷ついたこどもたちも、神の手の中でやすらぐ。
その指先から、きれいなものや
みんなの役にたつものを作り出す。
信じられないほど完璧なできばえ。
「どうして、そんなことができるの。」
「生まれつき、知っていたから。」
それでも神は人間の世界にいられない。
自然は美しいのに。
愛が罪になる世界。
本当に生きるために死の代償が必要な世界。
因習というにはあまりにも深く根を降ろした階級制度。
なぜ、なぜ、なぜ、なぜ。
決して答えてもらえない問いを飲み込んでは
言葉をなくすほかない。
胸がつまるような現実を、こんなに美しく綴った小説をほかに知らない。
汚いものや目を背けたくなる現実も避けることなく描きながら、作品の世界がこんなに
美しいのは、文章の力と作者の心の力によるのだと思う。冷酷にさえ思える行動をとる
人物もユーモラスで、どこか憎めない。ユーモアは強さにつながる。神ならぬ人間の希望だ。
2004年8月22日に日本でレビュー済み
読んだ後で心の奥底に何かを感じさせる本です。目には見えない、強く、美しく、そして悲しい、情熱的な何かです。心で感じる本だと思いますが、著者のアルンダティ・ロイがどのような女性なのかをお知りになると良いかと思います。
2000年12月1日に日本でレビュー済み
カースト問題、大家族制度、警察の腐敗、政治運動、などといったインドの社会問題を多く含みながらも、印象に残るのはあざやかな色彩、南国の風景、雨の匂い、美しい家族といった詩的な情景ばかりなのは、子どもの視点で書かれているからだろうか。子どもの生きている世界は、同じ時間と空間を共有していても、大人の世界とは全然違う。そこには理屈も批判も時間の流れさえもない。子どもは、ただあるがままに目に映し、匂いを嗅ぎ、手触りを感じ、大きな人たちの声を聞き、自分に理解できるほんの少しのことだけを理解して、小さな世界で生きている。小さくて、不自由で、豊かで、幸せな世界。アルンダティ・ロイの、やわらかでユーモアに満ちた文体も、取りとめのない子どもの頭の中をよく表現していて、素晴しい。