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「坂の上の雲」では分からない 日本海海戦 単行本(ソフトカバー) – 2005/4/1
別宮 暖朗
(著)
- 本の長さ349ページ
- 言語日本語
- 出版社並木書房
- 発売日2005/4/1
- ISBN-104890631844
- ISBN-13978-4890631841
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登録情報
- 出版社 : 並木書房 (2005/4/1)
- 発売日 : 2005/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 349ページ
- ISBN-10 : 4890631844
- ISBN-13 : 978-4890631841
- Amazon 売れ筋ランキング: - 760,725位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年7月5日に日本でレビュー済み
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「坂の上の雲」は歴史小説ですからしょせんはエンタで、創作や誇張、事実の隠蔽が行われるのはある意味仕方のないこと。また、著者の司馬遼太郎は軍事評論家ではありませんから、軍事技術の無知を責めるのも酷でしょう。
ただ、「坂の上の雲」が真実の歴史だという誤った認識を持っている人は、ぜひ読んでみると良いと思います。ボロジノ型戦艦の沈没原因を知るだけでも、日本海海戦の真実の姿を知ることができるでしょう。
また、悲劇の敗将ロジェストウェンスキーに対する評価も司馬と違って正則なものだと思います。
ただ、「坂の上の雲」が真実の歴史だという誤った認識を持っている人は、ぜひ読んでみると良いと思います。ボロジノ型戦艦の沈没原因を知るだけでも、日本海海戦の真実の姿を知ることができるでしょう。
また、悲劇の敗将ロジェストウェンスキーに対する評価も司馬と違って正則なものだと思います。
2005年11月8日に日本でレビュー済み
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筆者の指摘する「坂の上の雲の間違い」については、十分に論理的で分かりやすい説明がなされていて納得できる。技術的な裏づけも妥当と思われる。
ディベートであれば筆者の勝ちだが、「坂の上の雲」を意識するあまりオリジナリティに欠けた中途半端なものになってしまっていると感じた。筆者なら、「坂の上の雲」を引き合いに出さなくても、十分語れると思うが、便乗本のような読み口になってしまっていて残念です。
技術読み物として見た場合、エンジニアが出すそれとは毛色が違うと感じた。時代背景、文化も含めたより広い視点から、より客観的に論じている。一方、工学と自然に対する愛がにじみ出ていると言う感じはしなかった。どちらが良いということはないが、私は後者の技術読みものが好きなため、技術読み物としてもいまいちだと感じた。
ディベートであれば筆者の勝ちだが、「坂の上の雲」を意識するあまりオリジナリティに欠けた中途半端なものになってしまっていると感じた。筆者なら、「坂の上の雲」を引き合いに出さなくても、十分語れると思うが、便乗本のような読み口になってしまっていて残念です。
技術読み物として見た場合、エンジニアが出すそれとは毛色が違うと感じた。時代背景、文化も含めたより広い視点から、より客観的に論じている。一方、工学と自然に対する愛がにじみ出ていると言う感じはしなかった。どちらが良いということはないが、私は後者の技術読みものが好きなため、技術読み物としてもいまいちだと感じた。
2008年11月19日に日本でレビュー済み
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本書の目的は単純明快。タイトルにあるとおり司馬遼太郎の『坂の上の雲』の記述を(部分的に)検証し、筆者がなぜ日本がロシアに勝利できたと考えるかを述べている。
では、筆者の検証と批判はあたっているかどうか。本書の記述は非常に奇妙なことに、表面的には司馬=黛(治夫、『海軍砲戦史談』『艦砲射撃の歴史』の著者)を批判しているようで、実は技術的な点については黛の著作をしばしば参照する。両者を比べて読むと自説に都合のいい部分を切り貼りし、さらに小説家宜しく脚色を加えているのが分かるだろう。これは、参考文献として上げている他の書籍についても共通する(全て、とは言わないが)。また批判対象とする『坂の上の雲』の記述も、批判しやすいように主張をねじ曲げてから批判している傾向がある。
また史料という点からも、野村実らが参照している『極秘日露海戦史』など今は簡単に利用できる基本史料すら参照していないため、事実誤認が非常に多い。たとえば、連係機雷について『極秘日露海戦史』を無視して記述しているし、「斉射」を含め砲術に関しての見解は黛の実証的な研究の前にかすんでしまう(黛は、利用史料の限界を自覚しており正直である。「斉射」の発展については黛を第一に参照すべし)。
評者は、『坂の上の雲』の叙述が全て正しいとも思わないし、所詮は小説だと考えている。歴史研究としては、まったく別の描き方があり得る。しかし本書は「ミイラ取りがミイラになる」の好例で、小説を批判しようとして架空戦記を書いてしまった。ネタとして読めば、これほどツッコミどころの多い本も少ない。
では、筆者の検証と批判はあたっているかどうか。本書の記述は非常に奇妙なことに、表面的には司馬=黛(治夫、『海軍砲戦史談』『艦砲射撃の歴史』の著者)を批判しているようで、実は技術的な点については黛の著作をしばしば参照する。両者を比べて読むと自説に都合のいい部分を切り貼りし、さらに小説家宜しく脚色を加えているのが分かるだろう。これは、参考文献として上げている他の書籍についても共通する(全て、とは言わないが)。また批判対象とする『坂の上の雲』の記述も、批判しやすいように主張をねじ曲げてから批判している傾向がある。
また史料という点からも、野村実らが参照している『極秘日露海戦史』など今は簡単に利用できる基本史料すら参照していないため、事実誤認が非常に多い。たとえば、連係機雷について『極秘日露海戦史』を無視して記述しているし、「斉射」を含め砲術に関しての見解は黛の実証的な研究の前にかすんでしまう(黛は、利用史料の限界を自覚しており正直である。「斉射」の発展については黛を第一に参照すべし)。
評者は、『坂の上の雲』の叙述が全て正しいとも思わないし、所詮は小説だと考えている。歴史研究としては、まったく別の描き方があり得る。しかし本書は「ミイラ取りがミイラになる」の好例で、小説を批判しようとして架空戦記を書いてしまった。ネタとして読めば、これほどツッコミどころの多い本も少ない。
2008年6月13日に日本でレビュー済み
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司馬遼太郎が嫌いなのだろうが、「坂の上の雲」という小説に対してディベートを仕掛けている。本当に司馬が現実と異なる記述を行ったかもしれないことは著者の調査でも分かるが、著者が言う「事実」は憶測であり残念であった。調査に関しては別の見方が読めて面白かったので星二つとした。
技術的な部分、例えば主砲の射程、艦の性能など間違いが多く、技術的な考察がなされていない。どなたかが技術的としている事項は、データの裏づけ(これが重要であると思う)がなく、一つの可能性を指していると思われる。
戦史ものなどに良く登場する現場を知らない将校が、机上の理論のみで作戦を立案している。そういうものが、書物としてではあるが現実に出現している事に驚いた。
技術的な部分、例えば主砲の射程、艦の性能など間違いが多く、技術的な考察がなされていない。どなたかが技術的としている事項は、データの裏づけ(これが重要であると思う)がなく、一つの可能性を指していると思われる。
戦史ものなどに良く登場する現場を知らない将校が、机上の理論のみで作戦を立案している。そういうものが、書物としてではあるが現実に出現している事に驚いた。
2005年5月31日に日本でレビュー済み
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私も「坂の上の雲」から日露戦争に入った者の一人である。
司馬遼太郎は優れた小説家であると、現在でも考えている。ただし、彼は小説家であり、軍事評論家ではなかった。彼は基本的に近代以前を題材としていた人間であり、時代の影響からか、軍事オンチであったのは確かである。
司馬が小説家として作り上げてしまった物語には、多くの間違いがあることをこの本は指摘している。小説とはいえ「坂の上の雲」の影響を考慮すれば、これらの誤りは誰かが正す必要があった。別宮氏がこれを果たしたということだろう。
ロシアのマカロフ提督は水兵上がりであると、司馬遼太郎は書いた。私は他の本でも同様な記述を見ている。どうもそのような伝説があったのは事実らしい。であるが、この本によるとマカロフは日本でいうところの防衛大学の出身であったらしい。水兵あがりの方が確かに小説としては面白い。しかし、それが史実とされてしまうのは問題である。
日露両軍の射撃、砲の発射速度、ロシア艦隊の隊形、ロジェストウェンスキー提督、ネガボトフ提督の評価、などなど、一見の価値はある。
著者は非常に多くの資料、特に可能な限りの一次資料に当たってこの本を書いたようである。
資料としての価値は前作「坂の上の雲ではわからない旅順攻防戦」よりも上だろう。
司馬遼太郎は優れた小説家であると、現在でも考えている。ただし、彼は小説家であり、軍事評論家ではなかった。彼は基本的に近代以前を題材としていた人間であり、時代の影響からか、軍事オンチであったのは確かである。
司馬が小説家として作り上げてしまった物語には、多くの間違いがあることをこの本は指摘している。小説とはいえ「坂の上の雲」の影響を考慮すれば、これらの誤りは誰かが正す必要があった。別宮氏がこれを果たしたということだろう。
ロシアのマカロフ提督は水兵上がりであると、司馬遼太郎は書いた。私は他の本でも同様な記述を見ている。どうもそのような伝説があったのは事実らしい。であるが、この本によるとマカロフは日本でいうところの防衛大学の出身であったらしい。水兵あがりの方が確かに小説としては面白い。しかし、それが史実とされてしまうのは問題である。
日露両軍の射撃、砲の発射速度、ロシア艦隊の隊形、ロジェストウェンスキー提督、ネガボトフ提督の評価、などなど、一見の価値はある。
著者は非常に多くの資料、特に可能な限りの一次資料に当たってこの本を書いたようである。
資料としての価値は前作「坂の上の雲ではわからない旅順攻防戦」よりも上だろう。
2009年5月10日に日本でレビュー済み
司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」を読んだ方は多いと思う。しかし、司馬氏はあくまでも小説家である。物語を劇的にするため、光る人と対称的に不当に貶められる人がいる。また、軍事的なアドバイスを専門家に求めなかったためか、軍事面での解釈の誤りが多い。
艦隊司令長官に(閑職だった)東郷平八郎が(幸運にも)起用されたこと、日本海海戦での日本艦隊の砲弾の命中精度が(訓練によって)高かったこと、戦闘中に砲撃を中止して(のんびりした艦隊ダンスをして)何度も旋回を繰り返したこと等について、すべて司馬氏の解釈を否定して明確に軍事的理由を述べている。
別宮氏の軍事知識には脱帽するばかりである。興味のある方は、別宮氏のサイトを参照されたい。
艦隊司令長官に(閑職だった)東郷平八郎が(幸運にも)起用されたこと、日本海海戦での日本艦隊の砲弾の命中精度が(訓練によって)高かったこと、戦闘中に砲撃を中止して(のんびりした艦隊ダンスをして)何度も旋回を繰り返したこと等について、すべて司馬氏の解釈を否定して明確に軍事的理由を述べている。
別宮氏の軍事知識には脱帽するばかりである。興味のある方は、別宮氏のサイトを参照されたい。
2005年7月21日に日本でレビュー済み
まったく申し分のない本である。こういう本に出会えるとミリタリー好きでよかったと思う。
「坂の上の雲」のファンのためにフォローしておくと、同書の根本テーマである明治の日本人は偉かった、それに比べて昭和の日本人はダメになった、ということを否定しているわけではない。ただ、どう偉かったのかというディティールの間違いを指摘している。
ひとつひとつを時系列で解きほぐしていくにしたがって、技術的な問題が人間模様と絡み合い、奥深いドラマとして浮かびあがってくる快感は、類書にはないものである。
特に意外だったエピソードをあげると、日清戦争で日本が戦艦をそろえられないため、速射砲を搭載した巡洋艦を多数をそろえて対抗し清国の定遠・鎮遠に勝ったことは知っていたが、この事実にこだわって日露戦争で結果的に失敗したのが、成功体験をもつ日本ではなくロシアだったということ。
それから、ロジェストウェンスキーのキャラクターについては、マレー沖海戦で戦死したイギリスのフィリップスのような"わからずや"のイメージがあったのだが、実像は意外と日本人好みの(頑固ではあるけれども)孤高の軍師といった知的なイメージだったのが興味深かった。
それと、秋山真之の手柄は意外なほど評価されていない。著者は前著での乃木司令部でもそうだったが、あくまでもチームの勝利ととらえているようだ。これも「各々その所を得さしむ」の日本人にあった評価だと思うのだが、やはり一般大衆はヒーローが活躍するほうを好むようだ。
「坂の上の雲」は来年ドラマ化されるということだが、少なくとも技術的な観点は本書の成果を取り入れて欲しいと思うのだが・・
「坂の上の雲」のファンのためにフォローしておくと、同書の根本テーマである明治の日本人は偉かった、それに比べて昭和の日本人はダメになった、ということを否定しているわけではない。ただ、どう偉かったのかというディティールの間違いを指摘している。
ひとつひとつを時系列で解きほぐしていくにしたがって、技術的な問題が人間模様と絡み合い、奥深いドラマとして浮かびあがってくる快感は、類書にはないものである。
特に意外だったエピソードをあげると、日清戦争で日本が戦艦をそろえられないため、速射砲を搭載した巡洋艦を多数をそろえて対抗し清国の定遠・鎮遠に勝ったことは知っていたが、この事実にこだわって日露戦争で結果的に失敗したのが、成功体験をもつ日本ではなくロシアだったということ。
それから、ロジェストウェンスキーのキャラクターについては、マレー沖海戦で戦死したイギリスのフィリップスのような"わからずや"のイメージがあったのだが、実像は意外と日本人好みの(頑固ではあるけれども)孤高の軍師といった知的なイメージだったのが興味深かった。
それと、秋山真之の手柄は意外なほど評価されていない。著者は前著での乃木司令部でもそうだったが、あくまでもチームの勝利ととらえているようだ。これも「各々その所を得さしむ」の日本人にあった評価だと思うのだが、やはり一般大衆はヒーローが活躍するほうを好むようだ。
「坂の上の雲」は来年ドラマ化されるということだが、少なくとも技術的な観点は本書の成果を取り入れて欲しいと思うのだが・・