この作品に出会ったのは、NHK-FMのラジオドラマでのこと。
青春学園生活を送る主人公たちの前に現れたカメラ・オブスキュラ、こっくりさん、水族館、そして……
主人公たちが日常として送っていた高校生活が、ゆっくりと崩れていきます。
既知の論理枠では収まらないような、じわじわと浸透してくる、透明で底の見えない怖さがあります。
何にインスパイアされたらこんな世界を描けるのか、全く不思議です。
ラジオドラマでヒロインの良子役だった國府田マリ子さんの真に迫った悲痛な叫び声が今でも忘れられません。
ライトノベルという軽いジャンルでは括れない、ある種の奇書と言えます。
他の方も書いているように、読後のやるせなさをどうしたらよいのか、そんな迷作です。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
アクアリウムの夜 (ロサ・ミスティカ叢書) 単行本 – 1990/8/1
稲生 平太郎
(著)
- 本の長さ266ページ
- 言語日本語
- 出版社水声社
- 発売日1990/8/1
- ISBN-104891762357
- ISBN-13978-4891762353
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 水声社 (1990/8/1)
- 発売日 : 1990/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 266ページ
- ISBN-10 : 4891762357
- ISBN-13 : 978-4891762353
- Amazon 売れ筋ランキング: - 91,231位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 25,383位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと不気味な導入からはじまり、徐々に侵食されていく日常の描写は面白かったし、怖かった。ただ、ラストのうやむや感が残念。
ホラーものは曖昧な感じで終わることはよくあるので、それ自体が悪い訳ではない。ただ、色々な要素が一気にブツンと途切れてしまい、恐怖の余韻みたいなものが残らなかった。
ホラーものは曖昧な感じで終わることはよくあるので、それ自体が悪い訳ではない。ただ、色々な要素が一気にブツンと途切れてしまい、恐怖の余韻みたいなものが残らなかった。
2015年9月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても探していた本だったので 思ったより綺麗で手に入り感謝しております。
2019年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はじめに書肆風の薔薇のロサ・ミスティカ叢書より出版されました。
ロサ・ミスティカ叢書はルドルフ・シュタイナーの翻訳を主とする神智学の叢書です。
「これがなぜスニーカー文庫に?」と思うところはあるものの、入手困難となってしまった本書がKindleで手に入るのは嬉しいことです。
物語は、いわゆるライトノベルめいた文体、青春小説のような体裁で始まりますが、徐々に物語は変容し、ミステリや怪奇的雰囲気を帯び、幻想小説として終わります。
文体も内容も様々に変容する、ある意味ではキメラめいた奇書です。
冒頭だけ読んでだまされないように……
ロサ・ミスティカ叢書はルドルフ・シュタイナーの翻訳を主とする神智学の叢書です。
「これがなぜスニーカー文庫に?」と思うところはあるものの、入手困難となってしまった本書がKindleで手に入るのは嬉しいことです。
物語は、いわゆるライトノベルめいた文体、青春小説のような体裁で始まりますが、徐々に物語は変容し、ミステリや怪奇的雰囲気を帯び、幻想小説として終わります。
文体も内容も様々に変容する、ある意味ではキメラめいた奇書です。
冒頭だけ読んでだまされないように……
2016年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何年前だったかな、青春アドベンチャーてラジオ番組でこの「アクアリウムの夜」を聞いたんだけど、
そっちのほうが怖かった。特にラスト。自分は滅多なことじゃ怖がらないんだが、ゾゾッとした。
後味が最悪だったのを覚えている。続きがあるなら是非とも読みたかったのだが、残念ながらないようだ。
この結局どうなったのかわからない、モヤモヤっとした感じがいいのかね。自分はこういうのは好かない。
そっちのほうが怖かった。特にラスト。自分は滅多なことじゃ怖がらないんだが、ゾゾッとした。
後味が最悪だったのを覚えている。続きがあるなら是非とも読みたかったのだが、残念ながらないようだ。
この結局どうなったのかわからない、モヤモヤっとした感じがいいのかね。自分はこういうのは好かない。
2011年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なんとも、やるせない読後感を味わえる一冊。
やはりこういう中高校生が主人公の作品は、十代の頃に読むべきだった。
もっと早く出会えていられれば、まったく違う感想が持てただろう。
あとがきにもあるが、確かに地味な印象は捨てきれない。
だが、そう。本当に、思う。あとがきと内容が重複するが、十代の頃に読みたかったと。
あとがきにあった以上にそう感じるのは。いや、あとがきと同じことを書いてしまうのは。
この本の持つ、ちからなのかも知れない。そう、僕の、君の頭の中に取り憑くんだ――
やはりこういう中高校生が主人公の作品は、十代の頃に読むべきだった。
もっと早く出会えていられれば、まったく違う感想が持てただろう。
あとがきにもあるが、確かに地味な印象は捨てきれない。
だが、そう。本当に、思う。あとがきと内容が重複するが、十代の頃に読みたかったと。
あとがきにあった以上にそう感じるのは。いや、あとがきと同じことを書いてしまうのは。
この本の持つ、ちからなのかも知れない。そう、僕の、君の頭の中に取り憑くんだ――
2006年8月24日に日本でレビュー済み
中高生向けの小説なんて書いたことも書く気も無かった人に、
無理矢理ジュブナイルっぽい一人称で書かせたような文体で読みづらい。
台詞の口調も変。おじいちゃんが漠然と抱いてる若者の印象で書いているような感じ。
別にバッドエンドも嫌いじゃないけど、散々引っ張っておいて
どの謎にも何の解答もヒントも出さないまま投げっぱなしで終わるというのも酷い。
この後味の気持ち悪さは黒沢清の映画にちょっと似てる。
無理矢理ジュブナイルっぽい一人称で書かせたような文体で読みづらい。
台詞の口調も変。おじいちゃんが漠然と抱いてる若者の印象で書いているような感じ。
別にバッドエンドも嫌いじゃないけど、散々引っ張っておいて
どの謎にも何の解答もヒントも出さないまま投げっぱなしで終わるというのも酷い。
この後味の気持ち悪さは黒沢清の映画にちょっと似てる。
2003年9月14日に日本でレビュー済み
薄暗い水族館の中、水槽の青い光を受けて物憂げに佇む少年。
そんな表紙を気に入ってジャケ買いしてしまいましたが、大変面白かったです。
少年少女たちの穏やかな青春、その日々に暗い影を落とし始めるこっくりさん、ラジオのノイズから聞こえる呼び声、水族館の地下への階段。
ありふれたモチーフのようにも思えるけど、物語全体に漂うノスタルジックな雰囲気によって、むしろ在りし日の良質な青春ホラーを思い起こさせてくれる魅力があります(この小説自体、結構前に書かれた物らしいですが)。そして、断片的に真相が見え隠れするものの解かれないまま姿を消す謎と、取り残される主人公の少年。謎が解かれずに終わるといっても不満を残すような終わり方ではなく、やるせない喪失感が後を引いてとても印象に残る結末です。
そんな表紙を気に入ってジャケ買いしてしまいましたが、大変面白かったです。
少年少女たちの穏やかな青春、その日々に暗い影を落とし始めるこっくりさん、ラジオのノイズから聞こえる呼び声、水族館の地下への階段。
ありふれたモチーフのようにも思えるけど、物語全体に漂うノスタルジックな雰囲気によって、むしろ在りし日の良質な青春ホラーを思い起こさせてくれる魅力があります(この小説自体、結構前に書かれた物らしいですが)。そして、断片的に真相が見え隠れするものの解かれないまま姿を消す謎と、取り残される主人公の少年。謎が解かれずに終わるといっても不満を残すような終わり方ではなく、やるせない喪失感が後を引いてとても印象に残る結末です。