情報量の多さに驚く。まずは、これだけの分厚い本を遺してくれた著者に感謝したい。相当な労力だったと思う。
翻訳は、直訳したと思われる部分が散見されるが、これだけのボリュームだから日本語で読めるだけでもありがたい。
全体を通しては美談にまとまっている。特に晩年のほうは誇張もあるかとは思う。
しかし、一人のリスナーが、ファンとして一生をかけて追い続けたジャズ・ピアニストの姿がある。
本人や関係者の証言も随所に組み込まれており、言葉を追うだけでも感慨深い。
個人的には、21章目のタイトルに添えられている、次の言葉が印象に残った。
「脳天に届く衝撃を好み、十分衝撃を受けてようやく何かを感じる人もいる。
でもなかには内面に入って、何か、もしかしたら豊かさなどを探したい人々もいる。」(ビル・エヴァンス)
巻末資料として、ビルが参加した全てのセッションのアルバムが紹介されているから、特に初期のものは参考になる。
ビル・エヴァンスの作品は概ね理解していて、より深く知りたくなった時に、この本は決定的な一冊になると思う。
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ビル・エヴァンス: ジャズ・ピアニストの肖像 単行本 – 1999/12/1
- 本の長さ362ページ
- 言語日本語
- 出版社水声社
- 発売日1999/12/1
- ISBN-104891764104
- ISBN-13978-4891764104
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
白人ジャズ・ピアニストの最高峰、ビル・エヴァンス。生い立ち、ジャズとの出会い、プロとしてのデビュー、ドラッグとの関わり、そして早すぎる死まで、その生涯と音楽の変遷を辿る。未公開写真、ディスコグラフィー収録。
登録情報
- 出版社 : 水声社 (1999/12/1)
- 発売日 : 1999/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 362ページ
- ISBN-10 : 4891764104
- ISBN-13 : 978-4891764104
- Amazon 売れ筋ランキング: - 606,121位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 280位ジャズ
- - 27,289位楽譜・スコア・音楽書 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2003年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当たり前のことではあるが、どれだけ彼の人生や彼の実生活を克明に記録したとしても、彼の奏でる音がなぜあれほど美しいのか、という説明にはならないし、簡単に因果関係を作ってもいけない。
ただ、読者(同時に彼のピアノの聴き手)が読むのは、彼のボロボロの人生と、本当の音を求め続ける悲しいまでの彼の欠乏感である。
そこにどのような因果があるかはわからないが、その対比は我々の胸を打つ。
もちろん、彼のピアノを聴きながら、読むべきでしょう。
ただ、読者(同時に彼のピアノの聴き手)が読むのは、彼のボロボロの人生と、本当の音を求め続ける悲しいまでの彼の欠乏感である。
そこにどのような因果があるかはわからないが、その対比は我々の胸を打つ。
もちろん、彼のピアノを聴きながら、読むべきでしょう。
2008年6月18日に日本でレビュー済み
ビルエバンスの歴史をひもとくにも、一番、頼りになる本だ。また、翻訳が出版されたことは何よりうれしい。関係者の苦労はいかばかりかと思う。
mixiサイトで、問い合わせがあったとき、すぐにこれをひいて見る。
CDのライナーノーツには描かれていなかった新発見に満ち満ちていえる。
mixiサイトで、問い合わせがあったとき、すぐにこれをひいて見る。
CDのライナーノーツには描かれていなかった新発見に満ち満ちていえる。
2000年11月4日に日本でレビュー済み
待ち望まれていたビル・エヴァンスの伝記がとうとう出た。朝日新聞の書評は、筆者が一度もエヴァンスに会ったことがないという記述に早とちりしたのか、実人生に深入りしない態度が潔い、などと、とんちんかんなものだった。
エヴァンスとドラッグの関係など、新知見は多い。初めて来日したとき同伴した新妻との関係など、驚いたというかなかば呆然としてしまった。 翻訳はとても読みやすい。第1刷にあった固有名詞の誤訳(例えば作曲家のミヨーがミルホードなど)が第2刷りでかなり訂正されている。監訳者の名前が挙がっているが、どうやらクラシックには疎いらしい。
とにかくビル・エヴァンスのファンにとって必読書と思う。今年2月のJazz Journal Internationalでも某評論家が、この1年の最高の収穫、と書いている。お薦めします。
エヴァンスとドラッグの関係など、新知見は多い。初めて来日したとき同伴した新妻との関係など、驚いたというかなかば呆然としてしまった。 翻訳はとても読みやすい。第1刷にあった固有名詞の誤訳(例えば作曲家のミヨーがミルホードなど)が第2刷りでかなり訂正されている。監訳者の名前が挙がっているが、どうやらクラシックには疎いらしい。
とにかくビル・エヴァンスのファンにとって必読書と思う。今年2月のJazz Journal Internationalでも某評論家が、この1年の最高の収穫、と書いている。お薦めします。