時代的な状況もあってか、著者が薬物をかなりやっていたということを知り、眉唾ものかなと思っていたため、しばらく「積ん読」していました。
後書きに、かつての日本語版で鈴木大拙師が序文を書いていたということで、やっと手が出ました。
読んでみての感想ですが、他のレビュアーのコメントにもありますように、引き込まれる内容でした。一なるもの、心、そして真理を探究して行く際の諸問題が幅広く検討されています。それも、特定の立場から固定的に説くのではなく、可能な限り普遍的な表現で説明されています。そのため、術語に関する知識や、論旨展開上のお約束も必要ないので、無用な思考ロスがなく、すっきりと大事なポイントを受け取れます。
また、著者の我が理論に導こうというエゴは余り感じられず、一なるものと出会った先人の残した言葉をちりばめた、アンソロジーという形式であり、それらの言葉を噛み締めながら読み進むだけで、深い瞑想(一なるものの観照)に導かれて行きます。
この本を読みながら、簡便な瞑想法をひらめきました。端坐して心身が落ち着いたら、出息で「い〜ち(一)」と念じ、入息で「む〜(無)」と念じる、というものです。。「一なるもの」は対象を持たないので、畢竟するところ、無に同じと見做せることに着目して、一と無の間を行きつ戻りつして、固定観念を破砕しようというものです。効果や安全は保障できませんので、実行は私限りでオススメしませんが、私として個人的に、何をするべきか、法然上人の言う「選択」ができた、ということが本書の力ということをお伝えしたく、実例を以てお示しした次第です。
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永遠の哲学: 究極のリアリティ (mind books) 単行本 – 1988/3/15
オルダス ハクスレー
(著),
中村 保男
(翻訳)
- 本の長さ518ページ
- 言語日本語
- 出版社平河出版社
- 発売日1988/3/15
- ISBN-104892031429
- ISBN-13978-4892031427
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登録情報
- 出版社 : 平河出版社 (1988/3/15)
- 発売日 : 1988/3/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 518ページ
- ISBN-10 : 4892031429
- ISBN-13 : 978-4892031427
- Amazon 売れ筋ランキング: - 136,907位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2007年7月16日に日本でレビュー済み
この本は『知覚の扉』『すばらしい新世界』『島』『恋愛対位法』等の著書で有名な
オルダス・ハクスリーが古今東西の神秘思想家たちによる言葉を、様々なテーマに分類、
紹介し、彼自身のコメントをつけたものである。
各章をいくつか紹介すると以下のとおり。
汝はそれなり/人格・聖性・神の化身/仁愛/心理/恩寵と自由意志/善と悪/時間と永遠
救い・解脱・悟り/沈黙/祈り/苦しみ/信/奇蹟/儀式・象徴・秘蹟/観照・行動・社会的効用
等々である。
引用は、西はドイツの神秘学者エックハルト、聖アウグスティヌス、十字架の聖ヨハネ
聖フランソワ・ド・サール、イスラム神秘主義詩人のルーミー、レイズブルーク、他
東は荘子、老子、永嘉、インド古代叙事詩「バガヴァッド・ギーター」等
「哲学」というテーマを読むと難しそうだが、決してそうではなく、誰もが抱える心の
不安を賢人たちの言葉によって分析し、「そうだったのか」と納得させる本。
例えば「仁愛」の項を一部紹介すると、
「魂はみずから生気あらしめている肉体の中よりも、むしろ自らが愛しているものの中に
住む。なぜなら、魂は肉体の中に生命を有しているのではなく、むしろ肉体に生命を与え、
自らが愛しているものの中に生きるからである(十字架の聖ヨハネ)」
この本を購入したのはもう随分昔だが、今も繰り返しページを捲りたくなる。
全ての時代を通して、人の目からウロコを落とす、そんな本のひとつであると思う。
オルダス・ハクスリーが古今東西の神秘思想家たちによる言葉を、様々なテーマに分類、
紹介し、彼自身のコメントをつけたものである。
各章をいくつか紹介すると以下のとおり。
汝はそれなり/人格・聖性・神の化身/仁愛/心理/恩寵と自由意志/善と悪/時間と永遠
救い・解脱・悟り/沈黙/祈り/苦しみ/信/奇蹟/儀式・象徴・秘蹟/観照・行動・社会的効用
等々である。
引用は、西はドイツの神秘学者エックハルト、聖アウグスティヌス、十字架の聖ヨハネ
聖フランソワ・ド・サール、イスラム神秘主義詩人のルーミー、レイズブルーク、他
東は荘子、老子、永嘉、インド古代叙事詩「バガヴァッド・ギーター」等
「哲学」というテーマを読むと難しそうだが、決してそうではなく、誰もが抱える心の
不安を賢人たちの言葉によって分析し、「そうだったのか」と納得させる本。
例えば「仁愛」の項を一部紹介すると、
「魂はみずから生気あらしめている肉体の中よりも、むしろ自らが愛しているものの中に
住む。なぜなら、魂は肉体の中に生命を有しているのではなく、むしろ肉体に生命を与え、
自らが愛しているものの中に生きるからである(十字架の聖ヨハネ)」
この本を購入したのはもう随分昔だが、今も繰り返しページを捲りたくなる。
全ての時代を通して、人の目からウロコを落とす、そんな本のひとつであると思う。