~何と言ってもそのファニーなタイトルだ。
この本では様々な「少年」たちの世界が描かれている。そしてこれらの世界にはキラキラとした儚い輝きにもまして、逃れようのない不安のようなものが常に付きまとっている。この不安感、これは何なのだろう。
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あとがきにおいて、鈴木翁二は少年というのを「必然幻想を育んでいる、なんだかあやうい生き物」の様に書いている。それは正しいのだろう。少年は常に成長をする。この時期の成長とは幻想とサ実の邂逅の過程である。少年たちは自らの世界(幻想)を壊されることで、新しい世界(現実)を獲得してゆく。この本を貫く漠然とした不安感はそこに由来するのだと思~~う。そしてこの不安感は、まだ駆け出しだった著者の心中の葛藤とシンクロし、このような奇跡的な密度を持った作品が生まれた。
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「この本に集った少年達は(中略)他人との契約によってではなく、他人からの恐怖のために突き動かされます。彼等少年たちは、他人に向けて自分を合理化して表すことに、そしてそのことの制度化に失敗した者たちだからです」(あとがきより)~
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少年が夜になるころ (珈琲文庫―鈴木翁二作品集 (4)) (珈琲文庫 4 鈴木翁二作品集 1) 単行本 – 2003/6/24
鈴木 翁二
(著)
先行不明の焦燥と不安。幻想を漂流する少年たちの描く、無頼派漫画家、鈴木翁二の世界へどうぞ。
- 本の長さ145ページ
- 言語日本語
- 出版社ふゅーじょんぷろだくと
- 発売日2003/6/24
- ISBN-104893933485
- ISBN-13978-4893933485
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登録情報
- 出版社 : ふゅーじょんぷろだくと; 新装改訂版 (2003/6/24)
- 発売日 : 2003/6/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 145ページ
- ISBN-10 : 4893933485
- ISBN-13 : 978-4893933485
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,452,555位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年4月21日に日本でレビュー済み
収録作品は、少年夢遊篇 幻逃記 じごく 花嫁 さかさま エミリイさんの子 歌の町 あ・し・た。筆者が月刊ガロ誌上で読んだことのあるものは幻逃記である。この本のイメージにはそぐわない仕事・生活・女性関係に疲れた男の胎内回帰の物語である。人間は海から生まれた。猥褻スライド画の中の女性の胎内に消えてしまうシュールな話。退廃的なアベシンの短編集にも似ている。つげ義春の妄想にも似ている。青春の物語なのかもしれない。少年夢遊篇は、一人暮らしの青年が、ガラスの容器を古道具屋で見つけ購入し、友人の家を訪れ、留守宅で闇の恐怖に息を殺す。古本屋のレジの美しい娘や顔馴染みの食堂の女性等つげの世界に似る。じごくは、子供の記憶、友人やその姉、性の目覚めなどが描かれる。あ・し・たは暴風をシュールに描く。その他の作品は銀のハーモニカとだぶっている。林静一の「花ちる町」のような味わいの作品もある。
2021年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よくわからなかった・・
最初と最後があって、途中の話が抜け落ちてるような感じ?
最初と最後があって、途中の話が抜け落ちてるような感じ?