著者の寺澤有氏は警察の不正を執念深く追及するジャーナリストである。その原点には高校生の時に体験した警察の理不尽な交通取締りへの憤りがあると告白する。「その取締りから10年以上たった今でさえ、現場にいた警察官3名の顔と名前はハッキリ覚えている」と述べる(102頁)。
記者は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実(隣地建て替えなど)を説明されずに問題物件を騙し売りされた。不都合な事実を隠して問題物件を騙し売りする詐欺的商法と泣き寝入りを迫る不誠実さには激しい憤りを抱いた。その憤りが市民記者活動の出発点にもなっている。それ故に著者の憤りと、その後の警察不祥事報道への執念は非常に理解できる。
往々にして世の中を変える原動力は個人的な体験に基づく私憤である。過去を水に流すことを是とする非歴史的な民族性を特色とする日本では、過去を忘れて心機一転する人を度量があると持ち上げる傾向があるが、そのような人間ばかりでは反省も改善も進歩もない。焼け野原から経済大国にしてしまう前に進むことしかできない発想は随所で行き詰まりを見せている。理不尽なことに対しては理不尽であると言い続けることが大切である。
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警察庁出入り禁止 単行本 – 1994/12/1
寺澤 有
(著)
- 本の長さ269ページ
- 言語日本語
- 出版社風雅書房
- 発売日1994/12/1
- ISBN-104894240440
- ISBN-13978-4894240445
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
この2年間ばかりの間に著者が各所で発表してきた警察のスキャンダルや疑惑などをあばく記事を1冊の本にまとめたもの。警察庁長官へのパチンコ疑惑をはじめとする内容。
登録情報
- 出版社 : 風雅書房 (1994/12/1)
- 発売日 : 1994/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 269ページ
- ISBN-10 : 4894240440
- ISBN-13 : 978-4894240445
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,669,738位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 204位警察・消防
- - 844位社会学の論文・講演集
- - 1,072位行政・官公庁
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著者について
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1967年2月9日、東京生まれ。大学在学中の1989年からジャーナリストとして、警察や検察、裁判所、弁護士会、会計検査院、防衛省、記者クラブ、大企業などの聖域となりがちな組織の腐敗を追及しはじめる。2009年、版元「インシデンツ」を設立し、代表者。2014年、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」から「100人の報道のヒーロー」として日本人で唯一表彰された。著書に『警察庁出入り禁止』(風雅書房)、『報道されない警察とマスコミの腐敗』(インシデンツ)、『安倍晋三秘書が放火未遂犯とかわした疑惑の「確認書」』(同)、『隠蔽された無罪の証拠 東電OL殺人事件』(同)、『記者クラブとは』(同)、『本当にワルイのは警察』(宝島社)などがある。
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