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文明の接近 〔「イスラームvs西洋」の虚構〕 単行本 – 2008/2/25
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- ISBN-104894346109
- ISBN-13978-4894346109
- 出版社藤原書店
- 発売日2008/2/25
- 言語日本語
- 本の長さ298ページ
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商品の説明
著者からのコメント
【日本の読者へ】
----この本がどのような論争のきっかけになって欲しいと、お考えなのですか。それから、日本の観点が重要であるのはどのような点においてなのですか。
この本の目的は、人類がいくつかの部分に分割されているとする見方を拒否することであり、とりわけ本書は、現在定着しつつある、近代性とは西洋固有の事柄であるとする一種西洋主義イデオロギーともいうべきものと闘うものです。このイデオロギーはもちろん、西洋の対極にイスラームを置き、人類の中のイスラームという部分には、近代化の能力もなければ、民主主義を実現する能力もなく、発展の能力もないとするのです。
それに対して本書は、イスラーム諸国とキリスト教系の諸国との間に存在する差異は、本質的な、本性上の違いではなく、時間的ずれに由来する差異であることを示そうと努めています。イスラーム諸国に大きな遅れがあることは明らかです。
日本についてですが、日本は近代性の観念をヨーロッパの独占から救い出した国ですから、日本もしくは日本的観点はこの論争の中で重要な役割を果たします。ヨーロッパからは、日本という国は常軌を逸脱した存在と見られていました。日本の発展への努力は、一時は憫笑を誘ったものです。日本はヨーロッパ諸国と同じように移行期危機を経験しましたが、あくまでも外の国として扱われました。
現在、現段階においては----この点は本書の中で記しましたが----日本の近代性に異議を唱えようとするものは誰一人いないでしょう。日本の近代性は単なる西洋化にすぎないと言う者は、いないでしょう。誰にとっても、日本は近代的でしかも日本的である、というのは明らかです。日本は日本のままであっても、なおかつ日本の民主主義的制度機構が存在すること、日本の科学技術能力の優れていることに、異議を唱える者はだれもいないでしょう。
----それではあなたは、日本人に何を期待されるのですか。
日本に対する私の態度は常に同じです。つまり私個人としては、日本がもっと論争に介入して発言してくれるのが好ましいのです。だからと言って、発展という観点からは全体として非常に遅れているイスラーム圏を、日本と類似した存在として示そうという積りではありません。そんなことは全く考えられません。そうではなく、日本人は、論争に介入して、西洋人----つまり欧米人----に対して近代性は彼ら西洋人だけのものではないということを「思い起こさせる」のに、とりわけ絶好の立場にある、と思うのです。西洋以外にも、発展し、近代化する能力を有する大文化がいくつもあり、それは西洋の色あせたコピーであるに違いないなどと考えざるを得ないいわれは少しもないのです。
----あなたは日本とは特別な関わりがあるようにお見受けしますが。
私が特別な関わりを持つ国というのは、実は二つあります(あくまでも個人的なレベルの話で、フィールド・リサーチや特殊な知識のレベルで関わりがあるわけではありません)。一つは日本で、これは私が行ったことのある国です。もう一つはイランで、私は行ったことはありませんが、大勢のイラン人と議論をするに至った経緯があります。
日本とイランは非常に異なります。気質も違います。しかし私のフランス人としての観点からすると、この二つの文化は、非常に古い文化であり文明でありながら、近代化の過程を歩み始めた文明なのです。この類似にはしばしば心を打たれました。
(エマニュエル・トッド−Emmanuel Todd/歴史学者)
(聞き手=イザベル・フランドロワ)
"藤原書店PR誌『機』2008年2月号より抜粋"
出版社からのコメント
欧米のイスラーム脅威論の虚構を暴き、独自の人口学的手法により、イスラーム圏の現実と多様性に迫った画期的分析!
レビュー
欧米のイスラーム脅威論の虚構を暴き、独自の人口学的手法により、イスラーム圏の現実と多様性に迫った画期的分析! --PR誌『機』
登録情報
- 出版社 : 藤原書店 (2008/2/25)
- 発売日 : 2008/2/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 298ページ
- ISBN-10 : 4894346109
- ISBN-13 : 978-4894346109
- Amazon 売れ筋ランキング: - 217,549位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,846位投資・金融・会社経営 (本)
- - 43,867位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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それらの指標で様々な国家が先進国の状態に近くなっていく過程は様々であり、現時点での到達点の違いが
衝突に見えるという論旨は衝撃的ですらありました。トッドの母国であるフランスも昔は野蛮だったというくだりは
なるほどとうなずいてしまいました。
しかしながら先進国の状態に対してトッドは評価していないように思います。(読み方が浅いかな)
テーマに対しては不要なことだったのでしょう。その点は彼の他の著作に当たってみようと思います。
素人が見ても、ドット氏の説明には穴が沢山あります。
それは統計資料と取り上げている史実にも存在すると思います。
ただ出生率と識字率の変化がその時に普及している家族制度の激変と
その時代の社会制度を揺すぶり、彼の言う「移行期危機」を生む
と言う主張には説得力があります。
今のイスラム社会特にアラブ諸国の危機を説明する。
残念ながら「隷属への道」と同じような臭みを持っている。
「文明の衝突」へのアンチテーゼを意識しすぎている結果でしょうね。
ヨーロッパからのアメリカ批判でしょう。
彼に聞くとすれば、ヨーロッパやアメリカ内部のイスラム社会で生まれる
イスラム原理主義 をどうとらえているのかでしょうね。
某大国は常に対立軸を設定しようとしているしか思えないのである。
9.11以降は特にそうではないだろうか?
そんな対立が不要である事を本書は綴っている。
識字率、幼児死亡率、人口動態、家族形態、結婚形態、出生調整等を指標に世界の動きを解析する。
個々の国、宗教や宗派の違いを超えて存在するある種普遍的な世界の流れが明らかな様に思う。
分類し、分離し、差別化しようとする流れに対して、毅然と我々は対抗する事が望まれているのだろう。
備忘録的メモ
自分達の通った道をこれから辿ろうとしている国々を、驚きの念を持って、さらには上の者が下の者を見下す態度で、眺めるわけである。このような展望の誤りは、歴史的自覚の水準がきわめて低いということがヨーロッパやアメリカ合衆国の特徴であるという秘密を暴露してみせるものだ。
近代化の衝撃は女性識字化と性行動の変貌によって男性優位の原則(権威関係)の崩壊により激しさを増す。
イスラーム教は人口動態に影響を与えない(結論)
今日、経済のグローバル化によって不安に陥った世界においては、分類し、分離し、そしてもちろん断罪しようとする誘惑は強い。それに、人々の精神の中に文明の衝突というイメージがどっかと腰を据えると、得をする大国もあれば、研究者もいる。この文明の衝突なるものの下には、経済的衝突の潜在的な暴力性が隠れているのである。人口学は、このような道具化された偏執病から人々を解き放ち、もっと先まで進むことを許してくれる。世界各地の住民は、文明と宗教を異にするけれども、収斂の軌道に乗っている。出生率指数の収斂は、われわれが将来へと、それも近い未来へと想いを馳せることを許してくれるのである。その近い将来においては、文化的伝統の多様性は、もはや衝突を生み出すものと知覚されぬようになり、単に人間の歴史の豊かさを証言するものとなるだろう。
訳者解説
「移行期危機」の概念;識字化進むということは、文盲の親の世代との断絶が起こるということ、すなわち不変と見えた伝統的との絶縁が実行されるということであり、社会は流血と殺戮の局面に入ることになる。この期間のことを、ドットは伝統的社会からの近代社会への「移行期」と規定し、そこに展開するイデオロギー的発熱と流血の現象を「移行期危機」と称するのである。イングランドのピューリターン革命、フランス大革命、ナチズムの勃興、日本軍国主義等々が具体的現れである。
当時はフセイン大統領の独裁のもとに開発が進み、その富国強兵型(世俗主義・社会主義)高度成長期で、イランイラク戦争も並行して行われていた。
いわば、日本の明治時代(日清・日露戦争期)のように感じられた。
こういう国を、イスラームのテロ国家と規定して高空から大量の爆弾を落とすアメリカの「湾岸戦争」の論理はどうにも我慢できない虚妄と見えていた。その後のISに対する爆撃も同様である。
著者が提示する仮説は、その後30年間の中東とアメリカ・西欧との不幸な関係を雄弁に解き明かしており、ますます実証されつつある。そして今日も醜悪を究める一方的な爆撃の無意味を示している。
東西各国のみならず、サハラ以南のアフリカ社会も視野に入れて分析しているところは素晴らしい。
著者の見方に賛同する。
本書は言うまでもなく、サミュエル・ハンチントン教授が首唱した「 文明の衝突 」論へのカウンターとして書かれた書物である。著者のエマニュエル・トッドとユセフ・クルバージュの両氏は「全世界的な人口動態分析の用具」を駆使して、「イスラーム圏は現在、人口学的・文化的・心性的革命に突入しているが、その革命こそ、かつて今日の最先進地域の発展を可能にしたものに他ならない」とし、「イスラーム圏もそれなりに、世界歴史の集合点に向かって歩み続けている」(序章)とする。そして、イスラーム圏で発生している混乱は、「人口学的移行過程」に特有の「(伝統的社会から近代社会への)移行期危機」としてピューリタン革命やフランス、ロシアの革命などと重ね合わせるのである。
これらの“切り口”は、男女の「識字化(識字率の向上)」であり、私なりに単純化すると、「識字化(文化的近代化)→出生率低下(伝統的権威構造の崩壊)→移行期の政治的混乱(移行期暴力)」といったシェーマが描かれよう。そして、トッド博士らは人口学的知見等に基づいて、イスラーム圏は「近代化」に向かっての“産みの苦しみ”を味わっている、とする。ここで私は、先ず、一つの目的に向かう「世界史の必然的な歩み」といったヘーゲル主義的なパースペクティブにやや戸惑いを覚える。また、当書では、文明モデルの分岐は否定するするものの、“移行先”を語ってはいない。それは欧米型社会モデルを意味し、そこへ「大規模かつ急速」にイスラーム圏は収斂していくのであろうか。
ハンチントン教授の「文明の衝突」論に関しては、たとえば アマルティア・セン博士 の厳しい批判などが思い浮かぶ。セン博士は「世界の人々をたった一つの排他的な基準(いわゆる文明のこと−引用者)に特化して区分け」する「粗雑さ」を批難し、人々の「アイデンティティーの複数性」を強調する。そして、博士は「私たちが問わなくてはならないのは、敬虔なイスラム教徒がその人の宗教的な信仰や実践を、宗教以外のコミットメントや価値観その他の個人的なアイデンティティーの特徴とどのように組み合わせるのか」に力点を置く。セン博士の母国インドにおいては、「俗に「イスラム世界」と呼ばれるほとんどの国よりもずっと多いイスラム教徒を抱えているのが変わらぬ事実」であるのだから…。
さて、本書であるが、イスラム文明の現在を人類学的手法により論じる。そして識字率、出生率などの膨大なデータから既にイスラム諸国で近代化が進みつつあり、現在は「移行期危機」の段階にあるという。そしてイランのシーア派もアメリカ民主主義の源泉となったプロテスタントと同じ役割を果たす可能性を示唆している。
著者の見方は、歴史を人類学的手法という科学でみるのはよいとしても余りにも恣意的で単純化しすぎていないか?トッドは本書出版の時点で3回訪日したそうであるが、彼によると日本は敗戦までは「移行期危機」であったことになる。また、トッドがイランや日本が安全保障のため核兵器をもつことを肯定的に捉えていることを初めて知った。
小生にはトッドの思想はマルキシズムとは別としても人類学を武器にしたフランスの理念を絶対とする新しいイデオロギーに見えるのだが。
女性の識字率・出生率と社会の近代化の相関関係をダイナミックに説くのがトッド理論だが、実際の数値を用いてアラブ・アフリカ諸国の分析を試みたもの。
この本が出版されたのが2007年で、チュニジアやエジプトで「アラブの春」が起こったのが2010年。
乳幼児死亡率の高さからソビエト連邦の崩壊を予見したのに引き続きトッドの予想が的中したとして、ますますその名声を高めることになったようだ。
実を言うと、理論の部分は「アラブ革命はなぜ起こったか」で大まかにつかめるので、専門家ではない興味本位の読者にとっては、本書の詳細な分析はやや煩雑な感じ(著者が悪いわけではないが)。
ただ、核保有国であるパキスタンの動向についての懸念は、著者が著者だけに気になるところである。