評論や他の方のレビュー等で「正史を元に」とありますが、明らかに「演義」が下敷きです。
「正史」固有のエピソードはありません。
新たなエピソードや設定変更は著者の想像です。
で、この想像の世界が相変わらず渇いていますね。
「男」の生きる道や、血も涙も無い冷徹な描写、それに従って生き抜いていく大勢の主人公達の姿を「描き切る」世界は、相変わらず好きな人にはたまらんでしょう。
(コロナ前後の時代の肌感覚に合うか否かは別として)
逆に、確かにこうだったかもな・・・と思わずにいられません。
あっという間に全巻を読み切ってしまった。
最後のシーンはネタバレになるので語れないのですが、ここまでやっといて、そこで全て突き放しちゃうんだ!
という余韻に浸れること間違いありません。
オススメ。
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三国志 (1の巻) (ハルキ文庫 き 3-1 時代小説文庫) 文庫 – 2001/6/1
北方 謙三
(著)
天狼の星
- 本の長さ333ページ
- 言語日本語
- 出版社角川春樹事務所
- 発売日2001/6/1
- ISBN-104894568683
- ISBN-13978-4894568686
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登録情報
- 出版社 : 角川春樹事務所 (2001/6/1)
- 発売日 : 2001/6/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 333ページ
- ISBN-10 : 4894568683
- ISBN-13 : 978-4894568686
- Amazon 売れ筋ランキング: - 20,720位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和22(1947)年、佐賀県唐津市生れ。47年中央大学法学部卒。58年「眠りなき夜」で第1回日本冒険小説協会大賞、第4回吉川英治文学新人賞、平 成3年「破軍の星」で第4回柴田錬三郎賞、16年「楊家将」で第38回吉川英治文学賞、18年「水滸伝」で第9回司馬遼太郎賞、19年「独り群せず」で第 1回舟橋聖一文学賞、22年第13回日本ミステリー文学大賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 独り群せず (ISBN-13: 978-4167419110 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年6月19日に日本でレビュー済み
読書家でもなく、三国志にも全くと言っていいほど知見がない中で拝見させていただいた。
他のレビューでも書かれている通り、非常に読みやすくテンポも良い。また、初心者にとって人物情報や地理的情報などややこしい三国志であるが、仔細な地図なども添付されているため本書で全く完結できる仕様になっている。
数ある三国志小説の中で、本書の特長である部分は、ズバリ儚く散っていった呂布や周瑜などに、よりスポットライトを当てている点と、英傑たちの内面を女性関係を通して表現しようとしている点である。前者に関して、呂布はしばしば”脳筋のバカ”と称されることがあるが、それを”一人の妻を愛する”&"赤兎馬と戦場を駆け続けたい"といった魅力溢れる"実直さ"に巧く変換している。周瑜は、孫策との絆から始まり、赤壁での卓越した戦績、そして張飛の死にまで広く影響を与えるほどの人物として描かれる。
後者に関しては、妻や愛人を抱く際に、人物の考え、思想、性向が窺える様な描写が多く採用されている。女性関係を通して各登場人物の人間臭い一面をより一層に引き立たせることに成功している。
本書は、作者の創作でキャラクタ&出来事が展開されていく事が多いが、充分に理詰めされているため違和感なく史実・演戯に融合出来ている。時代錯誤的でもあるが、男のロマンが要所要所で満たされているため、頁をめくる手が止まらなかった。
他のレビューでも書かれている通り、非常に読みやすくテンポも良い。また、初心者にとって人物情報や地理的情報などややこしい三国志であるが、仔細な地図なども添付されているため本書で全く完結できる仕様になっている。
数ある三国志小説の中で、本書の特長である部分は、ズバリ儚く散っていった呂布や周瑜などに、よりスポットライトを当てている点と、英傑たちの内面を女性関係を通して表現しようとしている点である。前者に関して、呂布はしばしば”脳筋のバカ”と称されることがあるが、それを”一人の妻を愛する”&"赤兎馬と戦場を駆け続けたい"といった魅力溢れる"実直さ"に巧く変換している。周瑜は、孫策との絆から始まり、赤壁での卓越した戦績、そして張飛の死にまで広く影響を与えるほどの人物として描かれる。
後者に関しては、妻や愛人を抱く際に、人物の考え、思想、性向が窺える様な描写が多く採用されている。女性関係を通して各登場人物の人間臭い一面をより一層に引き立たせることに成功している。
本書は、作者の創作でキャラクタ&出来事が展開されていく事が多いが、充分に理詰めされているため違和感なく史実・演戯に融合出来ている。時代錯誤的でもあるが、男のロマンが要所要所で満たされているため、頁をめくる手が止まらなかった。
2020年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
難しい言葉や表現がなく、ほぼ現代の言葉で書かれていて、わかり易い内容でした。また人物一人ひとりの考え方や性格、無名に近いところから勇将になっていく様子が、とてもわかり易くて面白かった。とにかく、各諸将の個性が他の三国志より深く知ることができた。全巻購入したので、今後も楽しみだし、すらすら読めちゃいます。
2020年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三国志はちょっとハードル高いかなと思っていましたが、それぞれの武将たちのドラマや、戦シーンのスリルなどおもしろく、一気に読んでしまいました。
2020年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、前提として、私、読書家ではありません。
そんな私の視点からの感想ですが、まず、良かった点は、
この本、とても読みやすいです。日頃、本を読んでない方でもサクサク読める。
なので、日ごろ、本を読んでなくて、国語力低めの方でも、
三国志を知りたいと思ったならば、この本を読むといいと思いました。
この本を読む直前に、吉川英治さんの歴史小説を読んでいたのですが、
読書家ではない、私にとっては、吉川英治さんの歴史小説は小難しい表現や描写が多くて、
正直しんどかったです、一方、北方先生の三国志はストレスなくサクサク読めました。
逆に、物足りなかった点ですが、なんというか、私にとっては文章に面白みが足りませんでした。
例えば、司馬遼太郎さんの作品だと、あまり馴染みのない人物の話でも、絶妙な文章表現によって、
物語にグイッと引き込まれてしまう気がするのですが、そのような文章表現が希薄だった感じがしました。
なので、三国志にもともと興味がある方が読む分には興味を持って読み進められますが、
三国志に関心がない方が読むと少ししんどいのかなと思いました。
そんな私の視点からの感想ですが、まず、良かった点は、
この本、とても読みやすいです。日頃、本を読んでない方でもサクサク読める。
なので、日ごろ、本を読んでなくて、国語力低めの方でも、
三国志を知りたいと思ったならば、この本を読むといいと思いました。
この本を読む直前に、吉川英治さんの歴史小説を読んでいたのですが、
読書家ではない、私にとっては、吉川英治さんの歴史小説は小難しい表現や描写が多くて、
正直しんどかったです、一方、北方先生の三国志はストレスなくサクサク読めました。
逆に、物足りなかった点ですが、なんというか、私にとっては文章に面白みが足りませんでした。
例えば、司馬遼太郎さんの作品だと、あまり馴染みのない人物の話でも、絶妙な文章表現によって、
物語にグイッと引き込まれてしまう気がするのですが、そのような文章表現が希薄だった感じがしました。
なので、三国志にもともと興味がある方が読む分には興味を持って読み進められますが、
三国志に関心がない方が読むと少ししんどいのかなと思いました。
2013年3月28日に日本でレビュー済み
子供のころから、少しマンガなどで、三国志は部分的に読んでいましたが、
なかなか全部を最初から読む機会がありませんでした。
最近、北方謙三の三国志や水滸伝が出版されているのを機に、
全巻まとめて購入し読み始めました。
日本の歴史小説と違って、登場人物の名前や地名が簡単ではないので、
すんなり読めるかと思っていましたが、非常に文章が読みやすく、
なおかつ、それぞれの登場人物などが臨場感あふれるようになっています。
劉備、関羽、張飛の出会いから、曹操や孫堅の登場を描かれています。
まだ一巻目を読んだばかりですが、これから先に読み進めるのが楽しみです。
なかなか全部を最初から読む機会がありませんでした。
最近、北方謙三の三国志や水滸伝が出版されているのを機に、
全巻まとめて購入し読み始めました。
日本の歴史小説と違って、登場人物の名前や地名が簡単ではないので、
すんなり読めるかと思っていましたが、非常に文章が読みやすく、
なおかつ、それぞれの登場人物などが臨場感あふれるようになっています。
劉備、関羽、張飛の出会いから、曹操や孫堅の登場を描かれています。
まだ一巻目を読んだばかりですが、これから先に読み進めるのが楽しみです。
2009年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
高校時代に読んでいた某雑誌の相談コーナーにおいて、
やたらと「○ープに行って来い」を連呼する濃い顔のヘンなオジサン、
それが北方氏でした。以来、20年近く私は北方氏の小説を読むことなく
「そういう人」だと思い込んで過ごしてきました。
一方の吉川三国志は高校時代から何度となく読み続けてきたので、
「あの」北方氏が書いた三国志なんて・・・と読まず嫌いをしていました。
折からの三国志ブームで、北方ファンの友人から氏の書いた
「三国志の英傑たち」を借りて読んだところ、氏の三国志に対する
深い愛情を感じ、また、「どうして関羽は劉備に従ったのだろうか」
という今までごくごく「当たり前のこと」として考えもしなかったことを
徹底的に考察して、再構築しドラマチックに描ききる類い希な才能に
敬服しました。
そのひとつの例として北方三国志には「桃園の誓い」がありません。
でも、読んでみればわかるのですが、まったく違和感がなく、
むしろ、関羽、張飛が劉備に徐々に惹かれていく様子は吉川三国志よりも
説得力があると私は感じました。
呂布や曹操にしても、吉川三国志と描き方がずいぶんと違うけれど、
やはり違和感よりも、「ああ、たしかにそうかもしれない」と
イマジネーションをかき立てられることの方が多かったです。
ということで、北方謙三のことを「某雑誌の相談オジサン」程度にしか
認識していない、私のような「吉川三国志原理主義」の方は、
是非一度読んでみて下さい(^^)。
読まず嫌いをするにはあまりにも惜しい作品ですから。
やたらと「○ープに行って来い」を連呼する濃い顔のヘンなオジサン、
それが北方氏でした。以来、20年近く私は北方氏の小説を読むことなく
「そういう人」だと思い込んで過ごしてきました。
一方の吉川三国志は高校時代から何度となく読み続けてきたので、
「あの」北方氏が書いた三国志なんて・・・と読まず嫌いをしていました。
折からの三国志ブームで、北方ファンの友人から氏の書いた
「三国志の英傑たち」を借りて読んだところ、氏の三国志に対する
深い愛情を感じ、また、「どうして関羽は劉備に従ったのだろうか」
という今までごくごく「当たり前のこと」として考えもしなかったことを
徹底的に考察して、再構築しドラマチックに描ききる類い希な才能に
敬服しました。
そのひとつの例として北方三国志には「桃園の誓い」がありません。
でも、読んでみればわかるのですが、まったく違和感がなく、
むしろ、関羽、張飛が劉備に徐々に惹かれていく様子は吉川三国志よりも
説得力があると私は感じました。
呂布や曹操にしても、吉川三国志と描き方がずいぶんと違うけれど、
やはり違和感よりも、「ああ、たしかにそうかもしれない」と
イマジネーションをかき立てられることの方が多かったです。
ということで、北方謙三のことを「某雑誌の相談オジサン」程度にしか
認識していない、私のような「吉川三国志原理主義」の方は、
是非一度読んでみて下さい(^^)。
読まず嫌いをするにはあまりにも惜しい作品ですから。
2023年1月4日に日本でレビュー済み
北方謙三さんの作品に共通する特徴として、作品内の描写は全てキャラクターの目を通した一人称視点で描写されているという点があります。
他の歴史作家(例えば司馬遼太郎さんなど)のように「神の視点」で物語を俯瞰したり、登場人物が知り得ない情報を地の文で補完したりということはしません。
これによって劉備三兄弟などの「善玉」だけでなく、曹操や呂布などの敵キャラクターが生き生きと描写されており群像劇としてとても面白いです。
様々な挫折を味わいコンプレックスを抱えながらも覇者として成り上がっていく曹操は特に好きなキャラクターですね。
敢えて難点を上げるとすれば、いかにも雄臭い男のナルシズム全開の文章・世界観なのでそこが気になってしまう人はいると思います。
そこはそういうノリの作品なんだよ、という以外に答えようがないです。
他の歴史作家(例えば司馬遼太郎さんなど)のように「神の視点」で物語を俯瞰したり、登場人物が知り得ない情報を地の文で補完したりということはしません。
これによって劉備三兄弟などの「善玉」だけでなく、曹操や呂布などの敵キャラクターが生き生きと描写されており群像劇としてとても面白いです。
様々な挫折を味わいコンプレックスを抱えながらも覇者として成り上がっていく曹操は特に好きなキャラクターですね。
敢えて難点を上げるとすれば、いかにも雄臭い男のナルシズム全開の文章・世界観なのでそこが気になってしまう人はいると思います。
そこはそういうノリの作品なんだよ、という以外に答えようがないです。