自然な日本語というものがどういうものかよくわかる本です。
というより、日本語がどのような発想で成り立っているのかわかる本です。
例えば、ご飯を食べていて日本語なら「おいしい」、英語なら「It’s tasty＝それは美味しい」と言いますが、
日本語ではなぜこのように主語が省かれるのか、日本語を話す上での根っこにある考え方がわかります。
（ちなみに上記の例で違いが生じる理由は、日本語では目の前の状況を相手と共有しながら話が進むからです。
つまり、目の前にあるご飯は会話相手と共有されているので、わざわざ「”それは”」 と言う必要がないのです）
ちなみにこの本が生まれた経緯として、著者たちが日本語学校で多くの生徒に日本語を教える上で、ただ文法や表現を教えただけでは自然な日本語が身につかない、という苦労から生まれたようです。
生徒に日本語を身につけたもらうために「そもそも日本語を話している者の頭の中はどのような発想になっているのか」理解するテキストとして本書は存在するようですが、そのような教育関係者だけでなく、少しでも日本語に興味ある人には大きく役立ちます。
ちなみに私は物語の脚本を書く上で、自然な会話を描くために本書が役立ちました。
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