小学校低学年の国語の教科書に載っていたお話が４つ収録されています。
王様出かけましょう 寺村輝夫作 和歌山静子絵（こくご二上）
空いろのたね 中川李枝子作 山脇百合子絵（こくご二上）
ぼく、にげちゃうよ マーガレット=ワイズブラウン作 クレメント＝ハード絵 岩田みみ訳（こくご一下）
かさこ地ぞう 岩崎京子（こくご二下）
「
そらいろのたね
」などは、読み聞かせ絵本の定番ですが、本書に収録されている「空いろのたね」は、同じ話です。
違うのは、絵本版の方は、横書きで全文ひらがなですが、こちらの光村ライブラリー版の方は、教科書用に縦書きに直されていて、二年生までに習う漢字が使われている点です。
例えば、絵本の方は横書きで
つぎのあさ はやく、
「もう めは でたかな?」
と、ゆうじが みると、 おや まあ、
つちの なかから まめぐらいの
そらいろのいえが でてきました。
ですが、本書に収録されている方は、縦書きで
つぎの朝早く、
「もう、めは出たかな。」
と、ゆうじが見ると、おやまあ、土の中から、まめぐらいの空いろの家が出てきました。
となっています（全文振り仮名つき）
光村ライブラリー版の方は、絵本と同じ内容でお話が4つも入っていて定価1000円と大変お得で、漢字混じり表記なので大人としては読みやすいのがポイントです。コンパクト（151mm×213mm）なので、持ち運んで、外出先の待ち時間などの読み聞かせ用としてもいいかもしれませんし、大人が懐かしんで読む蔵書とするのにも、こちらのほうが便利かもしれません。
ただ、光村ライブラリー版の方はやはり国語の教科書で、国語の教科書は、あくまで「読み書き」を勉強するためなので、コンパクトにした分、絵本としての良さは、絵本版の方に軍配が上がると思います。
例えば「そらいろのたね」なんかは、家がどんどん大きくなっていき、動物たちが沢山やってくる絵を子供と楽しむのも醍醐味だと思います。
「ぼくにげちゃうよ」も、絵本版の方は、子うさぎとおかあさんうさぎの会話の部分はモノクロの挿絵ですが、一つ一つの会話のページの次のページをひらくと、見開きでカラーの素晴らしい絵が描かれている構成になっています。しかし、光村ライブラリー版の方は、見開きで一緒のページに描かれています。絵本版の方が、ページをめくる楽しさがあります。
「家でゆっくり幼児に読み聞かせるなら絵本版」「出先で読み聞かせしたり、音読の練習まで考えたら光村ライブラリー版」といえるかもしれません。
ちなみに、うちは、もともと絵本版の「そらいろのたね」と「ぼくにげちゃうよ」を持っていたのですが、光村ライブラリーの方をセット買いしたので、たまたまかぶってしまいました。でも、どちらも、それぞれの良さがあり、買ってよかったと思っています。
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