大人気の観光地でないシンガポールの顔を知りたくて、中古で出ていた本書を入手しました。
20年以上前の発行なので最新の観光スポットについての情報は当然ながらありませんが、多民族文化の様相が極めて具体的に描き出されていて、一気に読めました。「路地裏」という標題から受ける印象よりはるかにディープな内容と目配りで、とっつきやすいけれど貴重な情報が満載です。華人、マレー系、インド系などの文化や習慣がどう混在し、折り合いをつけているかが少し笑えるエピソードも交えて次々に繰り出され、この国のことをもっと知りたいと思わせます。
この著者の出版物をもっと読みたいという気にさせられるのですが、21世紀に入ってから全く見当たらないのが不思議です。
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シンガポール路地裏百科 (アジア・カルチャーガイド 2) 単行本 – 1994/4/1
葭原 麻衣
(著)
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社トラベルジャーナル
- 発売日1994/4/1
- ISBN-104895593045
- ISBN-13978-4895593045
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「通」による「通」のためのアジア読本。シンガポールの国のしくみからグルメ情報まで、知りたいことがきっと見つかるガイドブック。14年間に50回も旅した著者が語る、シンガポールの路地裏文化。
登録情報
- 出版社 : トラベルジャーナル (1994/4/1)
- 発売日 : 1994/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 190ページ
- ISBN-10 : 4895593045
- ISBN-13 : 978-4895593045
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,492,784位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 16,546位海外旅行ガイド (本)
- - 101,113位歴史・地理 (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
裏路地百科というほど内容が意外ということはなかった。所詮は情報がこなれているシンガポールなので致し方ないのかもしれません。それと1995年の本ですので内容が古いものの、私は20年振りくらいの訪問でしたので、いつ頃街が変わったのかを知ることができて役に立ちました。
2020年11月30日に日本でレビュー済み
はじめてシンガポールに行ってから幾星霜。見上げる程の摩天楼、緑溢れる美しい街並み、欧米のマナーが板に付いた洗練された住民。ラッフルズホテルにサマセット・モームが泊まったぐらいの知識しかなかった自分は口をあんぐり。日本とは比較にならない程発達した資本主義社会の姿がそこにあった。もっとこの国の事が知りたくなって帰国してから見つけたのがこの本。国の成り立ち、国民性、全てが新鮮で目から鱗。貪るように読んだのを昨日のように思い出す。初代首相リー・クァンユーを肯定的に紹介したのはこの本が初めてではないだろうか。
話は逸れるが、日本の新自由主義者の罰当たりどもがいつの頃からかシンガポールを何かのモデルのように取り上げ出したがやめてほしい。というより、連中がシンポールのシの字を口にする度にぞっとする。リー・クァンユーを始めとする指導者層のエートスは、イギリスの現実主義と華僑の実利主義、或は近代社会の「公共の福祉」と中国伝統の「経世済民」といった価値観のアマルガムであろう。だからこそ、何らかの形で国民がその恩恵に預かれる国の発展を成し得たのだ。そんな精神をかけらも持ち合わせていない人間が猿真似をしても、たちまち空理空論の堕するかごく一部の人間に利益を供するのがオチなのだ。
まあ、それはともかく―
さて本書、元々単なる旅行ガイドとして書かれたものではないので話題は多岐に渡る。政治、経済、教育―結構真面目な話も多い。政府の取るユニークな施策を抜きにしてこの国の人々の暮らしは語れぬということか。だが、豊富な体験談と嫌味のないジョークを織り混ぜ一気に読ませる。堅苦しさは全くない。
ただ、本書を他の類書と分かつ点は別にある。それは他でもない、著者のシンガポールに対する愛着。勢いのあるその文章から著者はチャキチャキした性格の持ち主とお見受けするが、何事もテキパキと事が運ぶあの国と余程馬が合ったに違いない。リー・クァンユーの国造りへの情熱、開明的で合理的な国民気質、他民族であるがゆえの活気―惚れ抜いた著者が気心の知れた友人を紹介する時のようにその美点を語って倦むことがない。いや、それで十分。人を他人に引き合わせる時、最初に悪口を並べ立てる奴はいない。それが飛び切り魅力的な人物なら猶更だろう。ジャーナリストや学者の覚めた記述からは漏れた、しかし我々旅行者が目の当たりにするあの国の姿がそこにある。
難点は、なにぶん出版がかなり前なので掲載されている話題が古いこと。出来れば、改訂版か続編を出してほしいのだが、他のレビューアーの方も仰っているように著者は既に引退状態にあるようなので無理な話か。本書が出版されてからますます発展を遂げたが、リー・クァンユー亡き後遺族の内紛劇も漏れ伝えられる昨今、今のシンガポールがその目にどのように映るか、ぜひ著者の声が聴いてみたい
(追記)著者は食文化についてかなりのこだわりをお持ちのようで、グルメ情報に関してもかなり充実している。チキンライス(海南鶏飯)を本邦に紹介したのも本書が魁だろう。ちなみにこの本の中で絶賛されているチキンライスの名店「瑞記(スイ―キー)」は僕が初めて行った90年代半ばには店舗こそ残っていたものの店は閉じられていた。実は、経営者父子が交通事故に見舞われ閉店を余儀なくされたと知ったのは、香港の美食家チャイ・ランの著書を読んだ最近のことだった。
話は逸れるが、日本の新自由主義者の罰当たりどもがいつの頃からかシンガポールを何かのモデルのように取り上げ出したがやめてほしい。というより、連中がシンポールのシの字を口にする度にぞっとする。リー・クァンユーを始めとする指導者層のエートスは、イギリスの現実主義と華僑の実利主義、或は近代社会の「公共の福祉」と中国伝統の「経世済民」といった価値観のアマルガムであろう。だからこそ、何らかの形で国民がその恩恵に預かれる国の発展を成し得たのだ。そんな精神をかけらも持ち合わせていない人間が猿真似をしても、たちまち空理空論の堕するかごく一部の人間に利益を供するのがオチなのだ。
まあ、それはともかく―
さて本書、元々単なる旅行ガイドとして書かれたものではないので話題は多岐に渡る。政治、経済、教育―結構真面目な話も多い。政府の取るユニークな施策を抜きにしてこの国の人々の暮らしは語れぬということか。だが、豊富な体験談と嫌味のないジョークを織り混ぜ一気に読ませる。堅苦しさは全くない。
ただ、本書を他の類書と分かつ点は別にある。それは他でもない、著者のシンガポールに対する愛着。勢いのあるその文章から著者はチャキチャキした性格の持ち主とお見受けするが、何事もテキパキと事が運ぶあの国と余程馬が合ったに違いない。リー・クァンユーの国造りへの情熱、開明的で合理的な国民気質、他民族であるがゆえの活気―惚れ抜いた著者が気心の知れた友人を紹介する時のようにその美点を語って倦むことがない。いや、それで十分。人を他人に引き合わせる時、最初に悪口を並べ立てる奴はいない。それが飛び切り魅力的な人物なら猶更だろう。ジャーナリストや学者の覚めた記述からは漏れた、しかし我々旅行者が目の当たりにするあの国の姿がそこにある。
難点は、なにぶん出版がかなり前なので掲載されている話題が古いこと。出来れば、改訂版か続編を出してほしいのだが、他のレビューアーの方も仰っているように著者は既に引退状態にあるようなので無理な話か。本書が出版されてからますます発展を遂げたが、リー・クァンユー亡き後遺族の内紛劇も漏れ伝えられる昨今、今のシンガポールがその目にどのように映るか、ぜひ著者の声が聴いてみたい
(追記)著者は食文化についてかなりのこだわりをお持ちのようで、グルメ情報に関してもかなり充実している。チキンライス(海南鶏飯)を本邦に紹介したのも本書が魁だろう。ちなみにこの本の中で絶賛されているチキンライスの名店「瑞記(スイ―キー)」は僕が初めて行った90年代半ばには店舗こそ残っていたものの店は閉じられていた。実は、経営者父子が交通事故に見舞われ閉店を余儀なくされたと知ったのは、香港の美食家チャイ・ランの著書を読んだ最近のことだった。
2001年6月3日に日本でレビュー済み
確かにクリーンでグリーンな都市国家は美しいが、計画された街には、なにか整いすぎた人間のようで、どこか魅力に乏しいような印象をもっていた。しかしその舞台裏では様々な人間ドラマと歴史や文化が複雑にからみあって、多様性を維持しているのだった。
マンダリンホテルの『海南チキンライス』もこの本で知ったが、一度食べてみて、美味でやみつきになった。ほかにも庶民的なグルメの話題もあっておもしろい。車窓からの眺めを楽しむより、むしろいろいろと歩き回ったほうが、面白い体験が出来そうなところである。
この1册でシンガポールに対する見方、考え方もずいぶんと変わった。
マンダリンホテルの『海南チキンライス』もこの本で知ったが、一度食べてみて、美味でやみつきになった。ほかにも庶民的なグルメの話題もあっておもしろい。車窓からの眺めを楽しむより、むしろいろいろと歩き回ったほうが、面白い体験が出来そうなところである。
この1册でシンガポールに対する見方、考え方もずいぶんと変わった。