商品説明が「単行本(ソフトカバー)」となっているが、これは新書。
妙にガキっぽいざっくばらんな語り口だが、語りの内容は若干不親切で読者を置き去り気味。
入門書としては最初に選ぶべきではない。
先にニーチェの代表作数冊と他の入門書・概説書を読んだ後の方がよい。
わざとゴーマンな語り口にしているのはわかるのだが、
ニーチェ本人のような意地悪いアイロニーが突き抜けたユーモアに昇華していく
あの晴れやかさが足りず、単に不遜な感じばかりが募る。
超越論哲学や現代科学に対しても嘲弄的な態度を崩さない。かなり徹底した「ニーチェ厨」と言える。
超越論哲学に一定の敬意を払う永井均の方がこの点では正統的かつオトナである。
脳死問題から説き起こしていることからもわかるとおり、フーコー風味のニーチェ受容。
認識・真理・道徳・意志の由来と発生を、起源の外在性として、諸力の配置から捉え、
その「解釈」によって捏造された虚構性を見極める。
ニーチェからフーコーに継承された系譜学ないし考古学も、
方法はともかくその内容の是非は吟味の余地があるわけで、
それもまた「別の」捏造ではないかどうか疑ってみるべきだろう。
しかしこうした考えうるあらゆる批判は最終章「槌とハエ」で封じられてしまい、
正直ギャフンである。この性格の悪さは異常。
(「フーコー」も「フコー」と記していて、これもいかにも狷介で感じ悪い。「フーコー」でええやん)
あまり好きではないのだが、内容が濃いのは認めるので評価は高くした。
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ニーチェって何: こんなことをいった人だ (新書y 6) 新書 – 2000/5/1
榎並 重行
(著)
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社洋泉社
- 発売日2000/5/1
- ISBN-104896914635
- ISBN-13978-4896914634
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
哲学者ニーチェが何と格闘してきたのかを我々は知らない、我々はいかにしてニーチェを知らずして彼を読んできたか…。従来の研究とは異なる視点から、ニーチェを読むことにおけるニーチェ的なあり方を説く。
登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2000/5/1)
- 発売日 : 2000/5/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 238ページ
- ISBN-10 : 4896914635
- ISBN-13 : 978-4896914634
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,476,758位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 303位新書y
- - 1,347位ドイツ・オーストリアの思想
- - 2,852位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
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