この手の本は教育関係者など(もちろん学生もですが・・・)一部の限られた関係者しか読まれていないことが大変残念だと思う。
高齢化社会に対する政策は一生懸命なのに(いい意味でも悪い意味でも)若者に対しては手薄感が否めない。
(ニートからも某TV番組で『現在政府の行なっているニート対策費用は意味がない』と発言され顔色が変わった国会議員がいたが・・・)
若者の話題はどうしても少子化と結びつくパラサイトシングルやフリーター・ニートなどはわがままだ・・。」とか、出生率の問題などに話題がいき「子どもを生まない女性に非難は集中する。
が、若者が社会的弱者になっている現状を国会議員の方々はどのよう思っているのだろうか?もう、家族や個人では対応できないところまで来ているのだ。求人率が上がれば解消できる問題でもない。
(選挙権がない人には冷たい。。とか???)
筆者の提言には例えば、大学の学費の自費負担などいろいろな意見があるとは思うが、大学生になる前に必読図書として読んで欲しい。
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若者が社会的弱者に転落する (新書y 74) 新書 – 2002/11/1
宮本 みち子
(著)
- ISBN-104896916786
- ISBN-13978-4896916782
- 出版社洋泉社
- 発売日2002/11/1
- 言語日本語
- 本の長さ184ページ
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登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2002/11/1)
- 発売日 : 2002/11/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 184ページ
- ISBN-10 : 4896916786
- ISBN-13 : 978-4896916782
- Amazon 売れ筋ランキング: - 113,143位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年4月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は出版されたのが2002年となっており、フリーターという言葉は見られますがニートはまだ見うけられません。 状況はますます深刻化していると言えるでしょう。 若者に迎合するでもない、かと言って団塊世代として若者に説教をするでもない宮本女史の姿勢は立派だと思います。 一体日本の社会に何が起こっているのか、何がそうさせているのかを冷静にわかりやすく解き明かしています。 “子供のしつけをするためにはある程度子供を経済的依存の状態にしておくべきである” また団塊世代について“だが彼らは同時に不安も感じていたのではないか。 生活の全てを他者(市場)にゆだねていることについてー” など、鋭い考察が光ります。 ただ、“若者の没落をふせぐために社会がすべきことは何か”の章では、果たしてこれだけで本当に大丈夫なのだろうか、という不安がやはり残ります。
現在私が暮らしているアメリカの地方都市のある中学校でつい先日、女生徒の(学校で撮ったと思われる)ヌード写真が携帯電話を通して全校生徒にあっという間に広まったという事件が起こりました。 いずれ日本でも同じことが起こると思うのですが、生活に必要なものを生産・消費する社会が、いつの間にか何が何でも品物を売らなくては・買わなくては生き残れない−という社会にすりかわっているような気がします。 それでも“自分の生き方は自分が決める”という個人主義が徹底的に根付いているアメリカと比べて、家族や世間の目にがんじがらめに縛られている日本人のほうが、先行き不安は大きいような気がします。 こういう本はいくらあっても足りないくらいだと思います。 日本人全てが考えるべき問題でしょう。
現在私が暮らしているアメリカの地方都市のある中学校でつい先日、女生徒の(学校で撮ったと思われる)ヌード写真が携帯電話を通して全校生徒にあっという間に広まったという事件が起こりました。 いずれ日本でも同じことが起こると思うのですが、生活に必要なものを生産・消費する社会が、いつの間にか何が何でも品物を売らなくては・買わなくては生き残れない−という社会にすりかわっているような気がします。 それでも“自分の生き方は自分が決める”という個人主義が徹底的に根付いているアメリカと比べて、家族や世間の目にがんじがらめに縛られている日本人のほうが、先行き不安は大きいような気がします。 こういう本はいくらあっても足りないくらいだと思います。 日本人全てが考えるべき問題でしょう。
2007年5月20日に日本でレビュー済み
失業率の上昇等により経済的な余裕のない若者も,潤沢な余裕資産を有する親と同居することで,比較的自由な消費生活を楽しむことができる。そして,昔とは異なり,そうしたパラサイト生活を享受し,社会参加の意欲を持たない「新しいモラトリアム」意識を持つようになる。その結果として,結婚せずパラサイト・シングルを楽しむことになる。
これらの分析を経て,筆者は,次のような懸念を抱く。
《経済社会のゆとりが,年若い消費者を大量につくりだし,友達親子を生み出した。しかし,社会のゆとりが失われたとき,果たして友達親子は生き残ることができるだろうか。親が手厚く保護することができなくなれば,消費者という社会的地位はあとかたもなく失われる。子どもたちは生活面・社会面で自立する能力を欠いたまま,厳しい現実に直面せざるを得ない。そんな未来が行く手に待ちかまえている可能性を,親と子はどれだけ自覚できているのか。》(150頁)
上記の分析を踏まえた(はずの)提案は,何だか尻すぼみのような気がする。
しかし,若者のパラサイト生活が何に寄って立っているのか,それがどれほど危うい基礎の上に成り立っているのかといった分析は,非常に読み応えがあった。
これらの分析を経て,筆者は,次のような懸念を抱く。
《経済社会のゆとりが,年若い消費者を大量につくりだし,友達親子を生み出した。しかし,社会のゆとりが失われたとき,果たして友達親子は生き残ることができるだろうか。親が手厚く保護することができなくなれば,消費者という社会的地位はあとかたもなく失われる。子どもたちは生活面・社会面で自立する能力を欠いたまま,厳しい現実に直面せざるを得ない。そんな未来が行く手に待ちかまえている可能性を,親と子はどれだけ自覚できているのか。》(150頁)
上記の分析を踏まえた(はずの)提案は,何だか尻すぼみのような気がする。
しかし,若者のパラサイト生活が何に寄って立っているのか,それがどれほど危うい基礎の上に成り立っているのかといった分析は,非常に読み応えがあった。
2020年3月20日に日本でレビュー済み
90年代の後半から若者が親元から別の住居に移動できにくくなり、正規雇用にも就きにくくなったというのは、97年の消費税増税以後のデフレ不況の影響であるし、大学進学率の増加も物価上昇率が低くなってしまった影響で、20歳前後の人間が労働市場に出にくくなった影響である。それらの統計上の数字と物価水準は概ね相関しているはず。
そして英米についても物価水準が低くなったがゆえに日本と同様の問題が発生しているのである。
社会学者と経済学者が意見を交換できる場が増えてほしいという感想を持った。
そして英米についても物価水準が低くなったがゆえに日本と同様の問題が発生しているのである。
社会学者と経済学者が意見を交換できる場が増えてほしいという感想を持った。
2005年7月18日に日本でレビュー済み
放送大学で興味深い社会学の授業をしている先生の本。薄い新書なので楽に読めると思ったら、内容が濃くてずいぶん時間がかかってしまった。非常に良書だったと思う。
若者がなかなか親の家を出ず、結婚もせず、経済的にも社会的にも自立しないという現象を、社会経済的、心理的背景から解き明かしている。それも非常に納得性の高い記述が多い。
晩婚化には、なかなか解消しない企業社会における男性中心主義が影を落としている。長く働き続けても女性の地位も賃金も上がっていかないし、子供を持ちながら働くための社会的インフラも貧弱である。だから結婚して子供を持ったら女性は仕事をやめ、夫の収入に依存せざるをえない。すると、結婚したら夫だけの経済力で子供を産み育てなければならないという経済的プレッシャーから、男女ともに結婚に踏み切れない。むしろ親と暮らしていたほうが楽だ、ということになってしまうのだ。
そして、この男性中心主義の結果、能力もやる気もある大多数の女性が、社会で活躍する場面を奪われ、消費や趣味の世界に追い込まれているという。もったいない話である。
莫大な教育費が親の負担としてかかっている現状も、若者の自立を妨げている。EU諸国では、授業料減免や高い水準の奨学金を使って、学生が自分の負担で、熱心に授業に取り組んでいる。
一方、日本の大学生はあまりにも勉強しない。費用を親が出していることと無関係ではあるまい。いい成績を修めないと奨学金がもらえないようなシステムだったら、今以上に大学生は勉強するようになるだろう。莫大な費用を親が負担し、その結果当の学生がぜんぜん勉強しないのでは、壮大な社会的ムダである。日本ももっと奨学金制度を充実させて、学生が自分の負担で学ぶようにしたらいい。著者の主張に全面的に賛成だ。
若者がなかなか親の家を出ず、結婚もせず、経済的にも社会的にも自立しないという現象を、社会経済的、心理的背景から解き明かしている。それも非常に納得性の高い記述が多い。
晩婚化には、なかなか解消しない企業社会における男性中心主義が影を落としている。長く働き続けても女性の地位も賃金も上がっていかないし、子供を持ちながら働くための社会的インフラも貧弱である。だから結婚して子供を持ったら女性は仕事をやめ、夫の収入に依存せざるをえない。すると、結婚したら夫だけの経済力で子供を産み育てなければならないという経済的プレッシャーから、男女ともに結婚に踏み切れない。むしろ親と暮らしていたほうが楽だ、ということになってしまうのだ。
そして、この男性中心主義の結果、能力もやる気もある大多数の女性が、社会で活躍する場面を奪われ、消費や趣味の世界に追い込まれているという。もったいない話である。
莫大な教育費が親の負担としてかかっている現状も、若者の自立を妨げている。EU諸国では、授業料減免や高い水準の奨学金を使って、学生が自分の負担で、熱心に授業に取り組んでいる。
一方、日本の大学生はあまりにも勉強しない。費用を親が出していることと無関係ではあるまい。いい成績を修めないと奨学金がもらえないようなシステムだったら、今以上に大学生は勉強するようになるだろう。莫大な費用を親が負担し、その結果当の学生がぜんぜん勉強しないのでは、壮大な社会的ムダである。日本ももっと奨学金制度を充実させて、学生が自分の負担で学ぶようにしたらいい。著者の主張に全面的に賛成だ。
2012年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
少し前にNHKの「老人が自らの死にどう向き合うか、死を迎える前にどのような準備をしておくべきか。」についての番組に著者がご出演なさっていたのを拝見し、その毅然たる姿勢に強い印象を受けました。 著者は元々高齢者層よりも若年層の問題を中心に扱われていたようで、更に興味を持ってこの本を購入してみました。
私は著者が研究の対象となさっていたまさに「若者」の世代です。 10年を経て30代半ばを過ぎ、もはや中年と言われても仕方がない年となってしまいましたが、ここに来て大きく躓いている状況です。 まさに弱者への転落の一歩手前まで来てしまいました。
武田鉄矢さんが『金八先生』を演じることを始められたのが若干30歳であったという衝撃の事実。 現在の私よりずっと年下であったのにも関わらず、面構えが全くことなります。 <昔の大人>と今の30代の差異を強烈に感じます。
著者はP.71で、『現代、「成人になる」ということは、本人の価値観や活動が安定し、自分の人生を主体的に設計する自覚があり、そのための経済力をもち、リスクに対処するための知識や技量が基本的にそなわった状況に達することが条件となる。」と定義されています。 まさにこの文脈において、私自身の知識・技量の不備を認めざるを得ません。 どの時代でも社会状況に関係なく才能を開花させ、(商業的に)成功を収められるひとはいるでしょう。 そのひとたちから見れば私などは<甘い>としか看做されないかもしれません。
しかしながら、著者は若年層が弱者に転落する問題を、個々人の甘え(=パラサイト的文脈)や弱さとしてなく、「社会構造の問題」として捉え、その構造の改善・改革への警笛を鳴らしてくださっています。 この点、現在の私自分の状況について、必ずしも自らの資質のみが招いたわけではないと考えられるようにはなります。 少々気持ちが楽にはなりました。 著者は日本においては若者の自立が「親掛り」と「会社頼み」という性格を強く持つと指摘なさっています。 私が大学を卒業した時期がまさに底の底でしたので、紆余曲折を経てようやく正社員として雇用された会社も迷走して不安を煽る。。。 「会社頼み」が大きく崩れた現状から、スタートの時点で全く夢が持てない。 正直なところ厳しいな、と思う部分はあります。
本作は今からちょうど10年前に発行されていますが、この問題が社会の問題として深刻に取り上げられたのは本当にここ数年ではないでしょうか。 残念ながら大多数の国民のこころには著者の警笛は響かず、著者の提唱する「ポスト青年期」という名称は定着しませんでした。 今後、国と社会の総力をあげての取り組みが緊急で必要となるでしょう。
「失敗してもやり直しがきく社会」をどのように構築していけるのか。 著者の取り組みに今後も注目し、自分もそ何らかのかたちで関わっていければと思っております。
***
なお、本作で気になる点は欧米崇拝主義的な論調が多く見受けられること。 著者は私の親と全くの同年齢です。 戦後直後に生まれ、欧米への憧れを抱いて生きてきた部分はあるでしょう。 しかしながら、2002年当時に既に欧米でも様々な問題が生じており、2012年現在では社会は混乱の極みにあります。 「欧米では」「欧米では」と、あまりそういった思考の方向で問題を解決するのではなく、改めて日本独特の文脈で見つめ続けるのが現実的ではないかと考えます。
私は著者が研究の対象となさっていたまさに「若者」の世代です。 10年を経て30代半ばを過ぎ、もはや中年と言われても仕方がない年となってしまいましたが、ここに来て大きく躓いている状況です。 まさに弱者への転落の一歩手前まで来てしまいました。
武田鉄矢さんが『金八先生』を演じることを始められたのが若干30歳であったという衝撃の事実。 現在の私よりずっと年下であったのにも関わらず、面構えが全くことなります。 <昔の大人>と今の30代の差異を強烈に感じます。
著者はP.71で、『現代、「成人になる」ということは、本人の価値観や活動が安定し、自分の人生を主体的に設計する自覚があり、そのための経済力をもち、リスクに対処するための知識や技量が基本的にそなわった状況に達することが条件となる。」と定義されています。 まさにこの文脈において、私自身の知識・技量の不備を認めざるを得ません。 どの時代でも社会状況に関係なく才能を開花させ、(商業的に)成功を収められるひとはいるでしょう。 そのひとたちから見れば私などは<甘い>としか看做されないかもしれません。
しかしながら、著者は若年層が弱者に転落する問題を、個々人の甘え(=パラサイト的文脈)や弱さとしてなく、「社会構造の問題」として捉え、その構造の改善・改革への警笛を鳴らしてくださっています。 この点、現在の私自分の状況について、必ずしも自らの資質のみが招いたわけではないと考えられるようにはなります。 少々気持ちが楽にはなりました。 著者は日本においては若者の自立が「親掛り」と「会社頼み」という性格を強く持つと指摘なさっています。 私が大学を卒業した時期がまさに底の底でしたので、紆余曲折を経てようやく正社員として雇用された会社も迷走して不安を煽る。。。 「会社頼み」が大きく崩れた現状から、スタートの時点で全く夢が持てない。 正直なところ厳しいな、と思う部分はあります。
本作は今からちょうど10年前に発行されていますが、この問題が社会の問題として深刻に取り上げられたのは本当にここ数年ではないでしょうか。 残念ながら大多数の国民のこころには著者の警笛は響かず、著者の提唱する「ポスト青年期」という名称は定着しませんでした。 今後、国と社会の総力をあげての取り組みが緊急で必要となるでしょう。
「失敗してもやり直しがきく社会」をどのように構築していけるのか。 著者の取り組みに今後も注目し、自分もそ何らかのかたちで関わっていければと思っております。
***
なお、本作で気になる点は欧米崇拝主義的な論調が多く見受けられること。 著者は私の親と全くの同年齢です。 戦後直後に生まれ、欧米への憧れを抱いて生きてきた部分はあるでしょう。 しかしながら、2002年当時に既に欧米でも様々な問題が生じており、2012年現在では社会は混乱の極みにあります。 「欧米では」「欧米では」と、あまりそういった思考の方向で問題を解決するのではなく、改めて日本独特の文脈で見つめ続けるのが現実的ではないかと考えます。
2003年7月6日に日本でレビュー済み
著者は教育学部に力を注ぐ千葉大学の女性教授で本書は大変薄く安価であるにもかかわらず、必要十分に主張と根拠と提言が述べられる。1ページを無駄にするところの無い経済的な1冊である。よくある若者への勘違い的な迎合でもなく、「いまどきの若者は」的な論調でもなく、極めて構造的な自然の結果として「今」があることを著者は説得力あるデータと考察で展開する。こうした地に足の着いた主張が真に若者を擁護するのではないかと思う。
2015年2月8日に日本でレビュー済み
2002年と存外古い本ではあるが、本書の指摘の多くは鋭く先見的なものであり、幾らかの修正や追加が必要であるとは言え、基本的には、現在の社会や若者の有様は本書で指摘されているような事の「延長」上にあるように思われる。(未だ有効である点も幾らか驚ける事だが、もう一つ驚くのは著者が世代的に全く若くはないという事だ。にも関わらず的確に若者の最新動向を掴む事に概ね成功している。)ただそれは見方を変えれば本書が早い時期から警鐘を鳴らしたような社会的動向は殆どが食い止められずにそのまま進行し悪化していった、という事でもある。そういう意味では本書が未だに妥当な部分を多く持つというのは残念な事実である。200頁にも届かない短い本でありながら、若者を取り巻く新しい社会環境、社会的変化をそれなりに広く扱っており。若者が現代社会で置かれている環境、若者を悩ませる社会構造を知り考えるための「入門」「初歩」には今でも利用可能だろう。ただやはりもっと新しく分厚い本による補強は必要であるとも思う。